KBC九州朝日放送

KBCサイト内検索

福岡恋愛白書13 BD好評発売中

KBC共通メニューをスキップ

非アルコール性脂肪性肝炎

 
今回、非アルコール性脂肪性肝炎についてお話を伺ったのは、
浜の町病院 肝臓内科部長の
煖エ和弘(たかはし かずひろ)先生です。


■非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)とは

非アルコール性脂肪性肝炎とは、
お酒をほとんど飲まない人が脂肪肝になり、
それが原因で起こる肝機能異常のことで、
英語の頭文字をとって“NASH”とも呼ばれます。
日本人のおよそ30%の人は脂肪肝があるといわれていますが、
その中の一部の人がお酒を飲まないにも関わらず
肝硬変や肝臓がんになります。


■脂肪肝とは

脂肪肝とは肝臓の細胞に脂肪が溜まった状態です。
通常、肝臓には3〜5%の脂肪があるとされていますが、
これが30%以上になると脂肪肝と診断されます。
脂肪肝の原因のひとつはお酒の飲みすぎ。
肝臓がアルコールを分解する際に
脂肪も一緒に作られてそれが肝臓へと蓄えられます。

しかし普段お酒を飲まない人でも乱れた食事習慣から
肥満になると脂肪肝が進みます。
アルコール性・非アルコール性を問わず
人によって脂肪肝は肝炎から肝硬変・肝臓がんといった
深刻な肝臓疾患に進行します。
“お酒を飲まないから肝臓がんは大丈夫”とは
決して言えないのです。


■リスクファクター

最近、がんのリスクファクターとして
肥満や糖尿病が注目されています。
糖尿病の患者さんの死因の1番は悪性腫瘍ですが、
中でも肝臓がんがいちばん多いといわれています。
日本人の肝臓がんは、大部分はB型肝炎や
C型肝炎の患者さんから起こるのが普通でした。

しかし最近、B型肝炎やC型肝炎でない人から起こる
肝臓がんが非常に増えています。
これらの中の大部分はこのような脂肪肝をベースにした
肝臓がんでないかといわれています。

脂肪肝やNASHの患者さんが増えてきているので、
今後も肝臓がんの原因としてNASHは
大変重要になってくると思います。


■NASHの症状

肝臓はよく“沈黙の臓器”といわれますが、
NASHも特徴的な自覚症状はほとんどありません。
健康診断や人間ドック、他の病気で病院を受診した際に
たまたま見つかるというようなケースが多いようです。
ただし進行すると全身の倦怠感や黄疸といった症状が
見られるようになります。

脂肪肝の人の一部の人だけがNASHになります。
どうして一部の人がNASHになるかというのは
残念ながら現在の医療では分かっていません。
現在、いろんな研究がなされているところです。


■NASHの検査

超音波検査で脂肪肝があり、肝機能障害がある人は
まずNASHが疑われます。
ただし“肝生検”という肝臓の細胞を取る検査をしないと
はっきりとした診断はつきません。
肝生検を受けることによって
診断、およびもしNASHとしたら
どれくらい進行しているかというのが分かります。


■予防対策

NASHは運動不足やカロリーのとりすぎなど
生活の乱れをもとに起こります。
なので、規則正しい生活をすることが第一です。
食事療法、運動療法に心がけましょう。

ただしNASHの場合、脳梗塞や心筋梗塞などを
合併する頻度も高いので
運動療法については担当のお医者さんに相談してください。

卵巣がん

 
今回、卵巣がんについてお話を伺ったのは、
福岡大学医学部 産婦人科学教室 主任教授の
宮本新吾(みやもと しんご)先生です。

■卵巣がんの症状

卵巣はお腹の中にある親指ぐらいの大きさの臓器ですが
がんが大きくなってこないと
なかなか症状が出てこないという特徴があります。
症状は、急にお腹が大きくなった、
上を向いて眠れなくなった、
胸が息苦しくなってきたなどです。

卵巣がんはもともと卵巣の表面を
覆っている皮から起こるものが1番多いですが、
実はお腹の内側を覆っている皮と成分が全く一緒です。

そのためにお腹の中に容易に広がってしまう、
それは播種(はしゅ)と呼ばれますが、
かなり広範囲に播種した状態で
それから症状が出て病院を受診するということが非常に多く、
それが卵巣がんの症状を遅らせている特徴の1つです。


