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食道がん

 
今回、食道がんについてお話を伺ったのは、
九州大学大学院 医学研究院 臨床・腫瘍外科 准教授の
永井 英司(ながい えいし)先生です。

■食道がんとは

食道がんは現在、高齢化ということもありまして
非常に増加している疾患です。
最近では歌手、あるいはタレントの方、著名人の方々が発症されて、
みなさん 関心の深いがんのひとつだと思います。
食道がんは40代後半から増え始め、特に男性では急増します。
また男性はかかる率、死亡率ともに女性に比べ5倍以上高いとされています。


■食道とは

食道は、のどと胃の間にあり、長さは人によりますが
およそ28cm、直径は2cmから3cmの細長い臓器です。
食道の働きは食べ物を胃へ送るというものです。
食べ物は重力で胃へ落ちるのと併せて
“ぜんどう運動”と呼ばれる食道の筋肉の収縮運動によっても運ばれていきます。


■発症リスク

食道がん発症のリスクとしては喫煙と大量の飲酒習慣があります。
大量飲酒と喫煙がセットになると
さらに高いリスクで発症するといわれています。
また熱い飲食物とか、刺激の強いものを過剰に食べますと
食道の粘膜組織を刺激して、
それが食道がん発症のリスクになるということが分かっています。
別の種類の食道がん、“腺がん”というものですが、
これは胃食道逆流症(=逆流性食道炎)、
あるいは肥満症とかが危険因子になることが知られています。


■食道がんの症状

食道がんは最初のうちではほとんど自覚症状はありません。
しかし、しばらくすると食べ物が詰まりやすくなるほか、
食事の際に胸の辺りがチクチクと痛んだり、しみたりします。
さらに進行すると、がん組織が食道をふさぎ、
食べ物が通過できなくなることで体重が減ったり、
周囲の神経を巻き込んで声がかすれたりします。


■食道がんの特徴

食道がんは初期の段階ではほとんど自覚症状がありませんけれども、
そのうち一気に進行するという特徴があります。
また、食道やその周りには豊富に血管とかリンパ管が存在し、
がん組織が増殖する段階で
がん細胞がリンパ管や血管に入ることがあります。
そういったがん細胞がたどり着いた先で再び増殖することがあります。
これを“転移”といます。
がん細胞が血管の中に入って広がると肺、骨、肝臓に転移しますし、
リンパ管に入りますと
胸とかお腹とか首のリンパ節に入って転移をします。
食道がんは特に、リンパ節転移の頻度が高いということが知られています。


■食道がんの予防

食道がんの予防法としてはリスク因子とされる
タバコを吸わないこと、お酒を飲みすぎないことが大事です。
また初期に自覚症状がほとんどない食増がんでは
毎年、定期健診を受けることも大事です。
最近では内視鏡検査の際に特殊な色調を使って調べることで
より早くがん組織を見つけることも可能になっています。


■まとめ

食道がんはつい14〜5年前までは
早期に診断することも難しいですし、
治療も非常に大変な“難敵”でした。
ところが最近では検査法が確立しまして、
初期の段階で見つけることも可能になってきました。
食道がんが見つかった場合には主治医の先生とよく話し合って、
的確な治療法を選択することが大切です。

アルコール依存症

 
今回、アルコール依存症についてお話を伺ったのは、
雁の巣病院 理事長・院長の
熊谷雅之(くまがい まさゆき)先生です。


■アルコール依存症の治療

アルコール依存症はなかなか自分で自覚しにくい病です。
ですから自分のアルコール問題に気付いていただくという、
教育をベースとした治療が必要になってきます。
外来治療と入院治療がありますが、
いずれにしても最終的に断酒が必要になってきます。

アルコール依存症の治療は
主に薬物療法と心理社会的治療を組み合わせて行われます。
薬物療法で用いられる抗酒剤は服用後にお酒を飲むと
ひどい二日酔いの様な反応が起こることで断酒を促します。
心理社会的治療は飲酒について患者同士で話し合う
集団精神療法やグループミーティングで
飲酒に対する考え方と行動を見直す認知行動療法など、
多くは集団で行われます。
また患者同士が集まってそれぞれの体験談を語ったり聞いたりする自助グループへの参加は、
社会や家族から孤立しがちな患者が孤独から救われて
お互いに断酒の継続を支え合うというメリットがあります。
アルコール依存症からの回復には数年という長い時間がかかり、
一般的に断酒がおよそ3年間継続すれば、
ようやく安定した日常生活を送れるようになると言われています。


