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腎臓と高血圧

 
今回、腎臓と高血圧についてお話を伺ったのは
九州大学大学院 医学研究院 包括的腎不全治療学 准教授の
鶴屋和彦(つるや かずひこ)先生です。

■腎臓と高血圧の関係

腎臓が悪くなると塩分の排泄が悪くなります。
塩分がたまるとそれとともに水分も一緒にたまって
血管の中の血液量が増え、
血圧が高くなるというのが腎臓病の高血圧の主因と考えられます。


■塩分と高血圧

塩分を摂り過ぎると血液の塩分濃度が上がります。
すると体は血液に水分を取り込んで塩分濃度を下げようとします。
さらに塩分でのどが渇くので、
水を飲むとますます体内に水分がたまります。
腎臓が健康であれば尿と一緒に塩分を排泄して
体内の水分量をコントロールできますが、
腎臓の機能が低下すると塩分の摂り過ぎは
血液量の増加を招き高血圧につながります。


■さらに

塩分がたまらなくても
腎臓から血圧を上げるレニンというホルモンが出て、
腎臓の血流が少なくなったらレニンが出て血圧を上げることによって
腎臓の血流を維持する仕組みがあります。
これが過剰に働いた場合に血管が収縮することで
高血圧が起こるメカニズムもあると言われています。
また高血圧が続くと腎臓への負担が増えて、
ますます腎臓の働きが悪くなるという悪循環に陥ります。
そして腎臓がほとんど機能しなくなると腎不全という状態になります。


■腎不全の原因

腎不全の3大原因は糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、腎硬化症で、
いずれも高血圧がさらなる症状の悪化を招きます。
糖尿病性腎症は糖尿病の合併症の1つで、
長年の高血糖で腎臓の毛細血管が障害されて腎機能が低下します。
慢性糸球体腎炎は血液を濾過する糸球体という
腎臓の組織が徐々に破壊される病気で、
正確な原因は分かっていません。
腎硬化症は高血圧の影響で腎臓の血管に動脈硬化が起こり、
腎臓へ流れる血液量が減少するために腎臓そのものが硬くなる病気です。


■治療と注意点

高血圧を伴う腎障害の治療については、
高血圧がある場合は食事の塩分を控えるというのが最も重要です。
一般的には1日の塩分摂取量は6g未満を推奨しています。
どうしても血圧が管理できない場合は、
最近では優秀な降圧薬があるので
専門医で処方してもらって血圧を管理するということになります。
そこで重要なのが自宅の血圧をきちんと測るということです。
測り方も重要で、
朝起きてトイレに行った後の食事や
降圧薬を飲む前に座った状態で測るのが推奨されています。
指先で測る簡易型もありますが、
できたら上腕で測る機器のほうが良いと思います。

点滴のハナシ

 
今回、点滴のハナシについてお話を伺ったのは、
遠賀中間医師会 おんが病院・おかがき病院 統括副院長の
末廣 剛敏(すえひろ たけとし)先生です。

■点滴とは

点滴とは薬やナトリウム・カリウムといった電解質、
アミン酸などの栄養素が入った薬液を
血管の中にある程度一定時間・一定量入れる注射になります。
点滴の歴史は結構古く、16世紀に報告がありますが、
1800年代にコレラが全世界に流行ったときに
点滴注射によって助かる人が出たことで広まるようになりました。
今では がんの治療など、広く使われるようになっています。
点滴は病院で行われるもっとも身近な治療のひとつです。


■点滴の目的

点滴を行うことの大きな目的は
水分や栄養の補給と薬剤投与のふたつです。
水分や栄養の補給は吐き気があって
口から水分や食べ物が取れないときや
重い熱中症で脱水状態になって意識がないときなどに行われます。
薬剤投与では嘔吐下痢症などで口から薬をのめないとき、
さらには抗がん剤も点滴によって血管から体内に入れられることがあります。


■点滴の方法

点滴は“抹消静脈栄養”といって、
手の甲や腕の太い血管に点滴をして
薬液を注入する方法が一般的です。
ただし濃度が濃い、カロリーが高い、
いろいろな薬が入っている場合には
静脈に炎症を起こすことがあるので、
そういう場合は首の頸静脈や足の大腿静脈から点滴をする
“中心静脈栄養”という方法があります。


■点滴の注意点

点滴での注意点として特に高齢者では
血管がもろくなっていることから
針を刺すと血管が破れて中で薬液が漏れ、
周りに病変を作ることがあります。

点滴は非常に有効な治療法のひとつですが、
風邪を引いたときに点滴してくださいなど、
そういったある程度 元気な場合にはあまり効果はありません。
むしろ多少 脱水症状が起きている場合では
点滴によって気分がよくなったりなど、
すぐ反応が出るので非常にいい治療法になります。
ほか特に高齢者に多いのですが、
もともと心臓の悪い人にとって
点滴は心臓にかなり負担がかかるので、
少しの点滴でも心不全を起こすことがあります。

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