■卵巣がんの特徴

卵巣がんは40歳代から増え始め、
50歳代から60歳代が発症のピークとされています。
また死亡率は50歳以降で増加して、
高齢になるほど高くなります。

卵巣は骨盤の奥深くにあるため、
がんができても痛みやしこりを感じにくく、
どうしても受診が遅れてしまいがちで、
かなり進行してから卵巣がんが見つかることも
少なくありません。
そのため下腹部に違和感がある場合は、
なるべく早めに婦人科を受診することが大切です


■卵巣がんの原因

卵巣がんが起こるのにはいろいろな原因があります。
まず1つには「卵が出る回数」の多い人は
卵巣の皮がたくさん傷つくので、
がん化しやすいといわれてます。
どんな人が「卵をたくさん出す」のかというと、
子どもを妊娠する機会の少ない人ということになります。

また最近 問題になっているのは子宮内膜症で、
「チョコレート嚢腫(のうしゅ)」といって、
血液のたまったように卵巣が腫れていると、
そこから高率でがん化することが分かっています。
このような理由から、最近どんどん増えていってる
悪性腫瘍の1つになります。


■卵巣がんの治療

治療はまず手術でがんを切除して、
再発を防ぐ目的で術後に抗がん剤による
化学療法を行うのが一般的です。
卵巣がんは転移しやすいため、手術では
基本的に両側の卵巣と卵管、子宮に加え、
転移先になりやすい大網(だいもう)と呼ばれる
腹腔内を覆う脂肪組織を切除して、
必要に応じてリンパ節を取ります。

また、完全にはがんを摘出できない場合でも、
できるだけ摘出して体内に残るがんを少なくすることが、
その後の抗がん剤の効果を高めることになります。


■抗がん剤について

抗がん剤としては1960年代に開発された
プラチナ製剤を中心に、1980年代から開発が進んだ
タキサン系の抗がん剤を組み合わせるのが標準治療で、
以前に比べると高い治療効果を示しています。
ただし再発するとプラチナ系、タキサン系以外の
いくつかの抗がん剤で治療することになります。

最近、標的治療薬という、がんが大きくなる時に
悪さをする遺伝子やたんぱくを見つけて、
それをやっつけるというような薬が開発されていて、
今後、いろいろな薬が登場することで、
卵巣がんの予後はかなり良くなるのではないかと
期待されています。


■まとめ

最近では自覚症状がないまま、検診などで
がんが疑われたのがきっかけで、
卵巣がんが見つかるケースが増えています。
放っておくとみるみる悪化することもあるので、
詳しい検査が必要だと言われたら、
なるべく早めに専門医を受診して下さいね。

花粉症

 
今回、花粉症についてお話を伺ったのは、
九州大学病院 耳鼻咽喉・頭頸部(とうけいぶ)外科 講師の
澤津橋基広(さわつばし もとひろ)先生です。


■花粉症とは

2008年に全国規模の疫学調査が行われ、
日本人の約3割が花粉症であることが分かりました。
これは年々増えているようで、
スギ花粉症は27%という結果が出ています。
花粉症とはアレルギー性鼻炎のひとつで、
西日本では主にスギやヒノキの花粉の飛散が原因で起こります。


■今年の飛散量

スギやヒノキの花粉の飛散量は前の年の夏が暑いほど多くなりますが、
今年の飛散量は西日本では例年に比べて少ないといわれています。
これは去年の夏に日照時間が少なかったこと、気温が低かったこと、
長雨だったことが影響されているといわれています。
しかし花粉が少ないからといって
花粉症の症状が出ないというわけではないので注意は必要です。


■花粉症のメカニズム

花粉のようにアレルギー反応の原因となる物質は
“抗原”と呼ばれます。
私たちの鼻や目から抗原である花粉が体内に侵入すると
それを体の外に追い出そうとする“抗体”が作られ、
花粉を捕まえて鼻や目の粘膜組織に付着します。
花粉そのものは体に悪影響はないのですが、
その後、なおも花粉が侵入を続けると、
体がそれを異物と判断して抗体を使って排除しようとします。
そしてその際に放出されるヒスタミンなどの化学物質が
神経や血管に作用して、症状が引き起こされるのです。


■感作

抗体はある程度の抗原に“感作”されないと抗体は作られません。
感作というのは、原因となる物質をいっぱい吸い込んだりして、
体の中に取り込むことによって
抗体がある程度の量を作られることをいいます。
多くの花粉症の患者さんは、
このスギ花粉に対して感作が成立した段階で
くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった症状を引き起こします
また花粉症でない人でも花粉を長年吸い続けて抗体が増え、
感作が完了して発症の準備ができているかもしれません。
なので、「これまで花粉症にはと〜んと縁がない」という人も
今年、突然症状に見舞われる可能性があるので
決して油断はできませんよ!


