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膀胱がん

 
■概要

がんは全身のさまざまな臓器にできますが
膀胱も例外ではありません。
膀胱がんは男性が女性のおよそ4倍も多く、
初期の段階で切除しても
再発を繰り返しやすいという特徴があります。                
今回、膀胱がんについてお話を伺ったのは、
原三信病院 泌尿器科 主任部長の
横溝 晃(よこみぞ あきら)先生です。


■膀胱がんの症状

膀胱がんの典型的な症状は
痛くも、しみる感じもないのに赤い尿が出るというものです。
真っ赤なものもありますが、
赤ワインのような黒っぽい尿が出ることもあります。
血尿がなくても健診などで尿に血が混じっている反応が出て、
精密検査の結果、膀胱がんが見つかることもあります。
さらに上皮内(じょうひない)がんという特殊な膀胱がんでは、
頻尿、排尿時痛、尿意切迫感といった
膀胱刺激症状があらわれることもあります。
これらの症状は急性膀胱炎とよく似ていますが、
抗生剤を服用しても改善されないという特徴があります。
悪性度の高い膀胱がんは進行が早いことがあります。
血尿が出たばかりとか、
血尿が薄いというだけでは必ずしも早期ではありません。
血尿が1度でも出たら泌尿器科の受診をおすすめします。


■膀胱がんの原因

膀胱がんの原因で現在確認されている最大の原因は喫煙です。
たばこを吸う人は吸わない人と比べて
2倍から4倍も発症リスクが高まるといわれていて、
膀胱がんを患う男性の50%以上、女性の30%以上は
喫煙によってがんが発生したと考えられています。
また特定の染料や化学物質が膀胱がんを引き起こすことが分かっていて、
それらを扱う職業の人に多く発生しています。


■膀胱がんの診断

膀胱がんの診断で最も重要なのは膀胱鏡の検査です。
内視鏡の検査で、
先端にライトとカメラがついた柔らかい管を尿道から挿入して、
膀胱の中を直接観察します。
そのことによって、がんがあるかどうかが正確に分かります。
その他の重要な検査は、
尿の中にがん細胞が入っていないか検査する尿細胞診、
膀胱に尿をためた状態で膀胱を観察する超音波検査などです。
いずれにしても膀胱がんが疑われる場合には膀胱鏡検査が必要です。
膀胱鏡の検査は外来で行うことができて事前の準備もありません。
4〜5分程度で終わる検査です。


■膀胱の仕組みと膀胱がんの種類

膀胱は尿を一時的にためておく袋の役割を持つ臓器で、
その内側は尿路上皮(にょうろじょうひ)と呼ばれる粘膜で覆われています。
膀胱がんのほとんどはこの粘膜の細胞ががん化しますが、
がんの深さに応じて表在性がんと浸潤(しんじゅん)性がんに大きく分けられます。
表在性がんは粘膜内にがんがとどまっている状態で、
膀胱の内側に向かって表面が隆起したり、
粘膜の中にがん細胞が散らばるように広がったりします。
浸潤性がんは粘膜の外にある筋肉の層にまで深く入り込んでいるがんで、
膀胱の外の組織へ広がって、
リンパ節や骨、肺、肝臓などへ転移する危険性があります。


■膀胱がんの治療

膀胱がんの治療は膀胱がんが筋肉まで広がっているかどうかで大きく異なります。
がんが粘膜に中でとどまっている場合には尿道から内視鏡を挿入して、
電気メスで膀胱の腫瘍を削り取る手術を行います。
通常1週間程度の入院で済みます。
ただし、がんがきれいに切り取れた場合でも再発することが多いので、
その後は定期的に外来で膀胱鏡の検査などを受ける必要があります。
筋肉まで広がっている浸潤性の膀胱がんは
膀胱を全部摘出する手術が必要です。
これは患者さんに負担の大きな大手術になります。
2018年の4月からはロボット支援膀胱全摘除術が保険適用になりました。

