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子宮筋腫

 
■概要

月経のある女性で最も多い産婦人科系の病気が子宮筋腫です。
日本では女性の4人に1人が発症するという報告がありますが、
治療の対象とならない小さなものまでを含めると、
3人に2人には子宮筋腫があるともいわれています。

今回、子宮筋腫についてお話を伺ったのは、
福岡大学医学部 産婦人科学教室 主任教授の
宮本新吾(みやもと しんご)先生です。


■子宮筋腫とは

子宮そのものが平滑筋という筋肉の塊の臓器なんですが、
そこに女性ホルモンの影響によって筋肉の瘤のような形で
細胞がどんどん大きくなる病気が子宮筋腫です。
子宮筋腫はがんになることはありません。
子宮筋腫は3人中2人といったようによく見られますが
人によってはだんだん大きくなって、
何sにもなるような大きさになります。
また、子どもができにくい、流産や早産になりやすい、
赤ちゃんが大きくならないなどといったことにも関係します。


■子宮とは

子宮は筋肉でできた袋状の臓器で、
外側からしょう膜、子宮筋層、子宮内膜の3層で構成されています。
そのため筋腫がどこに発生するかで子宮筋腫は3つのタイプに分けられます。
最も多いのが子宮筋層にできる筋層内筋腫で
子宮筋腫全体のおよそ7割を占めます。
同時にいくつもできやすく大きくなりやすい特徴があり、
流産や早産の原因になることもあります。
およそ2割を占めるのが、しょう膜と子宮筋層の間にできるしょう膜下筋腫です。
筋腫が子宮の外側に向かって大きくなるので症状が出にくく、
他の臓器を圧迫するまで気づかないことも少なくありません。
子宮内膜のすぐ下にできる粘膜下筋腫は全体の1割程度に過ぎませんが、
子宮の内側に向かって大きくなるので
筋腫が小さくても症状が出やすく不妊症の原因になります。



■子宮筋腫の症状

子宮筋腫は子宮のどこにできているかということで症状が変わります。
できた場所によっては生理の量が増えたり長引いたりすることで貧血になります。
あるいは子宮の外側にできると
筋腫がだんだん大きくなってお腹が痛い、おしっこが近い、
人によっては便秘がひどくなる、
腰痛が起こるといったことを起こします。
日頃からある症状が多いので見落としがちになりますが、
だんだんひどくなってきている、
症状が強くなってきているなどあれば、
早く専門医を受診することが大事です。


■子宮筋腫の治療

子宮筋腫が見つかっても自覚症状がない場合や大きさが10cm以下の場合、
閉経が近い場合は治療を行わずに経過観察となることもあります。
症状がひどかったり筋腫が大きかったり、妊娠を望んでいて
筋腫が不妊や流産のリスクになる場合は、
薬や手術による治療が検討されます。
薬物療法には毎日の点鼻薬と月に1回行う注射の2種類があります。
どちらも女性ホルモンの分泌を抑えることで
筋腫を半分近くまで小さくできますが、
治療を中止するとすぐ元の大きさに戻ってしまいます。
また更年期障害のような副作用もあり、
長く続けると骨粗しょう症の恐れもあるので
半年以上続けることはできず、
主に手術前の一時的な治療として行われます。


■子宮筋腫の手術

子宮筋腫の手術は筋腫を取り除くやり方と
子宮全体を取り除くやり方があります。
現在ではできるだけお腹を切らずに
筋腫だけを取る腹腔鏡手術がよく行われます。
また子宮に栄養を送る血管を少し潰して、
筋腫を小さくする治療が保険適用になって今、少しずつ広まっていますが、
この方法では子宮そのものの栄養状態が少し悪くなってしまうので、
妊娠しにくくなることが少し危惧されます。
妊娠を希望される方には腹腔鏡を使って筋腫だけを取るという手術がよく行われています。

COPD

 
今回、COPDについてお話を伺ったのは、
九州大学病院 呼吸器科 教授の
中西 洋一(なかにし よういち)先生です。


■COPDとは

COPDは日本語でいうと「慢性閉塞性肺疾患」で、
慢性・閉塞性・肺・疾患の4つの英語の頭文字を組み合わせています。
たばこを中心とした有毒な気体を吸い続けると
肺がだんだん壊れていきます。
息を吸ったり吐いたりする中で、
特に吐くのが難しくなる病気です。


■肺の働きとCOPD

私たちの肺は通常、風船のように
膨らんだり縮んだりして呼吸を行っています。
しかしCOPDになると肺が膨らんで、
そのあと、しぼんだ風船のような状態になってしまいます。
そうなると呼吸がうまく行えなくなって、
坂道や階段など体に負荷がかかるところで
息苦しさを感じるのが早い時期の症状です。
ほかには咳や痰が出て、ひどいときには呼吸時にゼーゼー、ヒューヒューという音がします。
COPDはWHO(世界保健機関)の予測によると、
2020年には世界の死因3位になるとされていて、
今後、増加が予想される病気です。