■近年での影響

花粉の量は近年、増加傾向にあります。
その一因には戦後の復興事業のひとつとして植林されたスギが
手付かずのまま成長を続けていることが挙げられます。
また最近では花粉の量が多いために
子どもも花粉症を発症するようになりました。
通常は花粉をたくさん浴びて数年かかって花粉症が成立しますが、
1シーズン花粉を浴びただけで
花粉症を発症する子どもが増えています。


■花粉症の治療

花粉症の新しい免疫療法として
舌下免疫療法の保険診療が認可されました。
舌下免疫療法は舌の裏側からスギ花粉のエキスを体内に取り入れ、
3〜4年をかけて症状を緩和させる治療法です。
その有効性が認められ、去年10月から
保険適用での診療が始まりました。
また最近では医療用と同じ成分が配合され、
眠くなりにくい特徴を持った市販薬が薬局で販売されているので、
薬剤師に相談して上手に使うことも有効です。


■花粉症の対策

花粉症は花粉を吸わなければ症状は出ないので、
まず花粉を吸わない、それから花粉を屋内に持ち込まない
といった工夫をする必要があります。
花粉が多く飛散しそうな日は外出を控える。
外出する際にはマスクやメガネをつけ、
上着は花粉が付着しにくいナイロン製のものを。
帰宅して家に入る時には花粉をしっかり落としましょう。
環境省のホームページ内には“はなこさん”というサイトがあるので、
それらを参考にして花粉の情報をいっぱい集めて
花粉を吸わない工夫をすることが必要だと思います。


■まとめ

昨今 話題となっている大気汚染物質PM2.5は
花粉症を悪化させる因子のひとつとされています。
みなさん すでに気をつけているとは思いますが、
毎日の花粉情報と併せてPM2.5の濃度も
しっかりチェックしてお出かけくださいね。

手足のしびれ

 
今回、手足のしびれについてお話を伺ったのは、
福岡大学医学部 整形外科学教室 脊椎外科班医師の
白地 仁(しらち ひとし)先生です。


■手足のしびれの原因

手足のしびれの原因にはいろいろありますが、
比較的多いものとして、背骨の中にある神経が
首や腰などで圧迫されると手足のしびれが起こることがあります。
首の骨の中で椎間板靱帯骨によって脊髄が圧迫されると
両方の手にしびれが生じます。
この病名を頸椎症性脊髄症と言います。

また脊髄から分岐した枝を神経根と言いますが、それが圧迫されると
頸椎症性神経根症と言って片方の手にしびれが生じます。
同様に腰の骨や椎間板靱帯によって
神経の通り道である脊柱管が圧迫されると
腰部脊柱管狭窄症になり、両方の足のしびれが生じます。
骨や椎間板や靱帯の変成は加齢と共に起きる老化現象なので、
これらの病気は高齢になればなるほど増えていき
症状は徐々に進行していきます。


■病名いろいろ

頸椎症性脊髄症は手のしびれの他に手の動きがぎこちなくなって
ボタンの掛け外しや箸の扱いで苦労したり、
足がもつれてつまづきやすくなったり、
階段で手すりに頼るようになったりといった手足の症状に加えて、
残尿感や尿漏れ、頻尿といった排尿障害が見られることもあります。
比較的若い人の場合は駆け足がしづらいなどの軽い症状で
病気に気づくこともありますが、高齢になると年のせいと錯覚して、
病気に気づくのが遅れてしまう事も少なくありません。

頸椎症性神経根症は手のしびれの他に
首から肩、腕、指先にかけて痛みを生じることも多く、
痛みの程度は軽いものから耐えられないようなものまでさまざまです。
一般に首を後ろに反らせると痛みが強くなるので、
見上げたりうがいをしたりしにくくなります。


