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インフルエンザ

 
今回、インフルエンザについてお話を伺ったのは
済生会福岡総合病院 感染症内科 主任医長の
隅田幸佑(すみだ こうすけ)先生です。

■インフルエンザの症状

インフルエンザはインフルエンザウイルスに
感染にしておこる病気です。
風邪と比べて症状が重く、全身症状が顕著に現れます。
一般的には1日から3日程度の潜伏期を経て、
38度以上の高熱が出るのが特徴です。
それと同時に関節痛や筋肉痛、全身倦怠感が出ます。
その他、頭痛、鼻水やのどの痛み、
胸の痛みなどが出るのも特徴です。
一般的にインフルエンザの流行期に
38度以上の発熱、悪寒、強い倦怠感を認めれば、
インフルエンザで間違いないと思われます。


■インフルエンザの感染ルートと特徴

インフルエンザは主に飛沫感染で、
患者の咳やくしゃみのしぶきに含まれる
インフルエンザウイルスが鼻やのどから入り込み、
気道の粘膜に吸着して細胞内に侵入します。
侵入したウイルスはのどや気管支、肺で
急激に増殖して発症に至りますが、
2日後には増殖がピークに達して、その後は徐々に減少します。
そのため通常は発症から1週間以内で
症状が落ち着いて自然に治っていきます。
ただし重症化すると子どもではインフルエンザ脳症、
高齢者では肺炎などの合併症を発症することがあります。


■インフルエンザにかかったら

インフルエンザを発症した場合はすぐに病院を受診して
抗ウイルス薬による治療を開始することが重要です。
抗ウイルス薬はウイルスの増殖を押さえる薬で、
ウイルスの増殖がピークとなる
発症から48時間以内に投与することが大切と言われています。
最近では内服薬以外にも吸入薬、点滴薬などがあるので、
薬をうまく飲みない乳児や高齢者で
も安心して治療を受けることができます。


■注意点

インフルエンザは症状が治まっても
しばらくは体からウイルスが排出されています。
熱が下がったからといってすぐに
職場や学校に戻ると周りにうつす恐れがあります。
インフルエンザの流行は社会に大きな影響を与えるので、
もしインフルエンザにかかったら熱が下がっても
2日間は外出を控えて感染拡大を防ぎましょう。


■予防法

インフルエンザの予防で重要なものとして
ワクチンによる予防接種があります。
予防接種は感染を防ぐだけではなく
重症化を予防する効果もあります。
ワクチンの効果が出るまでに2週間程度かかるので、
遅くとも12月中旬ごろまでには
ワクチンを接種することが大切です。
また流行期には不必要な外出を避ける、
外出時にはマスクを着用することも予防になります。
そして外出から帰ったら必ずうがいと手洗いを行うことが大切です。

人工股関節

 
今回、人工股関節についてお話を伺ったのは、
福岡大学医学部 整形外科 主任教授の
山本卓明(やまもと たくあき)先生です。


■人工股関節とは

私たちの股関節は大腿骨の頭の部分、
大腿骨頭が骨盤の中に入り込む形で構成されています。
この股関節は私たちの頭、心臓、肺など
重要な臓器を乗せて移動する、
すなわち歩くということを司っている関節でもあります。
その関節が何らかの原因で障害され、
痛みを発して歩くことが困難になることがあります。
この痛みをとる目的で使われているのが人工股関節です。


■人工股関節の仕組みと特徴

人工股関節は実際の股関節と同じ構造で、
大腿骨と骨盤のくぼみは金属やセラミック、
その間の軟骨に当たる部分は特殊なプラスチックで作られています。
人工股関節の手術は国内では50年ほど前から行われていて、
整形外科では一般的な治療法として定着しています。
手術件数は年々増加していて、今では年間5万件以上に上ります。
社会保険庁の発表によると
人工股関節の手術を受ける患者の平均年齢は64.7歳で、
比較的高齢の人が対象となっています。


