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虫と皮膚炎

 
今回、虫と皮膚炎についてお話を伺ったのは、
松田ひふ科医院 院長の松田哲男(まつだ てつお)先生です。


■虫と皮膚炎とは

虫と一口にいってもアリやハチのような昆虫もいますし、
ダニ、クモというような昆虫以外の節足動物も
一般には“虫”と呼ばれます。
虫が刺したり、咬んだり、すみついたり、
そういうことでいろんな病気が起こってきます。
真夏が“虫のシーズン”と考えられますが、
実は今からの行楽シーズンのほうが
外に出かけることは増えてくると思いますので、
お出かけ場所によっては虫刺されなどの皮膚炎は結構起こります。


■虫もいろいろ

虫が私たちにもたらす影響は、
それぞれの虫がヒトをどうとらえているかで分けることができます。
ヒトを”食糧”ととらえる虫は血液を吸います。
蚊やノミなどがこれに当たります。
ヒトを“敵”ととらえる虫は刺したり咬んだりして毒を注射します。
ハチやアリ、クモやムカデなどがそれです。
ヒトを“棲み家”ととらえる虫は皮膚の表面の角質にすみついたり、
髪の毛をつかんで血を吸います。
ヒゼンダニやアタマジラミなどがこれに当たります


■この時期注意したい“チャドクガ”。

9月のおわりから10月、5月のおわりから6月と
年に2回ピークがあるのですが、
“チャドクガ”というガの幼虫、要するに毛虫ですね、
毛虫による毛虫皮膚炎がたくさん起こります。
ツバキとかサザンカの木の葉っぱの裏側にびっしり発生して
1匹1匹が小さな毒の毛ばりを落とします。
すると毛が当たったところに皮膚炎が起こります。


■うっかりつぶしたらタイヘン!、別名“ヤケドムシ”。

九州地区でよく見られる“アオバアリガタハネカクシ”という虫による
線状皮膚炎という病気があります。
アオバアリガタハネカクシは全長7mm程度の小さな虫です。
この虫の体液が付着することでやけどのような症状が起こります。
腕などにとまっているのを知らずに潰したり、
自転車に乗っていて顔にくっ付いたのを知らずに潰したりすると
その潰した格好にヤケドのような症状を起こします。
また水ぶくれができてヒリヒリと痛みを生じます。
別名“ヤケドムシ”といわれる所以です。


■ヒトにも飛びついて血を吸う!?、ネコノミ?。

本来はネコについていてネコから落ちたネコノミ、
もしくはネコから落ちたネコノミが産んだタマゴが大人になって、
さあネコに飛びついてやろう!としても
ネコが通らないと人間でもいいやということでヒトに飛びつくわけです。
ネコノミでは蚊に刺されたときよりも激しいかゆみにおそわれます。
ときには大きな水ぶくれを伴うこともあります。
ネコノミはノラネコには多くいて、
飼い猫でもときどき外に遊びに行くと
どこかでもらって帰ってくることがあります。
しかしむしろ、ノラネコが庭に来て糞を落としたところで草むしりをした、などの際に
ネコノミに刺されることのほうが多いと思います。


■ダニにも要注意!

ダニの中にも血を吸う刺すダニもいれば、
なんら悪さをしないダニもいます。
血を吸うダニのひとつが“マダニ”で、
ストロー状のものでヒトの血を吸ってジワジワと成長していきます。
またさまざまな感染症を媒介することでも知られています。
一方、畳や絨毯や布団に潜む“チリダニ”は
ヒトが落としたフケやアカを食べて生息しています。
掃除機や、ダニのシートなどのコマーシャルで標的にされるダニですが、
実はチリダニはあまりヒトを刺すことはありません。


■まとめ

虫刺されは薬局で買った薬で治そうとする人がほとんどだと思います。
それで治る皮膚炎はいいのですが、
“なんかおかしいな”、
“なかなか治らないな”という時には皮膚科を受診して
その病気の正体を調べていただいたらよいと思います。