■それぞれの治療法

頸椎症性神経根症と頸椎症性脊髄症は治療方針が異なっています。
頸椎症性神経根症は基本的に自然治癒を期待することができます。
治療内容としては鎮痛剤などの内服や
ネックカラーや牽引療法などによって、
7割から8割の人が軽快へ向かうことができます。
一方、頸椎症性脊髄症は
基本的には自然軽快を期待することはできません。
なのでしびれなどの軽い症状であれば様子を見ることもできますが、
症状が徐々に進行する場合は手術療法となります。
頸椎症性脊髄症の手術療法は2通りあります。
1つは頸椎の前方固定術と言い、前方から椎間板を取り、
代わりに人工物を挿入し首を固定します。
もう1つの方法としては頸椎の椎弓形成と言います。
椎弓形成は骨を削ることによって
神経の通り道をひろげ神経の圧迫を取ります。


■腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症で最も特徴的な症状は
間欠跛行(かんけつはこう)です。
歩き始めはなんともありませんが、
歩いている内に足のしびれや痛みが広がって歩けなくなり、
しばらく前屈みになって休憩するとまた歩けるようになります。

やがて歩ける距離が次第に短くなり、
立っているだけでも辛くなっていきます。
腰に異常をきたす病気ですが、腰痛は全くない場合もあり、
病状が進むとじっとしていても足がしびれてきたり、
排尿障害で歩行中に尿意を催したり、
肛門周辺のほてりといった症状が現れたりします。


■腰部脊柱管狭窄症の治療

腰部脊柱管狭窄症の治療は基本的には保存療法です。
保存療法の中には鎮痛剤を使用する方法や、
神経の血流を改善させる薬物療法。
また足の痛みを取るなどの神経根ブロックなどを行っています。

保存療法で効果がない場合や
歩行障害が進行する場合には手術療法が選択されます。
手術療法の中には除圧術といって、
神経を圧迫している骨や靱帯を削り神経の圧迫を取る方法、
この中では最近、内視鏡を使用するような方法もあります。
また骨と骨の不安定性があり神経の圧迫をしている場合には、
まず除圧を行い、その後にネジを使用して
骨と骨を固定する方法があります。
手術療法を行った場合は足の痛みが取れ、連続歩行が可能になります。
ただし、足のしびれに関しては後遺症として残ることがあります


■まとめ

手足のしびれで最も重大なのは脳卒中によるものです。
しびれの他にろれつが回らない、 吐き気がする、物が二重に見える、
体の左右どちらかが麻痺するなどの症状が現れた場合は
脳卒中を疑って、直ちに救急病院を受診して下さい。

耳鳴り

 

今回、耳鳴りについてお話を伺ったのは、
福岡大学医学部 耳鼻咽喉科 教授の
中川尚志(なかがわ たかし)先生です。

■耳鳴りとは

耳鳴りとは何らかの音が常に聞こえてくる状態ですが、
耳鳴りそのものは病気ではありません。
ある調査では耳の症状を自覚したことがない人によく聞いてみると、
およそ22%の人に耳鳴りがあったという結果もあります。


■聞こえの仕組みと耳鳴り

音は耳の穴から入って鼓膜を震わせ、その奥の内耳に伝わり、
そこで電気信号に置き換えられ脳で処理されたあと、
音として認識されます。
そしてその途中で音は“意味のある音”、“危険な音”、
“次第に意識にのぼらなくなる音”に分けられ、
例えば人の声は“意味のある音”、
救急車のサイレンは“危険な音”とされます。

一方、冷蔵庫やエアコンの音といったものは
“次第に意識にのぼらなくなる音”と判断され、
聞こえていないのと同じくらいの音量になります。
耳鳴りは本来、この種類に属する音なのですが、
音が脳に届くまでのどこかになんらかの不具合があると、
サイレンと同じく“危険な音”として
比較的しっかりと聞こえるのです。

ほとんどの人は耳鳴りがしていても、
その音を聞き慣れることで
脳が危険な音でないと認識されますが、
人によってはなかなか慣れることができず、
常に緊張を強いられ、日常生活に支障をきたすことになります。
加齢による難聴で不規則な信号がでることが多くなったり、
ストレスや疲れがあるときには不規則な信号を感じやすくなります。


■耳鳴りの特徴と注意点

耳鳴りは通常、早朝や深夜など
周りの環境が静かなときによく聞こえてきます。
音の種類は人によって違いがあり、キーンという高い音、
セミが鳴くような音といった表現が多く使われますが、
それらは本人にしか聞こえません。
また夜に耳鳴りがすることで睡眠障害や不安、
イライラ感、うつ状態になることがあります。


