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宗像 沖ノ島〜祈りの原点をたずねて〜

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紫外線

 
今回、紫外線についてお話を伺ったのは、
いちかわ皮ふ科クリニック院長の市川竜太郎(いちかわ りゅうたろう)先生です。

■紫外線とは

太陽光線には紫外線、可視光線、赤外線があり、
その中で最も波長が短く、エネルギー量が高いのが紫外線です。
4月から9月に1年のうちの70〜80%、
10時から14時に
1日のうちのおよそ60%の紫外線が降り注ぎます。
薄曇りでも晴天時の80%、
雨天でも晴天時の30%が降り注ぎます。
緯度が低くなるほど紫外線量は多くなるので、
九州地方では特にしっかりとした紫外線対策が必要です。


■光老化とは

紫外線を長年に渡って浴び続けていると、シミやシワ、
弾力の低下といった皮膚の老化が促進されます。
これが光老化です。
加齢に伴う老化と比べると、
硬くゴワゴワした皮膚に深いシワが刻まれるのが特徴で、
お年寄りの顔や手の甲によく見られます。
光老化は自然な老化とは異なり、
紫外線を適切に防御することによって
皮膚の老化を遅らせることができると考えられています。


■紫外線の影響

紫外線による皮膚障害は、太陽に当たってすぐに現れる急性傷害と、
長年当たり続けることで現れる慢性傷害に分けられます。
急性傷害の代表は日焼けのし過ぎである日光皮膚炎で、
水ぶくれになったり、
皮膚が腫れあがったりしている場合は
皮膚科での治療が必要になることもあります。
慢性傷害には皮膚がんの一種である有棘(ゆうきょく)細胞がんと、
その前がん病変である日光角化症などがあり、
これらは高齢者に多く見られます。
日光角化症は皮膚の表面がカサカサした
赤いシミとして見られることが多く、
通常、痛みや痒みなどの自覚症状はありません。
小さい場合やシミに混在する場合など、
見過ごされることもよくあります。
放置すれば20%以上が がん化するとの報告もあるため、
気になる症状があれば、一度、皮膚科専門医にご相談下さい。


■ほか特徴

日本は世界でも皮膚がんが少ない国の1つとされていて、
皮膚がん患者が多いオーストラリアやニュージーランドと比べると、
その発生率はおよそ百分の1ともいわれています。
ところが日本における皮膚がんの発生率は
男女ともにジワジワと増加傾向が見られます。
特に紫外線が原因となる有棘細胞がんは
北海道より九州に患者が多く、
40代から増えることが分かっています。


■紫外線と健康被害

紫外線はさまざまな健康被害をもたらしますが、
一方で紫外線を浴びると
体内でビタミンDが合成されるというメリットがあります。
ビタミンDはカルシウムの吸収に欠かせない栄養素で、
とくに骨粗しょう症が心配な高齢者や、
赤ちゃんの発育が気になる妊婦を中心として、
以前は健康のために日光浴が推奨されていました。
しかしビタミンDは食事から十分摂取できます。
高齢者や妊婦でも日陰で30分ほど過ごせば
食品由来のビタミンDと合わせて、
必要なビタミンDの量は十分まかなえるので、
わざわざ日光浴をする必要はありません。


■紫外線対策

紫外線から皮膚を守るには、
紫外線量の多い10時〜14時には長時間の外出は避け、
外出する場合は日傘、サングラス、つばの広い帽子、長袖・長ズボン、
手袋などを活用する必要があります。
さらに日焼け止めをしっかり塗ることもとても重要です。
多くの人が適量の3分の1程しか塗れておらず
十分な効果が得られていません。
日焼け止めを顔に塗る場合、ローションタイプで1円玉程度、
クリームタイプで真珠大程度の量を2度塗りする必要があります。
とくに暑い日は汗と一緒に流れ落ちるので、
2〜3時間ごとの塗りなおしが望ましいです。

血糖値スパイク

 
■概要

私たち日本人の生活習慣病の代表格といえば糖尿病です。
糖尿病が強く疑われる人と
その可能性を否定できない予備軍の人を合わせると
その数は2000万人以上。
5人に1人が該当することになります。
そんな糖尿病の一般的な健康診断は採血検査の“空腹時血糖値”、
そして過去1〜2ヵ月の血糖の状態の目安となる
“ヘモグロビンA1c”です。」
しかし最近、それらでは見落とされがちな
ある血糖値の異常が注目されています。
それが「血糖値スパイク」です。


今回、血糖値スパイクについてお話を伺ったのは、
製鉄記念八幡(やはた)病院 糖尿病内科 部長の
野原 栄(のはら さかえ)先生です。


■血糖値スパイクとは

血糖値とは血液中のブドウ糖の濃度のことです。
そして血糖値スパイクとは、
食後の短い時間にその値が急に上がるというもので、
“糖尿病予備軍”とほぼ同じ意味合いです。
糖尿病では血糖値が常に高い状態が続いているのに対して、
血糖値スパイクでは食事のあとに急上昇し、
グラフにすると、スポーツシューズのスパイクのように
とがった形になります。