ジストニア

 
■概要

緊張しているわけでもないのに体を思うように動かせない…
それはもしかしたらジストニアかも知れません。
脳神経の異常によって引き起こされるこの病気、
国内の患者数はおよそ2万人ともいわれていますが、
専門医が少ないため診断が難しく
治療が始まるまで病院を転々とする患者も多いとされています。
病状が進むと仕事ができなくなる恐れもあるつらい病気ですが、
社会的認知度が低く、
周りから理解されずに苦しんでいる患者が少なくありません。

今回、ジストニアについてお話を伺ったのは、
福岡みらい病院 機能神経外科部長の
宮城 靖(みやぎ やすし)先生です。


■ジストニアとは

ジストニアとは自分の意思とは関係なく
筋肉が勝手に緊張することで起きる異常な姿勢や運動のことで、
正確には症状の名称であり、
さまざまな病気が含まれる症候群を指します。
発病は体の一部で無意識に力が入ることから始まり、
徐々にひろがっていきますが、
なかにはある日を境に急に発症することもあります。
ジストニアは症状の出方によって全身性と局所性に大別されますが、
特に局所性は一部の動作に限って生じるため、
周囲からは気持ちの問題や
精神的な弱さに原因があると誤解されることの多い病気です


■症状について

局所性ジストニアには両目をギュッとつぶって、
ひどくなると盲目状態になる眼瞼(がんけん)けいれんや、
声がかすれたり出にくくなったりするけいれん性発声障害、
目や口が左右対称に力んでしまうメイジュ症候群などがあります。
中でも多いのがさまざまな方向に首が傾いたり、
引っ張られたりするような動きを伴う痙性斜頸(けいせいしゃけい)と、
字を書こうとすると力が入って字が書けなくなる書痙(しょけい)です。
特に熟練した動きを必要とするスポーツ選手や音楽家は、
同じ動作を繰り返す反復練習がきっかけで
ジストニアを発症することがあります。

■ジストニアの原因

ジストニアがどのように発症するのか
まだはっきりとは分かっていませんが、
運動を司る脳内の神経回路が
何らかの異常を起こして発症すると考えられています。
原因不明のジストニアの一部には遺伝性のものも含まれています。
およそ20もの遺伝子異常が発見されていますが、
肝心なことは遺伝子異常があるからといって
必ずジストニアを発症するとは限りません。
また、ある種の抗精神病薬の副作用としてジストニアが生じたり、
脳挫傷などの外傷や脳血管障害、代謝異常、神経変性疾患、
感染症や中毒などの脳の病気が原因で二次的に発症したりすることもあります。


■ジストニアの治療

薬やケガ、病気がジストニアを引き起こしている場合は、
その原因を取り除けば完治する場合もあります。
しかし症状が改善しない場合も多く、
原因不明のジストニアに対しては根本的な治療法がないので、
症状を抑える対症療法が中心となります。
治療は薬物療法から始めるのが一般的ですが、
残念ながら特効薬はありません。
そのため薬の服用を続ける必要があり、
副作用に注意しながら、
その人に合った薬剤の選択や組み合わせを試行錯誤していきます。

局所性ジストニアに対しては、
微量のボツリヌス毒素を注射することで特定の筋肉を麻痺させて、
異常な収縮を抑えて治療をすることがあります。
ボツリヌス毒素療法は副作用が少なく、
特に眼瞼けいれんと痙性斜頸に対しては高い効果が期待できます。
ただ1度に使用できる薬剤の量には限りがあり、
ねらった筋肉内に確実に投与しなければ効果は一定しません。
そのため表面から触れて分かりにくい場合は
筋電図や超音波画像を使いながら注射します。
全身性ジストニアなど症状が広範囲に及ぶ場合や、
局所性でも激しい異常な運動を伴う場合は
外科手術によって脳内の特定部位を小さく温めて固める視床凝固手術や
脳に電極を植え込んで慢性的に刺激する脳深部刺激療法で
症状の改善をはかります。

耳管開放症

 
今回、耳管開放症についてお話を伺ったのは、
福岡大学医学部 耳鼻咽喉科 教授の
坂田俊文(さかた としふみ)先生です。


■耳管開放症とは

体には鼻の奥と耳の奥をつなぐ耳管という管があり、
日ごろは閉じていますが、
それが開きっぱなしになる病気が耳管開放症です。
耳慣れない病名かもしれませんが、
最近では100人中3人程度が
その傾向を持っているのではないかといわれています。
男女で比べると やや女性に多いといわれています。