■耳鳴りと難聴

難聴があるとしばしば耳鳴りを合併しますが、
耳鳴りそのものが難聴を悪化させるということはありません。

しかし耳鳴りとともに起き上がれないほどの めまいがあったり、
耳がふさがっているような感じがあれば
突発性難聴を発症している可能性があります。
突発性難聴は発症して1〜2週間以内に治療を始めれば
かなり症状を改善することができますが、
適切な治療がされないと難聴がそのまま残ります。

また回転性のめまいを伴う耳鳴りでは
メニエル病の可能性もあります。
突然起こった耳鳴りが脳梗塞の最初のサインということも
まれにあるので注意が必要です。


■耳鳴りの診断・検査

耳鳴りは本人にしかわからないものなので
日常生活への影響をアンケートなどで調べます。
通常、8キロヘルツまでしか聴力検査は行いませんが、
測定しない高い音での難聴が
耳鳴りの原因となっている場合があるので、
耳鳴りのときの聴力検査は12キロヘルツまで行います。


■まとめ

耳鳴りは場合によっては早めの受診が大事です。
特に、突然起こった・めまいを伴ったというときは
早めに専門医に診てもらいましょう。

災害時の応急処置

 
■概要

今回、4年前に発生した東日本大震災…。
国内観測史上最大となる巨大地震と沿岸に押し寄せた津波によって
多くの人命が失われました。
地震や津波の他にも土砂崩れや洪水、火山の噴火など、
私たちが暮らす日本は昔から自然災害が多いことで知られています。
自然災害はいつ、どこで起こるのか誰にも分かりません。
いったん襲われると、電話回線が混乱したり
道路が寸断されたりして救急車を呼べない、
呼んでもなかなか来ないことが十分に考えられます。
そんな時、必要とされるのが応急処置です。
適切で迅速な対応が目の前の命を救う事につながります。

今回、災害時の応急処置についてお話を伺ったのは、
九州大学大学院医学研究院 先端医療医学講座
災害・救急医学助教の永田高志(ながた たかし)先生です。


■災害時の応急処置の心得

災害時はさまざまなことがありえるので、
まずしっかり自分の安全を確保し、
その中でできることを、勇気を持って行うことが大事です。

もし近くに医師や看護師、救急隊がいたらすぐに呼んでください。
いない場合は、きちんと安全を確認した上で
自らの手で応急処置をしていただきたいと思います。
例えば、その現場が火災、あるいは感電しないか、
危険な所でないか確認してから処置を行っていただきたいと思います。
災害現場の状況は刻々と変わるので、
その中で、どうやって自分の安全を確認しながら、
応急処置を続けるかどうか常に考えながら
行動していただきたいと思います。


■応急処置

応急処置とは、一般の医療行為とは異なり、
負傷者を医師に引き渡すまでの間に
症状を悪化させないための一時的な措置のことで、
医師や看護師の資格とは関係なく
誰もが知っておくべき基本的な知識や技術の事です。

しかし日本では応急処置の一般への普及が遅れているため、
いまだに「下手に手出しをしない」という風潮があります。
これは手を出した時点で、何らかの責任を負うと思われているからで、
例えば不馴れな応急処置が
かえって事態の悪化を招くかも知れないと考えてしまいがちです。
もちろん善意で行ったことであれば、
仮に応急処置が上手くいかなくても
責任を追及されることはありません。
なので自分の安全が確保されれば、
人の命を救う勇気を持ってためらうことなく
応急処置を行うことが大切です。


■災害現場

災害現場では必ずしも必要な道具、
たとえば包帯や薬などがないことがあります。
その場合にどのような処置をするか、非常に悩むとは思いますが、
過去の多くの災害の研究において、
現場で応急処置を受けて病院へ来た人と
何も応急処置をしないで病院に来た人では、
やはり現場で処置をしてから病院へ来た人の方が
生存する可能性が大きいといわれています。
ですので、一般市民の人々が災害現場で処置をする場合は
専用の道具に頼らず、身の回りの身近なものを使って、
いろいろ工夫をしながら応急処置を行うことが大切だと思います。


■まとめ

もしも災害に直面したら誰もがパニックになって当然です。
でもそんな時こそ冷静な判断と
行動する勇気を持って応急処置を行って下さい。

過去の記事


All Rights Reserved. Copyright © KBC Co.,Ltd. 1998 - 許可なく転載を禁じます