■COPDの主な原因

COPDの一番の原因はたばこです。
COPDは別名「たばこ病」ともいわれ、
患者は喫煙者、もしくは喫煙経験者が90%を占めます。
さらに全ての喫煙者のうち、
15〜20%が発症するという報告もあります。
COPDでは気管支や肺の形も変わってきます。
一つは肺の一番先の肺胞が大きく膨張して
間がプチプチと破れてくる、
もう一つは気管支が非常に厚くなったり、
痰が溜まったりして空気が通りにくくなります。
COPDで壊れた肺の組織は元には戻りません。
従ってCOPDは予防を心がける以外にはないというのが現実です。


■COPDの検査

COPDの検査で一番重要なのは肺機能検査です。
スパイロメトリーという肺活量を調べる検査ですが、
一番重要なのは、息を一気にプッと吐いたときに
最初の1秒間でどれだけ吐けたかという項目です。


■禁煙を始めるに当たって

禁煙を始めるに当たっての有効な方法は
禁煙外来を受診して治療を受けることです。
最近では街中のクリニックでも進められ、
お薬とカウンセリングで心と体の両面から患者さんをサポートします。
一定の条件を満たせば保険適用も可能です。


■禁煙へのアドバイス

禁煙は何度失敗してもやる価値があります。
また禁煙を始めるのは、どんなに遅くても遅すぎることはありません。
それによってCOPDを予防したり、
進行を防ぐことができると思います。

尿路結石症

 
■概要

あまりの痛さに同じ姿勢を保てず、まさに七転八倒の苦しみ。
患者のほとんどが夜中や早朝に突然激痛に襲われるため、
あわてて救急車を呼ぶ人も少なくありません。
尿路結石症は中高年以降の男性に多く、
日本では男性の7人に1人が一生に一度は発症するとされています。
一方で女性も閉経すると発症しやすくなるため、
高齢化に伴って最近では男女とも増加傾向にあります。

今回、尿路結石症についてお話を伺ったのは、
産業医科大学医学部 泌尿器科学講座 教授の
藤本直浩(ふじもと なおひろ)先生です。


■尿路結石症とは

尿路結石症とは尿の中にある成分が何らかの原因で結晶となって
石のように固まってしまう病気です。
腎臓から尿管、膀胱、尿道に至る尿路のうち、
95%の結石が腎臓と尿管で見つかります。
結石の成分で最も多いものは
シュウ酸カルシウムなどのカルシウム結石で、
これが全体の80%以上を占めます。
ほかには痛風の原因として知られる尿酸を
主な成分とする尿酸結石などがあります。
また近年の研究では尿路結石と動脈硬化との発症には
類似点が多いことが分かっていて、
尿路結石症はメタボリックシンドロームと
深い関係があるとして大変注目されています。


■結石ができる理由

結石がなぜできるのかはっきりとした原因は分かっていませんが、
生活習慣との密接な関係が指摘されています。
特に影響が大きいのが食生活の欧米化で、
高タンパクや高脂肪、糖分や塩分の過剰摂取が
尿の中のシュウ酸や尿酸、カルシウムの量を増やし、
結石ができやすくなると考えられています。
さらに食後2時間から4時間をピークに
結石の元となる成分が尿に蓄積されるので、
夕食を食べてすぐ寝てしまうと
就寝中に尿が濃縮されて結石になるリスクが高まります。


■尿路結石症の症状

尿路結石は腎臓でできますが
腎臓にとどまっている内はほとんど自覚症状がありません。
そのためまったく気づかないまま
結石が大きくなってサンゴのようになる、
サンゴ状結石を形成することがあります。
結石が腎臓から尿管に移動した際に尿管に詰まって
尿の流れを止めてしまうと、
それより上の尿管や腎臓に圧力が加わって背中に激痛が走ります。
さらに結石が尿管を下に向かって動くにつれて
脇腹、下腹部へと痛む場所が変わってきます。
尿路結石症の痛みはギックリ腰などと違って
安静にしたら治まるというものではありません。
2〜3時間ほど続いた後は数分おきに強まるなど
強弱の波があるのが特徴で、
背中を叩くと痛みが響きます。
痛みの他には吐き気や実際に吐いたり、血尿が出たり、
結石が膀胱の近くまで落ちてくると
膀胱を刺激していつもオシッコがしたい感じや、
排尿の後にも尿が残った感じがすることもよくみられます。


■尿路結石症の治療法

尿路結石症の治療は結石の大きさによって異なります。
尿管の太さはおよそ5ミリなので
結石が5ミリ以下の場合は薬で痛みを抑えながら
自然に排石するのを待つ場合がほとんどです。
排石を促すために1日2〜3リットルの水分を補給して尿の量を増やしたり、
尿管の緊張を緩和する内服薬が処方されたりすることもあります。
結石が5ミリを超えるなど自然排石が難しいと判断される場合は
外科的な治療が検討されます。