■耳管とは

耳管とは耳の奥にある中耳(ちゅうじ)と鼻の奥とを結ぶ管(くだ)で
空気圧を調整して良好な音の聞こえを保つ役割があります。
普段は閉じていて、食べ物を飲み込んだり
あくびをしたときに一瞬だけ開く仕組みになっています。


■耳管開放症の原因

耳管開放症の原因は正確なところはまだ分かっていませんが、
病気などで体重が急激に減った人や
ダイエットに成功した人に起きやすいといわれています。
ダイエットなどで体重が減ると
耳管の周りにある脂肪や筋肉組織が減ることで、
耳管が開きやすくなると考えられています。
そのほかにはストレスや睡眠不足などからくる体調不良、
あるいは自律神経の乱れがあります。
また耳管の周りには無数の毛細血管があるのですが、
水分が不足すると毛細血管内の血流が減って
耳管を閉める力が弱くなるとされています。


■耳管開放症と妊娠

耳管開放症は女性で妊娠中・授乳中に発症するケースがあります。
ただこの場合は出産後、あるいは授乳が終わったら
自然に良くなるケースもあるので、
薬などで治療することなく自然に治るのを待つという選択肢もあります。


■耳管開放症の症状

耳管開放症では耳が詰まった感じや
自分が吸ったり吐いたりする呼吸の音が
大きく聞こえるといった症状が起こります。
さらに自分の声が開きっぱなしの耳管を通ることで
大きく響いて聞こえます。

どの症状が気になるかは患者さんによって異なります。
いつもと違う大きな音がすると話しづらくなることから
極端に口数が少なくなったり、
自分の声が響くので声が非常に小さくなって、
周りにはささやいているようにしか聞こえないけれど、
患者さん自身はちょうどいい音量だと思う場合があります。
精神的にも大きな負担を抱えてしまって
日常生活全体に影響が及ぶケースもあります。
また耳管開放症の人の中には鼻水が出ていないにも関わらず
無意識に鼻をすすって
耳管内の空気の圧力を調整している場合があります。


■一方で

横になったり頭を下げたりすると
毛細血管の血流が増えて耳管を確実に閉めてくれるので、
症状が一時的に消えることも特徴のひとつです。


■耳管開放症の治療

体重が減ったり、生活が不規則になっていることが原因の場合が多いので、
耳管開放症の治療では、体重が減った人
はできるだけ戻すことが勧められます。
1〜2kg増えただけで症状が改善してしまうケースもあります。
それでも改善しないときには
漢方などの飲み薬が処方されることがあります。
さらに症状によっては生理食塩水を点鼻したり、
耳管内に薬剤を注入する場合もあります。


■耳管開放症の手術

起きている間はほぼ1日中、症状に悩まされるという患者さんには手術で、
耳管の中に軟骨やシリコンでできた“耳管ピン”といったものを入れて、
強制的に狭くする方法があります。
ただし、これはまだ特殊な治療で
どこの医療機関でもできるということではありません。


■先生より

耳管開放症は命にかかわるような重大な病気ではありませんが、
患者さんが感じる自覚症状は結構強いものがあって
患者さんは驚かれることが多いです。
そういうときは耳鼻科の先生に一度 診てもらうことが大事だと思います。

不妊治療

 
■概要

世界に先駆けて少子化が進む日本…。
1950年以降急激に低下した出生率は
その後低い水準が続いています。
その原因は女性の社会進出に伴う晩婚化や未婚化、
経済的な不安などさまざまですが、
見落とされがちなのが不妊症の広がりです。
そんな人たちのために妊娠をサポートするのが不妊治療。
厚生労働省の調査によると、
全国で46万人を超える人たちが不妊治療を受けていて、
その数は年々増え続けています。
不妊は女性だけの問題ではありません。
男性も一緒に治療を受けないと良い結果にはつながりません。