■血糖値スパイクのメカニズム

ブドウ糖はご飯やパン、麺類といった
いわゆる主食に多く含まれています。
そして血液中に取り込まれ、
全身に運ばれて体のエネルギー源となります。
しかしさまざまな理由でこの働きが障害されると
血液中のブドウ糖濃度が上がり、
人によっては血糖値スパイクや糖尿病へとつながります。


■血糖値スパイクの原因

血糖値スパイクの原因は2つあると思います。
ひとつはメタボからくる血糖値スパイク。
もうひとつがメタボではないものの、
すい臓の働きが弱いということで起こるスパイクです。
血液の中に食事由来の糖が入ってくると筋肉が処理するのですが
内臓脂肪が多い状態、
あるいは肝臓に脂肪が溜まっている“脂肪肝”という状態があると
糖を作りすぎて、血液の中に糖があふれかえるということから
食後の血糖が上がるスパイクにつながっていると思われます。

もうひとつはすい臓の働きの低下です。
血液中のブドウ糖はすい臓から分泌される“インスリン”によって
全身の組織に取り込まれるのですが、
その分泌量が減るというものです。
これは遺伝が関係しているとされ、
家族の中にそんなに太っていないにも関わらず
糖尿病の人がいる場合には、
比較的若い人でも血糖値スパイクが起きやすいといわれています。


■こんな疾患との関係も。

心筋梗塞で救急搬送をされる方の
食後の血糖の上がり下がりを見ると、
実は、今まで糖尿病といわれていなかったけれども
血糖値スパイクがある方が
かなりの割合でいることが分かってきました。
そいうことから血糖値スパイクがある方を
心筋梗塞、脳梗塞の発作が起こる前に
早めに診断することができれば、
そのような健康を大きく損ねる病気の予防に
つながるのではないかということが最近のトピックスになっています。


■血糖値スパイクの予防・対策

すい臓の働きを良くするということは難しいので、
肝臓の働き、筋肉の働きをいかに活性化させるか、
正常化させるかということがカギになると思います。
まず筋肉に関しては
特に食後、なるべく多く動く、ウォーキングでもいいと思います。
そして筋肉の量が多いほど血糖値を下げる力が強いので、
筋トレなどで筋肉量を増やすことも重要です。

そして肝臓の働きを保つためにお酒はほどほどに。
夜遅くの食事は脂肪肝の原因になるそうなので、
できれば夕食は8時までには済ませましょう。
また食後の血糖を上げないようにするため、
すい臓の働きが落ちている状況で
血糖値を上げないようにするための工夫としては食事にあります。
最初に野菜を食べ、最後に炭水化物を食べる。
これは最近の言葉では、
“ベジファースト・カーボラスト”といいますが、
同じ食事内容でも野菜から先に食べることで、
血糖値が下がることが分かっています。


■まとめ

また最近の研究では食べる量を減らそうと、
おかずを抜いてご飯やパンなど主食だけにすると、
より血糖値が上がることも分かってきたそうです。
食事はバランスよくとることが大事ですよ!。

正常眼圧緑内障

 
今回、正常眼圧緑内障についてお話を伺ったのは、
九州大学大学院 眼科 教授の
園田康平(そのだ こうへい)先生です。


■正常眼圧緑内障とは

これまでは眼圧が高い人が緑内障になるといわれてきましたが、
昨今、眼圧は普通でも緑内障が進む人が
結構な割合でいることが分かって、
正常眼圧緑内障という病名がつきました。
緑内障は見える範囲“視野”が狭くなる疾患ですが、
正常眼圧緑内障では自覚症状がほとんど出ないうちに
視野異常が起こるのが問題です。
片方の目が正常眼圧緑内障になっても、
もう片方で視野を補ってしまうことで自覚症状が出にくく、
発見が遅れるといわれています。


■目の仕組みと正常眼圧緑内障について

私たちの目の中には房水(ぼうすい)と呼ばれる液が循環し、
常に内側から外側に向かって圧力がかかっていて、
それを眼圧といいます。
眼圧が高くなると網膜の視神経が圧迫されて傷つくので
緑内障になることが分かっています。
眼圧が正常にも関わらずなぜ緑内障が起こるのか、
その原因はよく分かっていませんが、
正常な眼圧をさらに下げることで
病気の進行を抑えることは可能です。


■正常眼圧緑内障の治療

眼圧の下げ方には目薬で下げる方法と手術があります。
目薬は最近、いい目薬がたくさん出ていて、
最初の目薬で効かない場合でも、
2本目、3本目と継ぎ足すことによって
眼圧が下がる場合が多くあります。
長い期間で眼圧を下げる必要があるので、
眼圧が少し下がっても点眼はやめないで下さい。
目薬で眼圧が下がらない場合は手術を行います。
手術の方法はいくつかあるので専門医に相談してください。


