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胃がん検診

 
■概要
胃がんは毎年10万人以上が発病する国民病の1つですが、
近年、死亡率は減少傾向にあります。
その理由は診断技術の向上で
早期に見つかる胃がんが増えているからです。
何らかの症状が現れる前に検診を受けることが大切です。

今回、胃がん検診についてお話を伺ったのは
福岡赤十字病院 消化器内科 部長の
平川克哉(ひらかわ かつや)先生です。


■胃がんとは

胃がんとは胃壁の最も内側にある粘膜に発生する悪性腫瘍で、
その多くはピロリ菌感染による慢性胃炎が原因とされています。
胃がんは粘膜に発生し、粘膜下層、筋層、しょう膜へと進行します。
がん細胞が粘膜下層までにとどまる場合は早期胃がん、
筋層以上に進行した場合は進行胃がんと定義されています。
早期胃がんの状態で治療すると90%以上が完治するとされています。
したがって、可能な限り早期胃がんで発見することが大事であり、
早期胃がんは一般的に症状がないため検診が重要になります。
胃がんの発症が増える50歳以上は
ぜひ検診を受けていただきたいと思います。


■胃がん検診の現状

胃がんは初期の段階ではほとんど自覚症状がありません。
そのため早期に発見するには定期的な検診が欠かせません。
ところが国立がんセンターのまとめによると、
40歳から69歳の男女を対象に調べた胃がん検診の受診率は、
男性が45.8%、女性が33.8%に過ぎず、
毎年受ける人と全く受けない人の2極化が進んでいます。
胃がん検診の受診率が伸び悩む理由の1つとして、
従来から行われていたX線検査のバリウムがどうしても苦手な人が多いという指摘もあります


■X線検査について

X線検査のメリットは撮影装置を搭載する検診車が現地に赴いて
一度にたくさんの方に検査を受けていただくことができるということです。
後日、複数の専門医が画像をチェックし診断します。
専門医が少ない地域でも
遠隔地で画像をチェックして診断することも可能です。
なお病変が疑われる場合は
診断を確定するために内視鏡検査が必要となります。


■最近のトピック

去年(2016年)の2月、厚生労働省は“胃がん検診の指針”を改定し、
初めから内視鏡検査で胃がん検診が受けられるようになりました。
指針ではX線検査は40歳以上を対象に1年に1回、
内視鏡検査は50歳以上を対象に
2年に1回の受診と定められています。
今のところ、胃がん検診で内視鏡検査を導入しているのは
一部の市区町村に限られていますが、
今後は徐々に増えていくと期待されています。


■内視鏡検査とは

内視鏡検査は胃の中に管を挿入し、
内腔から胃粘膜を観察するという方法であり、
病変を発見した場合は病変の一部を採取して、
組織学的にがんの診断を確定することができるというメリットがあります。
最近では内視鏡が極めて細くなり、
鼻から挿入する経鼻内視鏡が普及してきました。
ちなみに福岡市では全国に先駆け、
平成12年から胃がん検診に内視鏡検査を導入し、
胃がん検診の受診者が2倍以上に増加したということが報告されています。


■まとめ

自治体によっては胃がん検診ではなく、
血液検査でピロリ菌の有無や胃の粘膜を調べる胃がんリスク検診を実施している所もあります。
でもそれだけでは早期のがんを見逃す恐れがあるので、
50歳を過ぎたら胃がん検診をしっかり受けましょう。

血管エコー

 
今回、血管エコーについてお話を伺ったのは、
九州大学病院 血液・腫瘍・心血管内科 准教授の
小田代敬太(おだしろ けいた)先生です。


■血管エコーとは

私たちの体の中に張り巡らされている血管は1本につなげると
総延長はおよそ10万キロメートルにもなり、
地球を2周半するほどの長さになります。
一方、エコーとは超音波を当てて、
反射したものを画像で見るというもので、
血管の状態を見る場合には血管エコーと呼ばれます。
“人は血管とともに老いる”という言葉がありますが、
血管を健康に保つことは全身の健康と大きな関係があります。


■血管エコーの特徴

血管エコーは痛くない、針を刺さない、
被爆がない、妊婦さんでも受けられる、
CTやMRIよりも検査費が安い、繰り返しできるといった特徴があります。
私はエコーで結果が悪いと分かって、さらに細かく見たい場合に
MRIやCTをするべきではないかと考えています。
ただし、血管を細かく見るというのは
エコーのほうが優れているところがあるので、
これらの検査をうまく組み合わせることが大事です。


