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小児ぜんそく

 
今回、小児ぜんそくについてお話を伺ったのは
国立病院機構 福岡病院 副院長の
小田嶋 博(おだじま ひろし)先生です。


■小児ぜんそくとは

小児ぜんそくは突然息が苦しくなる病気で、
気管支という空気の通り道が狭くなります。
一時どんどん増えて、10年間で1.4倍、
20年間で2倍程に増えましたが、
最近は減少傾向にあります。
1つの問題は、小さいお子さん、
特に0歳で発症してゼイゼイすることが多いということです。
経過としては小学生の間に治ってくことが多いですが、
なかには成人ぜんそくに移行する患者さんもいるので、
我々小児科医としてはできるだけ小学生の間に治したいと思います。


■小児ぜんそくの経過

小児ぜんそくになると
空気の通り道である気管支が炎症を起こして狭くなります。
この狭くなった気管支を空気が通る時に出る特徴的な呼吸音が
喘鳴(ぜんめい)です。
一般には「ヒューヒューゼーゼー」と表現されることが多いのですが、
痰が絡みやすい小児ぜんそくの場合は
「ゼロゼロ」と表現されることも少なくありません。
喘鳴は夜間や明け方に起こりやすく、
走ったりして体を動かした後や
かぜを引いた時にも現れることがあります。
ただし昼間の喘鳴は夜間や明け方に比べると軽い場合があるので、
小児ぜんそくが疑われる時は呼吸音だけでなく、
息苦しくなっていないかをよく観察する必要があります。


■小児ぜんそくの原因

小児ぜんそくの患者さんは台風が近づく、
急に寒くなる、ほこりを吸うなどで発作を起こします。
その理由は気管支が敏感になることなので、
かぜを引きやすい小さいときに
キチッと早く治すことがとても大切です。
またアレルギー反応で気管支が荒れることがありますが、
その原因はハウスダストです。
ほかにダニ、花粉、食物も関係してくることがあります。
それと乳幼児を中心にRSウイルスという
かぜのウイルスによって後からぜんそくが起きることがあります。


■子どもが小児ぜんそくを起こしたら

もしも子どもがぜんそく発作を起こしたら、
まずは落ち着いて子どもの様子を観察し、
息をゆっくり吐くように声をかけましょう。
さらに少しでも呼吸しやすいように衣服を緩め、
発作が続く時は上半身を起こした姿勢を取ると、
楽に呼吸できることが多いとされています。
そして何よりも大切なのは
ぜんそく発作が例え短時間で治まったとしても、
放置しないで専門医を受診することです。
症状を上手く伝えられない子どもに代わって
保護者が治療の主役になることを心がけましょう。


■小児ぜんそくの治療

ぜんそくの治療は長期的な治療と短期的な治療に分けます。
長期的な治療には吸入ステロイド薬がありますが、
決められた量を決められた期間使えば心配はありません。
短期的な治療にはという点では
発作の時にまず気管支を広げる薬を使います。
ここで大切なのは発作を長引かせると
気道に炎症が残るので早く止めた方がいいということです。
また運動中に発作が起きることがあるので
運動を諦めてしまうお子さんがいますが、
小児ぜんそくであってもきちんと治療することで運動ができて
良い成績を上げているお子さんもたくさんいるので
諦めないでやりたいことをやってほしいと思います。

秋冬の水虫対策

 
今回、秋冬の水虫対策についてお話を伺ったのは、
九州大学病院 皮膚科 講師の辻 学(つじ がく)先生です。

■秋冬の水虫対策について

水虫はこれから秋から冬にかけて増殖力が低下するので、
この時期にしっかり治療すると
撃退できる可能性が高くなってくると思います。
涼しくなったからといって
白癬菌は体から出ていったわけではありません。
来年の夏にまた水虫で悩まないためにもこれからの対策が大事です。


■水虫とは

水虫は白癬菌(はくせんきん)というカビの一種が人の皮膚に侵入して
増殖することで起こります。
白癬菌は皮膚のあらゆる部位に定着して増殖することが可能ですが、
足に発症した場合を水虫と呼んでいます。


