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カプセル内視鏡

 
今回、カプセル内視鏡についてお話を伺ったのは
遠賀中間医師会 おんが病院 院長の
矢田 親一朗(やだ しんいちろう)先生です。

■カプセル内視鏡とは

カプセル内視鏡とは先端に搭載された超小型カメラで
体内を撮像する検査機器です。
もともとは小腸の内部を調べるために開発されました。
わが国では2007年から主に小腸からの出血が疑われる場合に
保険が適用されるようになっています。
最近では食道や大腸を調べる目的でも使用が始まっています。


■小腸とは

小腸は長さ5m前後、内臓では一番長い臓器ですが、
その中はやわらかく曲がりくねっていて
通常の内視鏡検査では腸内を調べることはできませんでした。
これまで小腸にはあまり病気はないと考えられていましたが、
ほかの臓器と同じように
がんやリンパ腫、難病指定の炎症性腸疾患であるクローン病など
さまざまな病気があることが分かってきています。


■カプセル内視鏡の仕組み

カプセル内視鏡には超小型カメラと無線装置が内蔵されています。
口から入ったカプセルは食道や胃を通過して小腸にたどり着きます。
そして1秒間に数枚のペースで画像を撮像し、
専用の機器に転送・記録していきます。
カプセルは撮像後、通常10時間前後で排便とともに
体の外に排出されます。
ちなみにカプセルは1回使い切りです。
カプセル内視鏡によって撮像・記録された小腸内の画像は
5万枚から10万枚にものぼります。
そして同じような画像は省略されるといった処理のあと、
医師が小腸内に不具合がないか調べていきます。


■カプセル内視鏡のメリット

カプセル内視鏡のメリットのもうひとつは
容易に検査を受けられる可能性があるということです。
冒頭で近年ではカプセル内視鏡が
大腸の検査にも使われ始めているとお話しました。
大腸の内視鏡検査はお尻からカメラを入れて行いますが、
人によっては苦痛や羞恥心を伴い、
なかなか積極的には受けてもらえない傾向があります。
しかし例えば大腸の代表的な疾患である大腸がんは
かかる数、亡くなる数が男女とも上位に位置しています。
唯一といってもいい有効な対策は定期的に検査を受けることですが、
その検査をカプセル内視鏡で受けることができれば、
検査される方の身体的・精神的なストレスをかなり軽くすることができ、
大腸がんの早期発見につながると思われます。


■大腸用カプセル内視鏡について

大腸には大きなひだや曲がり角があって
通常の大腸内視鏡検査では撮影できない“死角”がありました。
そこで大腸用カプセル内視鏡は両端にカメラを付けて、
広い角度で撮影できるようになっています。
現在、大腸のカプセル内視鏡検査で保険適用となるのは、
通常の内視鏡検査で大腸内全ての状態を確認できない場合、
お腹の手術歴があって ゆ着が想定される場合などです。
保険適用での検査費用は3万円程度です。
現段階では検査中にも下剤を多く飲まなくてはならないこと。通常の内視鏡検査に比べ、
検査費用が保険適用でも2倍程度かかることが
今後の課題とされています。


■まとめ

今後は大腸カプセル内視鏡の保険適用の緩和が望まれます。
また技術面では遠隔操作で自由に動くカプセルや薬剤の投与、
組織の採取に向けて全世界で開発がなされ、
近い将来、実用化されてくる可能性があります。

冷房病

 
今回、冷房病についてお話を伺ったのは
福岡大学病院 総合診療部 教授の
鍋島茂樹(なべしま しげき)先生です。


■冷房病とは

冷房病は冷房の不適切な使用で起こる自律神経失調症の1種です。
自律神経は自分の意思とは関係なく働き、
交感神経と副交感神経でバランスを取りながら
体の調子をコントロールします。
冷房病は冷房の効いた室内に長くいることで
必要以上に体が冷えたり、
暑い屋外と冷えた室内とを行き来することで
体調を崩したりするもので、
誰でもがかかりますが、特に冷え性の女性は注意が必要です。