■尿路結石症の手術

自然排石ができない尿路結石は、
以前は開腹手術で取り除いていましたが、
現在は体外衝撃波結石破砕術が最も一般的に行われています。
これは体の外から衝撃波を照射して結石を砕く治療法で、
細かく砕かれた結石は尿に運ばれて体外へと排出されます。
体に傷をつけたり麻酔をかけたりしないので
患者さんへの負担が小さい治療法です。
結石が硬かったりして衝撃波では十分に治療できない場合は、
麻酔をした上で尿道から内視鏡を挿入し、
結石をレーザーなどで砕いて除去する
経尿道的結石破砕術を行うことがあります。
また腎臓に大きな結石ができている場合は、
全身麻酔をして背中から内視鏡を挿入する
経皮的腎結石破砕術を行うことがあります。
これらの治療法は単独で行う場合が多いですが、
結石の状態によってはいくつかの治療を組み合わせて行うこともあります。


■尿路結石症の予防対策

尿路結石は治療しても5年以内に約半分が再発するといわれています。
再発を防ぐには水分摂取と、
結石ができやすい生活習慣を改善する必要があります。
結石は夜に作られるともいわれているので
夕食は少なくとも就寝2時間前には済ませ、
ほか意識的に飲水量を増やすことが大事です。
また多くの結石がカルシウムでできることから、
以前はカルシウムの過剰摂取が問題とされていましたが、
その後の研究では、むしろカルシウムの摂取不足が
尿路結石を作ることが分かっています。
結石のもう1つの主成分であるシュウ酸は
尿の中でカルシウムと結合して結石となりますが、
腸内にカルシウムがあると
シュウ酸はカルシウムと結合し便と一緒に排泄されるので、
食事でカルシウムを控えることなく、
十分にとることが尿路結石の予防につながると考えられています。

大動脈弁狭窄症

 
今回、大動脈弁狭窄症についてお話を伺ったのは、
九州大学病院 心臓血管外科 教授の
塩瀬 明(しおせ あきら)先生です。


■大動脈弁狭窄症とは

大動脈弁狭窄症とは、心臓と大動脈という
大きな血管の間にある大動脈弁が
いろいろな要因、たとえば動脈硬化などにより、
その通り道が狭くなる病気です。
日本国内では患者さんは100万人前後といわれ、
年齢としては70〜80歳代の方に多いとされています。
高齢化が急速に進むわが国ではこれから注意が必要な心臓の病気です。


■大動脈弁とは

私たちの心臓は4つの部屋に分かれています。
そして部屋と部屋の間、部屋と血管の間にはいくつかの弁があり、
血液が逆流しないようになっています。
そのうち、心臓の左心室と大動脈の間にあるのが大動脈弁で、
この弁が硬くなると全身に十分な血液が行き渡らなくなってしまいます。


■大動脈弁狭窄症の原因

大動脈弁狭窄症の原因には、生まれつきの弁の形態の異常、
さらにはリウマチ熱という感染性の炎症などが挙げられますが、
もっとも大きな原因には加齢があります。
加齢、あるいは加齢に伴う血管の老化現象である“動脈硬化”が進むと、
弁そのものが硬くなったり、さらに進んで石灰化したり、
形が変わって弁の開閉ができなくなってしまいます。


■大動脈弁狭窄症の症状

大動脈弁狭窄症は徐々に症状が進行するため、
軽いうちはほとんど症状を自覚することはありません。
しかし進行すると全身に十分な血液が送れなくなることで
軽い息切れや動悸、倦怠感などを感じます。
さらに症状が進むと息切れが強くなったり、
胸が痛んだり、失神を起こしたりします。


■大動脈弁狭窄症の注意点

大動脈弁狭窄症は自覚症状を感じたころには
すでに重症化していることが少なくありません。
また特徴的な症状がないまま進行し、
ある日突然、心不全や意識を失う“失神”から突然死に至る危険性があります。
その他にも、症状が出た後の予後が極めて悪いとされていて
重症な大動脈弁狭窄症の患者さんでは
そのおよそ半数が2年以内に亡くなるという報告もあります。


■大動脈弁狭窄症の治療

大動脈弁狭窄症の治療では1つめに薬物療法として
強心薬や血管拡張薬、利尿薬などを使って症状の緩和をはかります。
2つめは開胸手術です。胸部を切開し心臓を露出し、
硬くなった大動脈弁を直接見ながら切除し、
人工弁に入れ替える大動脈弁置換術が行われます。
3つめは“TAVI(タビ)”、経カテーテル的大動脈弁植込み術で、
足の付け根の血管などから血管内にカテーテルという細い管を入れ、
そしてその先端に取り付けられた専用の人工弁を
患部で広げて据え置くという新しい治療法です。
治療は患者さんにある程度の体力があれば
可能な限り開胸手術が選択されますが、
困難と判断された際にはTAVIが行われます。


■まとめ

大動脈弁狭窄症は徐々に進行するため
症状に気がつかないこともあります。
息切れや疲れやすさなどが増したら
一度、病院で診察を受けましょう。

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