■水虫の症状

水虫になると一般的に一番多いのはかゆみですが、
痛みに変わる人もいます。
その他の症状としてジュクジュクとなったり、
それを放置しておくと皮が厚くなってガサガサしたり、
皮がむけるといった状態になります。


■水虫の感染ルート

水虫の原因となる白癬菌は
水虫患者の皮膚から落ちた垢にくっついて
ほかの人への感染のチャンスを待っています。
家族に水虫の人がいる場合は、
床やお風呂上りに使用した足拭きマットなどを介して
他の人へと広がる可能性があります。


■水虫の予防法

水虫の予防方法としては、
まず1日1回は足を洗って清潔にすることが大切です。
また家庭では玄関マットをこまめに取り替えることも大事です。


■爪水虫

白癬菌は皮膚のみならず爪にも侵入することができます。
これを爪水虫と呼んでいます。
単なる爪の変形と思われることが多くてそのまま放置されて
水虫が再発する原因の一つになっていると考えられます。
これまで爪水虫の治療は飲み薬が主体で
その場合には定期的に採血をして
治療を続けていく必要がありましたが
最近では塗り薬が出てきて手軽に治療ができるようになっています。

肝硬変

 
■概要

長い時間をかけて肝臓の細胞が破壊される肝硬変、
患者数は全国に40万人から50万人と推定されています。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど症状が出にくいので、
気づいた時には組織がかなり硬くなっていることもあります。

今回、肝硬変についてお話を伺ったのは、
九州大学大学院 医学研究院 病態制御内科学 准教授の
加藤正樹(かとう まさき)先生です。


■肝硬変の症状

肝硬変の初期は「代償性肝硬変」といって、
壊された肝細胞の働きを残された肝細胞で補うので、
ほとんど自覚症状が出ることはありません。
しかし次第に肝臓の破壊が広がり正常な肝細胞が減ってしまって、
肝臓の機能を十分に補うことができなくなってしまうと
肝硬変の症状が出てくる「非代償性肝硬変」へと進行します。
肝硬変の症状には、むくみや、食欲不振など全身症状の他に、
目や体が黄色くなる黄疸、お腹に水がたまる腹水、
肝臓で除去されなかったアンモニアがもたらす意識障害、
ほか肝性脳症などがあります。
このような状態がさらに進行すると
最終的には肝不全という命に関わる状態に陥ります。


■肝臓とは

肝臓は人体の中で再生能力の高い臓器の1つです。
さまざまな原因で肝細胞が破壊されても
次々と新しい肝細胞が再生されますが、
それと同時に肝臓には繊維成分が沈着していきます。
そのため慢性の肝障害が続くと肝臓は少しずつ繊維化が進み、
ゴツゴツとした石のように硬くなって萎縮していきます。
これが肝硬変です。
肝硬変になると正常な肝細胞が著しく減少して、
肝臓に十分な血液が流れにくくなるため肝機能が低下していきます。


■肝硬変の合併症

肝硬変の合併症として最も注意すべきものが肝臓がんです。
肝臓がんの約8割は肝硬変の肝臓から発生するので、
肝硬変は肝がんの大きな危険因子となります。
また肝臓が硬くなって血液が流れにくくなるため、
逆流した血液が胃や食道の静脈に流れ込むことによって、
静脈が太く拡張した静脈瘤ができることがあります。
胃や食道の静脈瘤は薄くてもろいので
傷つくと大出血を起こすことがあります。
肝硬変で亡くなる患者さんの半数以上が肝臓がんともいわれていて、
肝臓がん、肝不全、食道静脈瘤の破裂による消化管出血が、
肝硬変の患者さんの3大死亡原因とされています。


■肝硬変の原因

肝硬変は慢性肝炎の状態が長く続くことによって発症しますが、
その原因で最も多いのが肝炎ウイルスです。
B型肝炎とC型肝炎を合わせると肝硬変のおよそ6割に及びます。
続いて多いのがアルコールによる肝障害や脂肪肝ですが、
最近はお酒を飲まなくても肥満や糖尿病に合併して起こる
NASH(ナッシュ)非アルコール性脂肪性肝炎が増えています。
NASHは脂肪肝のおよそ1割を占め、
5年から10年で5人に1人が肝硬変になることから、
肝硬変の原因として大きな注目を集めています。