■適応疾患

人工股関節が適応となる病気は大きく分けて3つあります。
長年、股関節を使うことによって関節の軟骨がすり減り、
骨と骨がじかに当たって痛みが出る変形性股関節症。
大腿骨の頭の部分の血流が少し障害されて、
その部分が壊死してつぶれる大腿骨頭壊死症。
他にも、骨粗しょう症がある高齢者の方が転倒した場合に、
大腿骨の頸の部分が骨折した際の治療のひとつとして
人工関節を用いることがあります。


■人工股関節の注意点

人工股関節は本来の股関節と比べてかみ合わせがやや浅いため、
関節を大きく曲げ過ぎると脱臼してしまうことがあります。
特に横座りや高いステップを上る、
しゃがんで物を拾うといった動作は、
人工股関節が脱臼しやすいので注意が必要です。
人工股関節は人工物なので、
10年経ったら入れ替えなくてはいけない
といわれていた時代もありましたが、
今では非常に進化していて、
私自身は最低でも20年は大丈夫だと思っています。
ただし手術後は年に1回くらいは定期検診でレントゲンを撮って、
異変がないかどうかチェックすることは非常に重要です。
次に重要なのは適正体重を維持して
過度な負担を股関節にかけないこと。
そしてトイレは和式よりは洋式、布団に寝るよりはベッドを使う、
畳に座るよりはイスを使うといったように
生活スタイルを少し変えることで
人工股関節を長持ちさせるという意識も重要です。

人工内耳

 
今回、人工内耳についてお話を伺ったのは、
九州大学大学院 医学研究院 耳鼻咽喉科 教授の
中川 尚志(なかがわ たかし)先生です。

■人工内耳とは

人工内耳とは音が聞こえなくなった高度難聴の方が
音を取り戻すための道具です。
音は昔から電気の刺激によって聞こえるということが
知られていました。
1970年代に入ってアメリカで人工内耳が、
1980年代に入って多チャンネルという
すぐれた人工内耳が開発され
世界に普及するようになってきました。
それによって難聴の方が音を取り戻すことができるようになりました。


■聞こえの仕組み

外から入ってきた音は外耳道を通って鼓膜を震わせます。
その震えは中耳を通って奥の内耳組織の蝸牛(かぎゅう)に伝わり、
電気信号に置き換えられます。
そして聴神経を経由し、脳で音として認識されます。
つまり音は耳で聞いているのではなく脳で聞いているんですね。


■難聴の原因

難聴の原因には
外耳・中耳という音を伝える部分が原因で起こる伝音性難聴と、
内耳・聴神経という音を感じるところが原因で難聴になる感音性難聴の2種類があります。
そのうち、感音性難聴で内耳が原因として起こっている場合、
その内耳の肩代わりをしてくれるのが人工内耳です。


■人工内耳の仕組み

人工内耳では小型マイクで拾った音を電気信号に変換し、
手術で耳の後ろに埋め込まれたインプラントに送ります。
インプラントの先には電極がつながっていて、
蝸牛(かぎゅう)の中にぐるぐると設置されます。
この電極が蝸牛の代わりに聴神経を刺激、これで音が認識されます。


■補聴器との違いは

補聴器は音を大きくして、
内耳に残った働きを使って音を聞くための道具です。
一方、人工内耳は内耳に据え置かれた電極が
直接神経を刺激して
脳のほうに音の情報を伝える機器になっています。
このために内耳の働きがほとんど残っていない方でも
音が聞こえるようになります。


■人工内耳の注意点

人工内耳はつけてすぐに聞こえが良くなるわけではなく、
定期的なリハビリテーションが必要です。
また成人では一度失った聴覚を“取り戻す”のが目的であるのに対し、
生まれながらに難聴の子どもでは聞こえの力を得て、
“言語を手に入れる”のが目的とされています。
体の中に機械を埋めるということで
抵抗がある方もおられるかもしれませんが
手術は安全に行えるようになっています。
もし人工内耳を考えられた場合は
お近くの耳鼻科でご相談ください。


※トライのコーナーでは人工内耳で聞こえの力を取り戻した
プロジャズミュージャンの吉本信行さんにお話を伺いました。
現在は山口県下関市で
「Band Wagon (バンドワゴン)」というジャズハウスのマスターとして
精力的に音楽活動を展開しています。

