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高齢者の骨折

 
今回、高齢者の骨折についてお話を伺ったのは、
福岡大学病院整形外科 足の外科・下肢再建外科班 医師の
金澤和貴(かなざわ かずき)先生です。

■高齢者の骨折の特徴

高齢者の骨折は骨そのものがもろくなって起こる脆弱性骨折が多いのが特徴です。
太ももの付け根、背骨、肩、手首などに発生しやすく、
男性よりも女性に多い傾向があります。
特に太ももの付け根に生じる骨折は大腿骨頸部と転子部に分類されます。
両者ともに車イスや寝たきりのきっかけになることが多く、
毎年10万人以上に発生しています。
さらにその中の約10%が1年以内に様々な合併症を起こして死亡していて、
今、社会的な問題になっています。


■高齢者の骨折とは

高齢者の骨折は骨粗しょう症でもろくなった骨と筋力やバランス機能の低下で
転びやすくなることが影響しています。
骨粗しょう症は骨の新陳代謝のバランスが崩れて、
骨の内部がスカスカになってしまう病気です。
閉経後の女性に多く、発症するとつまずいて手や肘をついたり、
くしゃみをしたりといったわずかな衝撃で骨折してしまうことがあります。
また年をとると足をスムーズに出しにくくなり、
足を上げる筋力も衰えてすり足のような歩き方になるので、
小さな段差や平らな場所でも簡単につまずきます。
さらに反応も鈍くなっているので、
少しつまずいただけでそのまま転倒してしまいます。
衝撃を和らげるような受け身もとれずに
無防備な体勢のまま勢いよく倒れ込んでしまうため、
転倒した時のケガも大きくなります。


■高齢者の骨折の対策

高齢者の骨折は予防が何より大切で、
まずは定期的に検診を受けて骨粗しょう症の程度を確認し、
必要があれば内服薬や注射による治療を受けて下さい。
特に女性は閉経したら要注意です。
骨を丈夫にするためにカルシウムやビタミンD、タンパク質などの栄養をしっかり摂って、
日光浴をしたり、散歩などの軽い運動で筋力を維持することを心がけて下さい。
さらに高齢者はちょっとした段差でもつまずくことがあるので、住環境のバリアフリー化を進めたり、
階段や浴室に手すりをつけたりするなどして転倒防止に努めて下さい。


■大腿骨の骨折

高齢者が転倒して起き上がれない時、
最も多い原因は大腿骨の骨折です。
特に骨盤を支える大腿骨の根元を骨折するとその直後から太ももの付け根が激しく痛み、
立つことや歩くことができなくなります。
さらに体内で出血が起こってショック状態になることがあり、見過ごすと命が危険にさらされます。
顔色が真っ青になったり冷や汗をかいたり、
ぐったりとして脈や呼吸が速くなるようなら
直ちに救急車を呼びましょう。
大腿骨を骨折した患者さんの多くは痛くて歩けない状態なので、
問診で転倒を確認できればまず大腿骨骨折を疑います。
特に大腿骨転子部骨折は極端な内股やがに股になっていて、
ちょっと触っただけでも激痛が走るというのが典型的な症状とされています。
しかし骨折しているのに骨のズレがないような骨折の程度が軽い場合は歩くことができるので、注意が必要です。


■骨折の治療

骨折の治療には主に保存療法と手術療法があります。
保存療法は患部を固定して数週間から数ヵ月間安静にすることで、
骨が自然に接合するのを待ちます。
ただし高齢者の場合は長期の安静によって筋力が低下したり、
認知症や肺炎を発症したりして、
かえって寝たきりになってしまうケースが少なくありません。
そのためできるだけ手術療法を選択して、
早期からリハビリを始めることで寝たきりを防ぐという治療方針が一般的です。

大腿骨頸部骨折の手術には大きく2通りの方法があります。
骨折部のズレが大きい場合は骨折した部分から先を切除して、
人工物に置き換える人工骨頭置換術を行います。
もう1つは骨折部のズレが少ない時に行う骨接合術で、
折れた骨を金属などの器具で固定してくっつける手術です。
大腿骨転子部骨折はこの骨接合術が一般的です。
骨折の治療はただ骨がくっつけば良いというわけではありません。
手術後に骨が曲がったり短くなったりすれば
日常の動作に支障をきたすので、
きちんと戻す必要があります。
最近は道具や技術の進歩で手術時間が短くなり、
患者さんの体に対する負担も以前に比べて軽くなっています。

腹部大動脈瘤

 
今回、腹部大動脈瘤についてお話を伺ったのは、
国立病院機構 福岡東医療センター 血管外科部長の
隈 宗晴(くま そうせい)先生です。

■腹部大動脈瘤とは

大動脈とは心臓から送り出される血液の通り道で、
直径2cm程度の太い血管です。
腹部大動脈はその中で、
横隔膜から左右の足に分かれる部分までを指しますが、
そこがだんだんとコブのように膨れたものを
腹部大動脈瘤といいます。 
大動脈は心臓から出た血流の強い圧力がかかるので、
その圧力に負けないよう、特別に強い構造になっています。
しかし、さまざまな理由で構造が弱くなってきて
圧力に耐えられなくなると、
少しずつ膨らんでくるといわれています。