■血管エコーで調べるのは

血管エコーはまず動脈に関しては
“動脈硬化”が起こっているかどうかを調べます。
動脈硬化が起こると、
血管の壁に“プラーク”というコレステロールの塊がつくので
その塊があるかどうかが分かります。
そして動脈硬化が進行すればその塊がどんどん大きくなるので、
それによって血管内が狭くなる“狭窄”があるかどうかが分かります。
さらには血管がもろくなって腫れる
動脈瘤(どうみゃくりゅう)があるかどうかも分かります。
一方、静脈では血管内に“血栓”と呼ばれる血の塊がないかどうか、
血液の流れが滞っていないかといったことを見ることができます。


■注意点は

動脈硬化を進める要因としては糖尿病や高血圧などの生活習慣病。
ほか喫煙や肥満、運動不足といった生活習慣の乱れが挙げられます。
動脈硬化がたとえば首や脳の血管に起こると、
そこが狭くなったり詰まったりして脳梗塞につながります。
また心臓の血管が詰まると狭心症といって胸が痛くなったり、
心筋梗塞といって突然心臓が止まる病気につながります。
さらに足の血管では閉塞性動脈硬化症という、
足先がしびれる、冷たくなる、
進行するとちょっと歩いただけで足が痛くなる
といった疾患につながります。
ほかにも胸やお腹の動脈瘤は突然破裂して突然死の原因となります。


■まとめ

血管を若く保つということは心臓を守ることにもなり、
「健康寿命」を保つことになります。
糖尿病、高血圧、コレステロール、喫煙や運動不足に気をつけて、
病気があればしっかり治していくことが重要です。
今のところ血管エコーは
どの医療機関でも受けられるというわけではありません。
一度 検査してみようかなと思ったら、
まずはかかりつけの先生に相談してみましょう。
そしてそこでできないときには
血管専門医を紹介してもらってチェックを受けましょう。

関節リウマチ

 
今回、関節リウマチについてお話を伺ったのは、
福岡大学医学部 整形外科 講師の
前山 彰(まえやま あきら)先生です。


■関節リウマチとは

関節リウマチはと何らかの原因で
炎症を起こした関節が腫れて痛む病気で
放置すると軟骨や骨が破壊されて関節が変形し、
ついには動かせなくなってしまいます。
以前は病気がかなり進行してから
関節の破壊が始まると考えられていましたが、
その後の研究で、発症から1年以内に
関節が急激に破壊されることが分かりました。
一度変形した関節はどんな治療を施しても元には戻らないので、
関節リウマチはいかに早く見つけて
治療を始めるかが重要視されています。
例えば、初期症状で多い“朝のこわばり”では、
朝起きてからしばらくは手足の関節を動かしにくいのですが、
そのうちにだんだん楽に動かせるようになります。
こうした症状を見逃さないでほしいと思います。


■関節リウマチの特徴

関節リウマチの症状は手足の関節に起こりやすく、
指の第一関節や背骨にはほとんど見られません。
初めの頃は良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、
じわじわと進行して慢性の経過をたどります。
また新たな研究によって、
関節リウマチで引き起こされる全身の炎症が動脈硬化を進め、
心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなることが指摘されています。
そのため関節リウマチになると、
健康な人に比べておよそ10年も寿命が縮むリスクがあるといわれています。


■関節リウマチの原因

関節リウマチがなぜ起こるのか、
その原因はまだ詳しくは解明されていません。
今のところ、体内に侵入したウイルスなど
の異物を攻撃する免疫が何らかのきっかけで暴走して、
関節の内面を覆っている滑膜(かつまく)を
異物とみなして攻撃するために、
関節に炎症が生じることが分かっています。
関節の炎症が続くと滑膜が増殖して厚く腫れ上がり、
やがて軟骨や靭帯を侵食し、
さらに進行すると骨まで侵食されてしまいます。