■入院治療

入院治療に関しては教育を中心とした治療を行います。
時期的には約3ヵ月間ですが
最初に解毒期、その後に教育・社会復帰期と分けることができます。
アルコール解毒期というのは、
お酒をやめた時にいろいろな症状が出てくることがあるんですが、
そういう症状を治めたり、肝機能障害のような身体的な治療がスタートする時期です。
ある程度落ち着いてきたら、教育期に入ります。
教育期はアルコール依存症について学ぶ心理教育をはじめ、
集団精神療法や認知行動療法で、お酒を飲まない習慣を身につけます。
同時にリハビリテーションが始まり、
レクリエーションを主体とした集団活動プログラムに参加しながら、
退院後に日常生活を送るための訓練を積むのです。


■注意点

ただし入院治療はあくまでも治療のスタートラインだと考えて下さい。
実はその後、自助グループに通う、あるいは抗酒剤という薬物療法、
定期的な通院カウンセリングなどを通じて
断酒継続をしていくことが大切となってきます。


■外来治療

外来治療は最初の3ヵ月間は週に1回、
それ以降は月に1〜2回のペースで通院するのが一般的です。
外来治療のメリットは家族が患者の回復を実感できることで、
断酒を見守りながら病気について一緒に学ぶ過程が、
病気で壊された家族の再生につながります。


■先生より

アルコール依存症の治療は断酒が目標ではありません。
その後、お酒を飲まずに上手に生きて行けるということを大事にしています。
アルコール依存症はなかなか回復しにくい病ですが、
何度も失敗しながら回復できることが多くあります。
そういう意味で最後まで諦めず一緒に治療して行ければと我々は思っています。

緑内障

 
今回、緑内障についてお話を伺ったのは、
田原(たわら)眼科 院長・産業医科大学 名誉教授の
田原昭彦(たわら あきひこ)先生です。


■緑内障とは

緑内障とは何らかの原因で視神経が障害を受けて、
眼で見える範囲“視野”が狭くなる病気です。
緑内障は現在、失明原因の1位となっています。
また40歳以上の20人に1人が発症しているといわれ、
高齢化が進む我が国では増加傾向にあります。
さらに実は緑内障を発症した人のおよそ8割が、
自分が緑内障であることに気づいていないといわれています。


■緑内障の原因

緑内障がどうして起こるかという原因については
まだはっきり分かっていませんが、
緑内障の発症や進行に
“眼圧”が関係しているということがいわれています。
眼圧とは水晶体より前の部分を満たす
房水(ぼうすい)という液体が眼球全体を押す圧力のことで、
10〜20mmHgという値が正常範囲とされています。
房水は通常、一定以上の圧力になると
目の外へとつながる管から排出されますが、
この管が詰まって房水が外に排出されなくなると眼圧が上がります。


■正常眼圧緑内障

昔から知られている典型的な緑内障は眼圧が上がってきて、
そのために目の底の神経が傷害されて
視野障害が起こってくると考えられています。
その一方で最近、にわかに注目を集めているのが“正常眼圧緑内障”です。
正常眼圧緑内障とは、いつ眼圧を測っても正常なのに
緑内障と同じような視野障害や視神経障害を起こしてくる病気です。
正常眼圧緑内障はもともと視神経が眼圧に弱い人や
視神経に栄養を送る血液の流れに不具合がある人に起こりやすいとされています。
日本緑内障学会で行われた疫学調査の結果によると、
実に緑内障の7割がこの正常眼圧緑内障であるといわれています。
また近視の強い人に正常眼圧緑内障が多いのではないかという調査結果も出ています。


■緑内障の症状

緑内障は急性の場合では
目の霞みや激しい目の痛み、頭痛、吐き気などの症状がありますが、
急性は比較的まれとされています。
一方、緑内障の多くを占める慢性の場合では
“暗点”と呼ばれる、見えない部分が出てきたり、
視野が狭くなったりするのが特徴的です。
これらはほとんど自覚することなく進行していくのですが、
その理由に見えなくなった部分を
脳やお互いの目がカバーしていることが考えられています。


■緑内障の注意点

緑内障でいったんされた視野障害や神経障害は元に戻すことができません。
なので、できるだけ早い時期に発見して早く治療を始めて、
なるべく視野障害の軽い段階で進行を緩やかにすることが大事です。