■肝硬変の治療

肝硬変になってしまった場合、元の柔らかい肝臓に戻す根本的な治療法はありません。
しかし肝炎から肝硬変になるには数年から数十年かかるので、
その間にもともとの肝臓の病気をきちんと治療することで肝硬変を予防できます。
しかしウイルス性肝炎や脂肪肝では症状がほとんどないので
病気があるのを知っているのに放置している人が少なくありません。
特にウイルス性肝炎は、最近では飲むだけでウイルスを除去できる薬や、
除去できなくても進行を止める薬ができているので
ウイルス性肝炎の人はぜひ病院を受診して下さい。
治療することで肝臓は少しずつ柔らかくなっていくことが分かっているので、
アルコールが原因の場合はお酒の量を減らすこと、
脂肪肝が原因の場合は食事と運動療法によって体重を減らすことが
肝臓の回復に役立つとされています。

そけいヘルニア

 
今回、そけいヘルニアについてお話を伺ったのは、
田川市立病院 病院長の鴻江 俊治(こうのえ しゅんじ)先生です。

■そけいヘルニアとは

体の中の正しい位置にあるべきものが
よそに飛び出た病態をヘルニアといいます。
一方、そけいとは足の付け根の部分をいいます。
従って、そけいヘルニアとは
腸がそけいの部分でお腹の中から筋肉の間を通って
皮膚の下に飛び出してくるような病気をいいます。
正式な病名はそけいヘルニアですが、
一般には“脱腸”として知られています。
毎年10数万人が手術を受けていて、
国内では最も多く外科手術が行われている病気とされています。
体の構造上から男性に多く、
患者さんのおよそ80%が男性といわれています。


■そけいヘルニアの要因

そけいヘルニアが起こる最も大きな要因は加齢です。
40代以降で筋肉が衰えてくるとなりやすくなります。
足の付け根辺りにある筋肉や筋肉を包んで守る筋膜は
加齢によって衰えてくるとすき間ができてしまい、
そこに腸が飛び出ることでそけいヘルニアが起こります。
また、そけい部に強い圧力が加わることも発生の要因になるので、
重い物を持つ仕事の人、長時間の立ち仕事の人などにも多く見られます。
乳幼児にもそけいヘルニアは多く見られますが、
これは生まれつきによるものです。


■そけいヘルニアの症状

そけいヘルニアが起こると、すき間に腸がはみ出ることで
足の付け根にポコッとした膨らみがあるのに気がつきます。
触ってみると柔らかく、手で押し戻したり、
横になったりすると引っ込んで、もとの位置に戻ります。


■しかし…

そけい部の膨らみがだんだんと大きくなって
痛みが出てくるようになると問題です。
特に膨らんだものが戻せなくなって
痛みが持続する嵌頓(かんとん)ヘルニアになると
緊急手術が必要です。飛び出した腸が締め付けられて壊死に陥り、
腹膜炎などを起こす命にも関わるような状態になります。


■そけいヘルニアの治療

そけいヘルニアの治療は手術になります。
すき間や穴のところに、「メッシュ」と呼ばれるシートを入れて、
腸がはみ出してくるのを防ぎます。
メッシュシートは人工の合成繊維でできていますが、
体の中に植え込まれても大きな問題にはなりません。
ヘルニアの治療は通常は2〜3日の短い入院期間で済みます。
手術は比較的簡単なもので、日帰り手術を行っている病院もあります。
ただし嵌頓(かんとん)ヘルニアになったら腸の切除が必要になる場合もあるので、
膨らみが戻らずに痛みが続くときには急いで病院に行ってください。

脂質異常症

 
■概要

心臓病や脳卒中など、動脈硬化による病気が日本人の死因の4分の1を占める昨今、
動脈硬化の予防と治療なくして私たちの健康は守れません。
そこで注目を集めているのが
動脈硬化の大きな原因となる脂質異常症です。
厚生労働省の調査では、
脂質異常症で継続的に治療を受けている患者の数は、
全国に200万人以上と推計されていて、
その数は年々増加傾向にあります。