■関節リウマチの治療

関節リウマチは原因が分からないため、
今のところ根本的な治療法はありません。
そこで症状が消えた状態になる、
寛解(かんかい)を目指すのが治療の目的とされていて、
最近では新薬の関発が進み、薬物療法が大きな効果を上げています。
関節リウマチの治療薬は炎症を抑えて痛みを和らげる抗炎症薬、
免疫機能を正常に戻して病気の進行を抑える抗リウマチ薬、
免疫機能を抑制して
関節破壊の進行を抑える生物学的製剤の3種類が主に使われます。
特に抗リウマチ薬と生物学的製剤を併用することで、
関節の痛みや腫れを抑えるだけでなく、
関節破壊をほぼ完璧に抑制することもできるようになりました。


■手術について

薬物療法で病気の進行を止められなかったり、
関節の破壊が進んで生活に支障をきたしたりする場合には
人工関節置換術を初めとした手術が必要となります。
治療薬と同様に手術の進歩も近年目覚ましく、
特に人工関節は材質や技術が飛躍的に向上し、
かつては10年が目安とされていた人工関節の寿命も
今では20年以上といわれています。
そのため、以前の人工関節は主に高齢者を対象としていましたが、
最近では若い患者さんにも行えるようになり、
将来的に人工関節が緩むなどの不具合が出ても
一部の部品を替えるだけで済むなど、
安全に再手術ができるようになりました。
その一方で、薬物療法の効果で症状の治まった患者さんが、
壊れた関節のまま動き過ぎて、
関節の状態を悪化させてしまう事例が増えていて、
人工関節の手術件数が増加しています。

神経痛

 
今回、神経痛についてお話を伺ったのは、
貝塚病院 麻酔科 部長の松下至誠(まつした しせい)先生です。


■神経痛とは

神経痛とは、なんらかの原因で神経が障害され、
それによって起こる痛みのことです。
傷や病気で治療を受けたところ、
無事回復したのにそのあともずっと痛みが残る…。
もしかしたらそれは神経痛かもしれません。


■神経とは

神経は脳や脊髄からなる中枢神経と
全身に広がる末梢神経に分けられます。
神経痛は末梢神経が刺激を受けて
中枢神経に痛みとして伝わることで起こります。


■神経痛の特徴

神経痛では不快な痛みが体の中で続きますが、
それがなかなか診断できず、
画像を撮っても解らないことが多いです。
我慢するしかないとか、
歳のせいですというふうになる現状があります。
長年、神経痛でお悩みの人は一度、
「痛み外来」を受診してみてはどうでしょうか。


■神経痛の症状

神経痛ではしびれをはじめ、
針で刺されたようなチクチクとした痛みや
焼けるようなヒリヒリとした痛みが突然起こったり
慢性的に続いたりします。
また症状が強いときには
軽く触れただけで強い痛みを自覚することもあります。


■神経痛を起こす病気

最近、国内で特に増えているのが、
高齢化に伴う“脊柱管狭窄症”です。
脊柱管狭窄症とは
首から腰につながる背骨に囲まれた脊柱管という空間が狭くなり、
その中を走る中枢神経が圧迫されて痛みが起こるものです。
また手術で脊柱管狭窄症そのものは
完治しても、中枢神経の周りが癒着して、
それによって術後に神経痛が出てくる人が
10〜20%の割合でいます。

また脳卒中によって脳が障害を受けた場合、
治療後にまひがなくても神経痛が出る場合があります。
他には椎間板ヘルニアで神経が圧迫される。
帯状疱疹など、ウイルス感染で神経が障害される。
がんなどの腫瘍が神経へ広がるなどです。


■神経痛になると

神経痛がひどくなると歩きにくくなる、転びやすくなる。
お箸が持てなくなる、髪を洗いづらくなるなど、
日常生活でさまざまな影響が出てきます。
精神的な面では、治療で病気が完治したにも関わらず
その後に神経痛があると訴えると、
その家族などから“なんで痛いんだろう?”
と冷たい目で見られることもあり、
患者さんはとてもつらい気持ちになってしまいます。

※トライのコーナーでは“脊髄刺激療法”を紹介しました。
体内に植え込んだペースメーカーのような刺激装置から
患部へ微弱な電気を流します。 
そこで痛みの信号を違う信号に置き換えて
症状を緩和させるもので、
欧米では広く行われている治療法です。


※脊髄刺激療法についてのお問い合わせ
092(632)3333:貝塚病院(福岡市東区箱崎)


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