もやもや病

 
■概要

もやもや病は脳の血管に異常をきたす病気で、
進行すると脳梗塞や脳出血を招きます。
今のところはっきりとした原因は不明で、
厚生労働省から難病に指定されています。
まだまだ馴染みの薄い病気ですが、
最近では自覚症状がないまま
脳ドックで発見される例も増えています。

今回、もやもや病についてお話を伺ったのは
九州大学大学院 医学研究院 脳神経外科 教授の
飯原弘二(いいはら こうじ)先生です。


■もやもや病とは

もやもや病は脳の太い動脈が自然に細くなって、
不足した血流を補うように毛細血管が徐々に発達する病気です。
この病気が発見された頃は
診断に使っていた脳血管撮影の画像があまりよくなくて
発達した毛細血管があたかも立ち上がる煙のように
もやもやとした形で見えたので
もやもや病という名前がついたといわれています。
新たに発達した“もやもや血管”は
正常の血管と比べて非常に脆いため、
血管が詰まったり破れたりして
脳梗塞や脳出血が起こりやすいといわれています。
一般に血管が詰まるのは
動脈硬化という血管の老化現象による場合が多いのですが、
もやもや病では、なぜ血管が細くなるのかということはまだよく分かっていません。


■もやもや病の特徴

もやもや病は欧米人には少なくアジア系人種に多い病気で、
今から50年ほど前に日本で発見されました。
国内には1万人から2万人の患者がいると考えられていて、
女性の患者数は男性の1.8倍、
発症年齢は5歳前後と30歳前後をピークとする
2つの年齢層に多いことが知られています。


■もやもや病の種類

もやもや病は虚血型と出血型に分かれます。
子どもの場合はほとんど虚血型で起こることが多く、
成人の場合は虚血型と出血型が
同じぐらいの頻度で起こるといわれています。
虚血型では、もやもや血管が細くなり
脳の血流が不足して体の力が入らなくなったり、
体の片側が動きにくくなったり、
自分の意思と関係なく体が動いたりといった症状が起こります。
このような発作は数分から数十分で
良くなったりすることもあります。
また虚血型は熱い物を冷まそうと息を吹きかける、管楽器を吹く、
激しく泣くなどで起こる過呼吸をきっかけに発症しやすいのが特徴です。

一方、出血型は、もやもや血管が破れて脳出血を起こし、
手足の運動障害や言語障害、頭痛など
さまざまな症状があらわれますが、
出血が激しいと意識を失って命に関わることもあり、
一度出血すると再出血しやすいともいわれています。


■もやもや病の治療

今のところ、もやもや病の根本的な治療法は確立されていません。
脳ドックで発見されるなどして自覚症状がない場合は
治療を行わずに経過観察で様子を見ることもあります。
主な治療は内服薬による血流の改善と血管のバイパス手術ですが、
残念ながら内服薬にはもやもや病を治したり
脳出血を予防したりする十分な効果はありません。
そのため最近では手術を積極的に行って、
危険な脳梗塞や脳出血を起こさないようにするのが
主流になっています。

虚血型のもやもや病に対しては
バイパス手術が有効とされています。
バイパス手術には脳の血管を直接つなぎ合わせる
直接バイパス術と、
頭の筋肉などから間接的に血流を供給する
間接バイパス術があります。
また、その両者を同時に行う事もあります。

直接バイパス術は頭皮の血管をはがして脳血管につなぐ方法で、
主に成人が対象ですが、子どもでも症状が激しい場合には
この手術を行うことがあります。
バイパスによって血流が確保されると
一般的には症状がなくなって、
もやもや血管が自然に消えていくので
脳出血のリスクも減るとされています。
間接バイパス術は血流豊富な筋肉などの組織を
脳の表面に密着させて、
新しい血管が自然に生えるのを待つ方法で、
主に子どもが対象になります。
新たな血管のネットワークができるまで
数週間から数ヵ月を要するとされています。
最近では出血型に対してもバイパス手術を行うことで
再出血を予防できることが証明されました。
手術によって血流を回復できれば、
もやもや病の症状は軽快していきます。

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