インフルエンザ

 
今回、インフルエンザについてお話を伺ったのは、
原土井病院 総合診療センター長・九州大学名誉教授の
林 純(はやし じゅん)先生です。


■インフルエンザについて

インフルエンザは一般的にはA型とB型がありますが、
A型は例年11月から12月にかけて流行し、
かかると38度以上の高い熱が出ます。
B型は2月ごろに流行し、
一般的に高い熱には見舞われません。
両者に共通する症状は全身の倦怠感と関節の痛みです。


■高齢者の症状の特徴

インフルエンザにかかっても高齢者の半分は高熱が出ません。
また40%ぐらいは全身の倦怠感もありません。
これらの理由として、
高齢者は今までに何度かインフルエンザにかかっていると思われ、
抵抗力を少し持っていると考えられます。
それでインフルエンザウイルスに感染しても
症状が軽いのではないでしょうか。
一方で、高齢者は合併症として肺炎を起こしやすく、
死に至ることもあるので注意が必要です。


■感染ルート

インフルエンザの主な感染ルートは
かかった人の咳やくしゃみなどで
放出されたウイルスを吸い込む飛沫感染です。
ウイルスが口や鼻から入ってきて
咽頭の粘膜にくっついてそこで数を増やします。
通常、インフルエンザは感染してから1〜2日で発病します。


■予防法

一番に推奨しているのは予防接種です。
予防接種によって咽頭にあるリンパ球がウイルスに対して抵抗力を持ち、
ウイルスが体内に入ってきても退治してくれます。
ただし予防接種は受けてから効果を発揮するまで
2週間程度を必要とするので早めの接種をおすすめします。
外から帰ってきたら手洗いとうがいも大事です。
また最近では腸内細菌を元気にすると免疫力が高まって
いろいろな感染症にかかりにくいといわれています。
抗酸化作用のある野菜、腸内環境を整える働きがあるとされるヨーグルトなどが有効という話もあります。

頭痛とくも膜下出血

 
■概要

くも膜下出血はひと度発症すると社会復帰できるまでに
回復するのは3分の1と言われていて、
3分の1に重い後遺症が残り、
3分の1が死に至る恐ろしい病気です。
朝晩がめっきり寒くなったこの季節、
風邪をひいて頭が痛いと思っていたら
実はくも膜下出血だったということも。
たかが頭痛と思いがちですが、もしかしたら体からのSOSかも…

今回、頭痛とくも膜下出血についてお話を伺ったのは
福岡大学病院 救命救急センター 脳神経外科 准教授の
岩朝光利(いわあさ みつとし)先生です。


■頭痛とくも膜下出血について

くも膜下出血の症状で特徴的なのは
今まで経験したことがないような頭痛で、
経験された患者さんは
「突然、バットで後頭部を強く殴られたような痛み」といわれます。
一般的にはそのまま倒れて、
救急車を呼ばなくてはいけない状況が特徴と思われますが、
中には風邪をひいたりした時に起こすような軽い頭痛のこともあります。


■くも膜下出血とは

私たちの脳は髄膜(ずいまく)で覆われていて、
外側から順に硬膜(こうまく)・くも膜・軟膜という三層構造になっています。
くも膜と軟膜の間には脳脊髄液で満たされた
くも膜下腔(くもまっかくう)と呼ばれる隙間があり、
脳に栄養を運ぶ血管が張り巡らされています。
くも膜下出血は血管の奇形や脳腫瘍が原因で起こることもありますが、
最も多いのが血管にできたコブ「動脈瘤」の破裂です。
動脈瘤がなぜできるのかはっきりとした理由は分かっていませんが、
くも膜下出血に関する高血圧患者の死亡リスクと喫煙者の発症リスクは、
どちらもおよそ3倍になることが分かっていて、
高血圧と喫煙習慣がくも膜下出血の2大リスクとされています。
くも膜下出血は40歳から60歳にかけては男性に多く、
60歳以降は女性に多い傾向があります。