■体の仕組みと自律神経

私たちの体は気温が上がると副交感神経が活発になり、
毛細血管が拡張して放熱したり発汗を促したりして
体温を下げようとします。
一方で気温が下がると交感神経が活発になり、
毛細血管が収縮したり発汗を抑えたりして
体温を逃がさないようにします。
ところが自律神経は5℃以上の急激な気温の変化に対処できません。
そのため冷房の効いた室内と
真夏の炎天下を行ったり来たりしているうちに、
体温を上げる交感神経と
体温を下げる副交感神経のバランスに異常をきたし、
心身にさまざまな症状が現れます。


■冷房病の症状

冷房病の症状には体の冷やし過ぎによる手足の冷え、
むくみ、肩こり、腰痛といったいわゆる冷え性の症状のほかに、
鼻炎やのどの痛みや頭痛など、
かぜに似た症状が起こることもあります。
また汗をかかないと体の中に疲労物質がたまって
疲労感や倦怠感を感じやすいことがあります。
さらに自律神経は内臓の働きや
ホルモンの分泌を調整する働きを持っているため、
食欲不振や便秘下痢、肌荒れ、月経不順、不眠といった、
自律神経失調症の症状も呈してきます。


■症状の改善には

冷房病の症状を改善するには
自律神経のストレスを解消することが大切で、
足先や胃腸など冷えを感じやすいポイントを
重点的にケアすると効果的です。
特に足先は心臓から遠く冷気が足元にたまるので
血行が悪くなりがちですが、
軽い屈伸運動だけでもかなり改善できます。
デスクワークが続く時はこまめに体を動かしましょう。

また暑いと冷たい飲み物や食ベ物が欲しくなりますが、
それだと外側だけでなく内側からも体を冷やしてしまいます。
特に冷房の効いた場所では
温かい飲み物や食べ物で胃腸をいたわりましょう。
さらに入浴は体を温めると同時に
水圧で血行を促進する効果があります。
ぬるめのお湯にゆっくり浸かって汗をかけば
自律神経機能の回復にも役立ちます。


■ほか注意点

冷房病を防ぐには自律神経にストレスをかけないことが大切で、
普段から保温を心がけ、規則正しい生活、
適度な運動をすることが必要です。
冷房の温度は外気温との差を5℃以内に設定して、
冷風が体に直接当たらないように風向きを調節して
冷やし過ぎないように注意しましょう。
職場など温度や風向きが自由に設定できない場所では
長袖のシャツや上着・膝掛けなどを使うのも大切です。
また夜の冷房にも注意が必要で、
私たちの体は明け方に最も体温が低くなるといわれています。
明け方まで冷房をつけてしまうと
必要以上に体が冷えてしまうので、
1〜2時間のタイマーをセットして、
体を冷やしすぎないようにしましょう。

心不全最前線

 
今回、心不全最前線についてお話を伺ったのは、
九州大学病院 心臓血管外科 教授の
塩瀬 明(しおせ あきら)先生です。

■心不全とは

心臓の役割としては
まず血液を全身に送り出すということがありますが、
それが上手くできていない、
心不全とは血液が全身に上手く供給されていないという状況です。
最近では狭心症・心筋梗塞のあとに
心臓の機能が低下することでも心不全が起こってきます。
生活習慣病の増加でこういった心筋梗塞などが増えているので、
それに伴う心不全も増えているのが現状です。


■心臓とは

心臓は握りこぶしよりやや大きいくらいの臓器で、
収縮と拡張を繰り返し全身に血液を送り出す
“ポンプ”の働きをしています。
その量は静かに座っているときでも1分間におよそ5リットル、
走っているときにはなんと30リットルもの血液を
全身に送り出しています。


■心不全の原因となる心臓疾患

狭心症・心筋梗塞、心臓の弁膜症でも心不全の症状は起きてきます。
あと特殊な疾患ですが、
拡張型心筋症も重度の心不全を起こしてくる原因のひとつと考えられています。


■心不全の症状

心不全が起こると体のすみずみに血液が行き渡らないことで
多くの場合、倦怠感を感じます。
また進行すると息苦しい、体がむくむ、
さらには腎臓など各臓器の機能の低下も見られます。
また非常にまれですが、普通のかぜから心筋症になる人もいます。
かぜでウイルスが心臓に感染して急激に心臓の機能が低下すると
1週間以内に急激な心不全に陥る場合があります。