■緑内障の治療

治療の目的・目標となるのは
視野障害や機能障害の進行をなるべくゆっくりさせることです。
そのためには眼圧を下げて、
目の神経の負担を軽くすることが大事です。
治療では点眼薬を使って眼圧を下げたり、
症状が進んだ場合にはレーザー治療で
眼圧上昇の原因である房水の流れを改善させます。
また手術では最近、目に専用のチューブや器具を埋め込んで
房水を目の外に排出させる
“チューブシャント”という術式が行われるようになっています。


■まとめ

緑内障は自分の知らない間に発症して進行していく病気です。
40歳を過ぎたら年に1回は眼科の健診を受けて、
なるべく早く緑内障を発見することが大事です。

新生活のストレス

 
■概要

就職、転職、人事異動に引越しと
4月は何かと生活環境や人間関係が大きく変わる時期です。
新年度を迎えて心機一転、
気持ちを新たにしている人も多いかも知れませんが、
環境の変化がストレスとなって
心や体のバランスを崩してしまう人も少なくありません。
気がついたら五月病…なんてことにならないように、
今からしっかり対策を立てておきましょう。

今回、新生活のストレスについてお話を伺ったのは、
九州大学病院 心療内科 教授の
須藤信行(すどう のぶゆき)先生です。


■新生活のストレスとは

新生活がスタートすると不慣れな環境に不安を感じて、
頭は常にフル回転するような状態が続くため、
本人も気付かないうちに継続的なストレスを抱えてしまいがちになります。
また季節の変わり目は生物学的にストレスを感じやすく、
特に春は寒い冬から暖かくなる中で昼間は暑くても朝晩は冷え込む日もあり、
この季節ならではの寒暖差がストレスを誘発しやすくなります。


■ストレスいろいろ

同じ刺激であってもそれで感じるストレスの程度は人によって様々で、
その人の性格や社会的な立場によってストレスの影響は異なります。
例えば責任感が強い人、几帳面で真面目な人、頑固で何事にも厳しい人、
大人しくて何事も断れない人、
攻撃的でせっかちな人、とりこし苦労の多い人は、
ストレスをため込みやすいとされています。
特に若い人たちは仕事や対人関係での経験が浅く、
そのためストレスにうまく対処できない事が多いので
ストレスの影響を受けやすいのです。


■回避するには

新生活のストレスを回避するにはピンチをチャンスの精神で、
新生活をレベルアップの機会と捉えるなど、
考え方を前向きに変えることで
仕事へのモチベーションを高めるようにします。
また職場の同僚や友人、家族など
周囲のサポートを受けて悲観的にならないことが大切です。
特に一人暮らしは孤独感に襲われやすいので
心配や悩みを打ち明けられる相手がいると安心です。
一方で職場の上司は心配だからといって
特定の人物にばかり声をかけると、
かえってストレスを与えかねないので、
日頃から皆に声をかけるなどして
相談できる雰囲気作りを心がけるといいと思います。
自ら心を開かない人に対しては無理に聞き出そうとはせずに
相談に乗ることを伝えて、
本人から話しに来るのを待つようにするといいと思います。


■ストレスの仕組み

私たちはストレスに対してある程度までは無意識に適応していますが、
適応能力の限界を超える大きなストレスや継続的なストレスは、
心だけでなく体にも様々な影響を及ぼします。
特にストレスの影響を受けるのが自律神経です。
自律神経は活動を司る交感神経と休息を司る副交感神経がバランスよく働くことで、
呼吸や血圧、消化器の働きなど、
生命を維持する機能を自動的にコントロールしています。
ところがストレスによって、
交感神経と副交感神経のバランスが崩れて
活動と休息のリズムが乱れると、
下痢や胃もたれ、倦怠感、頭痛、睡眠障害といった症状が現れるのです。


■適応するためには

新生活のストレスに適応するには
できるだけ早く生活リズムを整えて
規則正しい生活を送ることが大切です。
睡眠がしっかりとれて食事がおいしくとれていれば大丈夫だと思います。
またストレスに強いと思っている人ほどストレスを抱えたままがんばり続けてしまって、
状態を悪化させてしまいがちなので、
体調の変化に気付いたら
早めに職場の健康相談を利用するなどして
専門医の相談を受けてほしいと思います。

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