■くも膜下出血の特徴

頭の中は硬い頭蓋骨で囲まれた閉鎖的な空間で、
血管が破れたことで体積が急激に膨張すると硬膜が刺激を受けます。
これは「髄膜刺激症状」と言われ、
このことによって突然、頭痛が起こります。
出血の量が多いほど頭痛は強くなります。
また、くも膜下出血は発症の数日前から警告症状が現れることがあります。
比較的痛みの軽い頭痛が何日も続き、
横になっても頭痛薬を飲んでも治まりません。
これは動脈瘤から少量の出血が起こるからだと考えられていて、
出血そのものはいったん止まりますが、
早く治療しないと再び出血することが多く、
2回目の出血では重症化しやすくなります。
さらに頭痛というより目の奥が痛んだり、
首の付け根辺りに痛みを感じたり、首すじが硬直したり、
吐き気やめまいが併発するような頭痛は
くも膜下出血の警告症状かもしれません。


■くも膜下出血の治療

くも膜下出血の治療は
破れた動脈瘤から再び出血しないようにするのが大前提です。
治療法には、
頭を開け顕微鏡を使って脳動脈瘤の根っこ部分に医療用のクリップをかける「開頭クリッピング術」、
頭を開けず、足の付け根からカテーテルという細い管を入れて、
血管内から詰め物をして再破裂を防ぐ脳血管内治療
「コイル塞栓術」があります。
どちらを選択するかは破裂したこぶの形、大きさ、場所、
患者さんの健康状態などを総合的に判断して決めます。

認知症と難聴

 
今回、認知症と難聴についてお話を伺ったのは、
田北メモリーメンタルクリニック
院長の田北 昌史(たきた まさし)先生です。


■認知症と難聴

認知症はお歳をとってくるとだんだん増えてきます。
難聴もやはりお歳をとることによって
症状が出てくる方が増えてきます。
その2つが最近、
深い関係があるのではないかということが分かってきました。


■認知症とは

認知症とは脳のさまざまな疾患によって
認知機能が衰えてくるというもので、
進行すると日常生活に支障をきたすようになります。
厚生労働省の大規模な研究では、
2012年の時点で全国の認知症高齢者数は
462万人と推定されました。
いわゆる“団塊の世代”(昭和22〜24年ころ、
“第一次ベビーブーム”生まれ)の人たちが
後期高齢者(※75歳以上)になってくるのが2025年だといわれます。
2025年には認知症の患者さんが
700万人になるのではないかと推定されています。
患者さんが非常に多くなるので、
認知症の問題は医学だけの問題ではなくて
一種の社会問題にもなっています。
現在、国は認知症の高齢者が
住み慣れた地域で自分らしく暮らせることを目指して、
“新オレンジプラン”といわれる取り組みを進めています。


■難聴とは

難聴は、いわゆる聴力が衰えてくるものです。
お歳をとるにつれて聴力が落ちてくるというのは
ある程度 生理的なものなので、
聴力が落ちること自体を病気と考えなくてもいいと思いますが、
それによって生活に支障が出てくると
やはり難聴と考えていいのではないかと思います。
また難聴が進んでコミュニケーションがとれなくなることが、
認知症の発症や悪化の一因になることがあります。


■難聴について

難聴になるといろいろなコミュニケーションが取れなくなってきます。
我々が質問をしてもうまく答えられないので、
そういう能力はないのかなと思っていたら、
実は聞こえていないからということもあります。
我々はまず“言葉”で患者さんに質問や検査をします。
すると検査の結果が非常に悪い場合があります。
ところが、目で見たものの検査とかは結果が非常にいい方もいます。
そういう方に、よく聞こえるように
コミュニケーションを工夫してもう一度検査を行うと、
意外に点数がよくなったりすることがあります。
そういう方は聞こえないから分からないように見えていただけであって、
案外、ちゃんと聞こえるといろんなことができる場合があります。
ですから“聞こえのコミュニケーション”をうまくとるというのは非常に大切だと思います。

※トライではグループホームで、難聴を伴う認知症の方々が
難聴者向けのスピーカー“コミューン”を使って かるたを楽しむ様子を紹介しました。

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