今回、脂質異常症についてお話を伺ったのは、
福岡大学医学部 心臓・血管内科学 主任教授の
三浦伸一郎(みうら しんいちろう)先生です。


■脂質異常症とは

脂質異常症とは血液中の悪玉と呼ばれるLDLコレステロールが増えたり、
中性脂肪が増え、善玉のHDLコレステロールが減り過ぎて、血液が脂でドロドロとなる状態です。
脂質異常症は自覚症状が出た時にはすでに
心臓、脳、下肢の動脈硬化が進み、
突然、脳梗塞のような脳動脈疾患や
狭心症・心筋梗塞などの冠動脈疾患を引き起こすため、
高血圧と同様に「サイレント・キラー」と呼ばれ、
とても怖い病気です。


■コレステロール

コレステロールには善玉と悪玉がありますが
実はどちらも全く同じものです。
LDLという粒子の状態で血流に乗って全身に運ばれ、
細胞やホルモンの材料になるのがLDLコレステロールで、
増え過ぎると血管の壁に溜まって動脈硬化を引き起こすため
悪玉と呼ばれています。
一方、HDLという粒子の状態で血液中を移動しながら、
余分なコレステロールを回収するのがHDLコレステロールで、
動脈硬化を抑えるため善玉と呼ばれています。


■中性脂肪

中性脂肪は体内で糖分の次に消費されるエネルギー源です。
中性脂肪が多過ぎると肝臓に貯まって脂肪肝を招くだけではなく、
悪玉のLDLコレステロールと同じように
血管の壁に溜まって動脈硬化を進めます。


■脂質異常症の要因

脂質異常症は肥満や食べ過ぎ、
運動不足といった生活習慣の乱れが原因と考えられています。
また遺伝的に悪玉コレステロールが多い
「家族性高コレステロール血症」は
生活習慣に関係なく発症します。
家族や近親者の中に脂質異常症の人がいるか、
55歳未満の男性・65歳未満の女性に
心筋梗塞を起こした人がいる場合は、
早めに病院で血液検査を受けて、
コレステロールの値を調べることが大事です。


■放置すると

脂質異常症を放置すると動脈硬化が進行しますが、
他の危険因子が重なるとそのリスクが高まります。
最も注意すべきなのが高血圧で、
動脈に強い圧力がかかり続けるために血管の内壁が傷つきやすく、
その傷口からLDLコレステロールが入り込んで動脈硬化が進みます。
さらに糖尿病で血糖値の高い状態が続くと
LDLコレステロールが小さくなって
血管壁の中に入り込みやすくなるので
動脈硬化がますます進行します。
また喫煙は動脈硬化を抑えるHDLコレステロールを減らすため、
脂質異常症の患者さんにとって動脈硬化の大きな危険因子になります。


■脂質異常症の治療

脂質異常症の治療は動脈硬化の進行を抑えることを目的に、
禁煙、食事療法、運動療法による生活習慣の見直しから始められます。
食事療法はLDLコレステロールの高い人は
動物性脂肪を減らして食物繊維を増やす、
中性脂肪の高い人は糖質やアルコールを控える、
運動療法はウォーキングなどの有酸素運動を行う、
といったことを主治医の指示に従って継続することが大切です。
それでも脂質管理の目標が達成できない場合や、
家族性高コレステロール血症と診断された場合は
動脈硬化が進行するリスクが高いので、ただちに薬物療法を行います。
治療薬には主に悪玉のLDLコレステロールを抑える薬と中性脂肪を抑える薬がありますが、
薬の十分な効果を期待するには並行して禁煙、食事療法、運動療法を続ける必要があります。


■脂質異常症の予防

脂質異常症を防ぐには何よりも食生活を改善することが大切です。
ご飯やパンは脂質が少ないので、
まずは主食をきちんと食べることが重要です。
そして肉よりも悪玉コレステロールを減らす栄養素が多い青魚を増やしましょう。
また植物性タンパク質は血液中のコレステロールや中性脂肪を減らして
食物繊維は腸内でコレステロールや中性脂肪の吸収を妨げるので、
豆類や野菜を積極的に食べるように心がけて下さい。

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