■正常眼圧緑内障になりやすい人

正常眼圧緑内障になりやすい人の特徴は強い近視がある、
家族に正常眼圧緑内障の人がいるなどが挙げられます。
また眼圧は、血圧と同じように
ストレスを受けたり疲労がたまったりすると、
一時的に上昇しやすくなります。
パソコン画面を長時間見つめ続けるような目の酷使も同様です。
こうした一時的な眼圧上昇が正常眼圧緑内障を招く恐れもあるので、
ときどき気分転換をしたり睡眠をきちんととったりして、
ストレスと目の疲れをためないように心がけましょう。


■ほか特徴

正常眼圧緑内障は自分では分からないうちに進行します。
ある統計によると、40歳を過ぎた人の20人に1人は
正常眼圧緑内障を含む緑内障があるといわれています。
一度狭くなってしまった視野は
どんなに治療をしても今の医学では戻せません。
範囲が狭くなる前に早く発見をして、
早く治療を始めることが大切です。
現在では緑内障検診はとても簡単にできるようになっています。
40歳を過ぎたら
一度、眼科で緑内障の検査を受けるのがよいと思います。
老眼が進んできたと思ったら、
これも受診の良いきっかけになると思います。

変形性ひざ関節症

 
今回、変形性ひざ関節症についてお話を伺ったのは、
諸岡整形外科病院 副理事長の
諸岡孝明(もろおか たかあき)先生です。


■変形性ひざ関節症とは

変形性ひざ関節症とは、
さまざまな原因でひざの軟骨がすり減って関節痛が起こる疾患です。
すり減った軟骨は基本的には元に戻ることはありません。
推計では日本人の2530万人がなっているといわれています。
また中高年にとって ひざ関節痛の原因となる最も多い病気で、
高齢化が進む日本では増加傾向にあります。


■ひざ関節と変形性ひざ関節症について

私たちのひざの関節は通常、弾力性のある軟骨で覆われていて、
衝撃を和らげる、
関節の動きをスムーズにするといった役割を果たしています。
しかしさまざまな理由でその軟骨がすり減ると
ひざの曲げ伸ばしの動作などで炎症が生じます。
進行すると骨どうしが直接ぶつかって痛みが生じます。


■変形性ひざ関節症の原因と特徴

変形性ひざ関節症のもっとも多い原因が
加齢による軟骨の質の劣化で、
徐々にすり減っていくというものです。
加齢以外には、若い頃にケガをして
年齢とともに症状が出てくるといった外傷性のもの。
何らかの原因で関節に細菌が入って軟骨が痛むといった
化膿性関節炎に伴うものなどがあります。
変形性ひざ関節症は男女では1:4で
女性が多いといわれています。
明らかな原因は分かっていませんが、
さまざまな疫学調査で
女性がなりやすいということは広く認められています。


■変形性ひざ関節症の症状

変形性ひざ関節症の症状は初期では、歩き始めなど動作を始める、
ひざを深く曲げるといった比較的限られたときに痛みが起こります。
進行すると長く歩いたり、
ひざに負担のかかる階段や坂道を歩いたりする際に
痛みがでるようになります。
さらに進行して状態が悪いときには、
夜、安静時にひざに痛みが走る場合もあります。


■変形性ひざ関節症の問題点

変形性ひざ関節症を放置していても軽い症状のまま、
一生病院にかからずにすむ場合があります。
しかし痛みが徐々に強くなることで、
知らず知らずのうちに生活が制限されることがあります。
あまり動かなければ痛くないという状態になると、
“ロコモティブ症候群”という、
歩いたり生活したりするときに必要な骨、筋肉など
運動器の機能が低下する疾患につながることがあります。


■変形性ひざ関節症の診断・検査

変形性ひざ関節症ではまず問診が大切です。
どういうときに痛いか、
どういう経過で痛くなったかということを聞いて
次に身体所見を診察して、それでほぼ診断がつきます。
そして診断を確定させるためには
エックス線撮影(=レントゲン検査)を行います。


■変形性ひざ関節症の治療

変形性ひざ関節症の治療はまず生活指導です。
筋力訓練や自己でのリハビリテーションを行いますが、
病院に来る人はそういうことをしても改善が見られない場合が多いので、
その際には薬物療法として外用剤や内服薬の消炎鎮痛剤を処方したり、
併せて病院でのリハビリテーション、
リラクゼーションや姿勢指導を行います。
また関節内にヒアルロン酸(※関節内を満たす関節液の主成分)を注射して
炎症や痛みをおさえる治療を行うこともあります。
それでも改善が見られない場合には
骨を切って関節の向きを矯正する、
人工関節に入れ替えるといった手術が行われます。


■変形性ひざ関節症の予防・改善

変形性ひざ関節症になっても症状が出なければいいので、
そういう意味では減量が大事です。
また同じ体重でも筋力がある人は
症状を感じにくいということが分かっているので、
できる範囲で運動を続けましょう。
ただ、どの程度悪いかによって、
していい運動とよくない運動があるので、
やはり一度は病院で診断を受けることが大切です。


■まとめ

変形性ひざ関節症でも普段の生活に支障がないうちは
病院を受診する必要はないそうですが、
生活に制限が加わらないようケアすることが大切です。
また階段を下る、正座をするといったことがきつくなったら、
定期的にひざの状態を診てもらいましょう。

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