■心不全の治療

心不全の治療ではまず薬物療法が行われます。
体のむくみを取るための利尿剤、ほかに心臓の動きを整えたり、
血圧の調整を行うような薬を服用しますが、
非常に重症な心不全では次のステップとして
心臓移植を考えざるを得ない場合もあります。
心臓移植が必要とされた場合には
そのサポート医療機器として補助人工心臓があります。
一時的に心臓の動きを機械で助けるというもので、
これによってベッド上から起き上がれる・歩ける、
最終的には社会復帰を果たす人までいます。

変形性ひざ関節症

 
今回、変形性ひざ関節症についてお話を伺ったのは、
九州労災病院 病院長の
岩本幸英(いわもと ゆきひで)先生です。


■変形性ひざ関節症とは

ひざの関節にある軟骨の役割は関節をスムーズに動かす、
荷重がかかった時のクッションになるというものですが、
変形性ひざ関節症とは、その軟骨がすり減って炎症や変形をきたし、
ひざの痛みのために動けなくなるような疾患です。
全国に約2530万人もの患者さんがいるといわれています。
初期では軟骨がすり減って関節が狭くなるだけですが、
炎症が進むと変形をきたします。
さらに軟骨の下の骨が直接ぶつかるような状態になると
激しい痛みが起こり、骨蕀(骨のとげ、突起)などができて
変形が進むと関節の動きも悪くなります。


■ひざの役割と変形性ひざ関節症の注意点

私たちのひざは大きく動かせる一方で、
歩くと体重の2倍から3倍、
階段を上ると5倍以上の重さを支えなければなりません。
そのため変形性ひざ関節症の多くは
筋肉の衰えや肥満、無理な動作など、
様々な要因が影響し合いながら、
ひざに負担がかかり続けて発病に至ります。
例えばO脚で肥満気味だとこの病気になりやすく、
さらにひざのケガを経験したり
スポーツでひざを酷使したりしている人も注意が必要です。
症状が軽い状態の時には手術の必要はなく、
肥満などを解消するための生活指導や
筋力訓練などの運動療法、薬物療法などが行われます。


■変形性ひざ関節症の治療

変形性ひざ関節症の薬物療法には、
一時的な痛みや炎症を抑える消炎鎮痛剤と、
関節内の潤滑成分であるヒアルロン酸の関節内注射があります。
ヒアルロン酸には関節の動きを滑らかにしたり、
痛みや炎症を和らげたり、
関節軟骨を保護したりする効果があります。
症状が軽いうちに行うとより効果的ですが、
炎症を抑える働きもあるため、
痛みや症状の程度に関わらず幅広く使用されています。
こうした保存療法で症状が改善しない場合や
関節の変形が進んでいる場合には、
最終手段として手術が検討されます。


■変形性ひざ関節症の手術

変形性ひざ関節症の主な手術法は、
高位脛骨骨切り術(こういけいこつこつきりじゅつ)と
人工ひざ関節置換術です。
患者さんの状態や年齢、どのような機能を望むかで
手術法を使い分けます。
高位脛骨骨切り術はすねの骨のひざに近い部分を切り、
金属などで固定してO脚を矯正する手術です。
ひざの変形が比較的小さく、
日常的にひざをよく動かす人が対象となります。
高位脛骨骨切り術は
内側の関節が痛い患者さんに適用される手術で、
自分の関節を温存できるという利点があり、
また手術後の関節の動きを元通りにすることができます。
リハビリなどを含めて1ヵ月程度の入院が必要なこと、
骨が完全に付くまで3ヵ月以上かかることが注意点です。


人工ひざ関節置換術は変形した関節を金属やポリエチレンで作られた
人工の関節と入れ替える手術です。
ひざ全体が大きく変形して痛みが強く
日常生活に支障をきたす場合に行われます。
人工ひざ関節置換術は高齢の患者さんにも適用できて、
術後2〜3日には歩けること、
入院期間が3週間程度と短いことも特徴です。
ただし、しゃがみ込みや正座ができないなど、
動きがある程度制限されます。


■先生よりまとめ

高位脛骨骨切り術でも人工ひざ関節置換術でも術後痛みが取れて、
多くの場合で元通りに歩くことができて、気持ちも明るくなります。
年だからしようがないと思わず、整形外科専門医を受診して
必要であれば手術を受けて、元の生活を取り戻していただきたいと思います。

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