今回、不妊治療についてお話を伺ったのは
福岡大学病院 産婦人科 准教授の
城田京子(しろた きょうこ)先生です。


■不妊症とは

子どもが欲しい男女が、
一定期間避妊しないで性交渉を続けても妊娠しない状態を
不妊症といいます。
最近よくパートナーが決定していないのに私は不妊ですか?
と聞かれますが、
まずは子作りをしてみないと不妊症かどうか分かりません。
以前は2年を過ぎても妊娠しない場合に
検査を受けるのが一般的でしたが、
最近は晩婚化の影響で、
1年を過ぎて妊娠しないなら
不妊検査を受けることが推奨されています。
特に女性は30代になると妊娠できる確率は徐々に減少し、
35歳を過ぎるとさらに確率が低くなってしまうので、
30代で初めて妊娠を目指す場合になかなか授からないと感じたら、
早めに病院を受診するといいでしょう。


■不妊の原因

妊娠が成立するためには卵子と精子が受精して着床するまで、
多くの条件が揃わなければなりません。
そのため複数の原因が重なった不妊や
検査をしてもはっきりとした原因が分からない不妊もあります。
女性の場合、排卵障害や卵管の閉塞・狭窄・癒着、
子宮筋腫や子宮内膜症などさまざまな原因があり、
特に排卵と卵管に問題が起きやすいとされています。


■ところが…

不妊症のカップルのおよそ半分は
男性側に原因があるといわれています。
精子を作る機能に問題がある場合が多く、
精子の数が少ない、動きが悪い、
奇形率が高いなどの異常で受精する力が低下します。
他には勃起の状態が不十分で性行為が上手くいかない勃起障害や、
性行為はできても射精に問題がある場合、
ストレスやアルコール、喫煙、動脈硬化や
糖尿病が原因で起こることもあります。
心理的なストレスやプライドから検査に消極的な男性もいますが、
効果的な治療を受けるためには女性だけではなく、
男性も一緒に不妊検査を受けることをおすすめします。


■不妊治療の方法

不妊治療の方法は原因に応じて異なります。
原因が特定できない場合は体への負担が少ない治療法から始めて、
結果を見ながらステップアップしていくのが一般的です。
最初に選択されるのは自然に近い状態で
妊娠を目指す一般不妊治療で、
主にタイミング法と排卵誘発法があります。
排卵の2日前から排卵日までに
性行為を行うと妊娠しやすいことから、
タイミング法は超音波検査で卵巣内の卵(らん)の大きさを調べ、
排卵日を正確に予測して性行為のタイミングを合わせます。
排卵誘発法は内服薬や注射の排卵誘発剤で卵巣を刺激して排卵を起こし、
そのタイミングで性行為を行って妊娠率を高めます。


■人工授精

一般不妊治療で妊娠できなかった場合は
次のステップとして人工授精が選択されます。
人工授精は男性側に軽度の不妊の原因がある場合に
直接子宮内に精子を送り届ける方法で、
採取した精子から質の良い精子を選び出し、
専用の細いチューブを使って子宮に注入します。
この治療法では成功例のほとんどは6回目以内に妊娠します。
それを超える場合は次のステップである体外受精を考えます。


■対外受精

体外受精は女性から取り出した卵子に
精子を振りかけて自然に受精させ、
数日間培養した受精卵を子宮に戻す方法です。
ただし精子の状態が悪いとこの方法では受精しにくいので
顕微授精を行うことになります。
顕微授精では細いガラス針を用いて顕微鏡で確認しながら
精子を卵子に直接注入して受精させ、
体外受精と同じく培養した受精卵を子宮に戻します。
精液中に精子が見られない無精子症でも
手術で精巣から精子を取り出して顕微授精を行えば、
妊娠が可能になります。


■まとめ

不妊治療は精子と卵子に妊娠する力が
残っている場合にのみ有効で、
精子と卵子にその力がなければ、
たとえ体外受精や顕微授精を行っても妊娠には至りません。
男女とも年齢を重ねるほど精子や卵子の力は低下していくので、
完全に力がなくなって妊娠できなくなる事態を避けるために、
他の不妊治療を早めに切り上げて体外受精に進むこともあります。
不妊治療は早く始めるほど妊娠率が高く、
治療期間も短くて済む場合が多いので、
不妊治療を受けるかどうかで悩む前に気軽に病院を受診して、
まずは検査を受けて欲しいと思います。

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