■動脈硬化との違いは

動脈硬化とは血管の老化現象で、
高血圧や高脂血症といった生活習慣病が原因ですが、
腹部大動脈瘤のもっとも大きな原因は加齢で、
動脈硬化との関連は少ないとされています。
また動脈硬化は糖尿病の人に多いのですが、
腹部大動脈瘤では糖尿病の人は少ないとされています。


■腹部大動脈瘤の検査

腹部大動脈瘤は通常では自覚症状がほとんどありません。
人間ドックなどでCTやエコー検査を受けた際に偶然見つかることがほとんどです。
ただしコブが次第に大きくなってくると破裂する前兆の症状として
人によっては腹痛や腰痛があらわれることがあります。
コブが破裂すると出血多量によるショック状態から死に至ることもあります。


■腹部大動脈瘤の治療

腹部大動脈瘤によってできたコブが
正常な大動脈の2倍以上の幅となる5cmを越えると
手術による治療が必要です。
手術は、ひとつは昔から行われている人工血管を使ったバイパス術で、
お腹を開いて動脈瘤の部分を人工血管に交換します。
もうひとつは「ステントグラフト内挿術」という血管内治療で、
カテーテルという細い管に取り付けた人工血管を足の動脈から入れて、
動脈瘤の部分に据え置くものです。
ステントグラフト内挿術のメリットは
傷が小さいので回復が早いということです。
また高齢者や、心臓病・肺疾患などで体力が落ちた患者さんに対しても体への負担が少なく、比較的安全に行える治療法です。


■腹部大動脈瘤の予防・対策

たばこが良くないといわれているので、喫煙者は禁煙をしましょう。
また高血圧があれば運動や医師の指示による薬物療法で血圧を適正な値にしましょう。

口唇ヘルペス

 
今回、口唇ヘルペスについてお話を伺ったのは、
福岡大学医学部皮膚科 主任教授の
今福信一(いまふくしんいち)先生です。


■口唇ヘルペスとは

口唇ヘルペスは単純ヘルペスウイルスというウイルスの感染症で、
感染して体内に免疫ができても、
体調が悪くなったりすると再発をくり返すという特徴があります。
単純ヘルペスウイルスに感染している人は日本人の約半数に及び、
年齢が高くなるほど感染している率も上がってくることが分かっています。
70歳になるとおよそ9割の人が感染していると考えられていますが、
感染しても口唇ヘルペスの症状を出す人はそれほど多くはありません。
ただし最近は子どもの感染率が低下しているため、
免疫を持たない若い世代が増えています。
大人になって初めて感染して重い症状を呈する患者さんもいます。


■口唇ヘルペスの症状

口唇ヘルペスは基本的に4つの段階を経て進行していきます。
最初は患部にチクチク、ピリピリ、ムズムズといった違和感を感じたり、
かゆみやほてりを覚えたりしますが、見た目には異常はありません。
その後、半日ほど経過すると患部が赤く腫れます。
この段階はウイルスの増殖が活発な時期で、
治療の効果が最も高いとされています。
1日から3日が過ぎると患部に水ぶくれができます。
中には大量のウイルスがいるので、
水ぶくれが破けると感染のリスクが高まります。
やがて患部が乾いてかさぶたとなり、
発症から2週間ほどで自然に治ります。
再発の場合は軽症で済む事が多いですが、
初感染の場合は水ぶくれが大きく広がったり発熱したりして重症化することがあります。


■口唇ヘルペスの感染

口唇ヘルペスを引き起こす単純ヘルペスウイルスは主に接触によって感染します。
基本的に口や目などの粘膜から感染しますが、
皮膚に小さな傷や湿疹がある場合には、
直接皮膚から感染することもあります。
特に目に感染すると角膜ヘルペスという症状を起こして、
人によっては長く続く病気になることがあります。
発症中は患部に触れた指で目を触ったり
コンタクトレンズを唾液で塗らして装着したりしてはいけません。
また水ぶくれが破れると中のウイルスが飛び散るだけではなく、
患部に二次的に細菌が感染して痕が残ったりする場合があるので、
水ぶくれは触らないように注意して下さい。


■単純ヘルペスウイルス

単純ヘルペスウイルスは1度感染すると、
頭部の太い神経が集まっている三叉神経節に潜伏するのが特徴で、
症状が治まってもウイルスが体から消え去ることはありません。
普段は三叉神経節でじっとしていますが、
発熱や疲労、ストレス、月経、紫外線などの刺激で体の免疫力が落ちると、
単純ヘルペスウイルスは再び活性化して増殖します。
そして神経細胞の中を通り、唇やその周りに移動して再発します。


■口唇ヘルペスの治療

口唇ヘルペスを治すには塗り薬や飲み薬の抗ウイルス薬を使いますが、
抗ウイルス薬はウイルスの増殖を抑えるだけで、
潜伏したウイルスを殺す作用はありません。
治療の目標は症状を軽くすることや早く治すことになります。
最近では、塗り薬は薬剤師が管理するドラッグストアでも購入できますが、
これは過去に病院で口唇ヘルペスと診断された人に限って使用が許可されている、
再発に対する治療薬です。
実はヘルペスと似た症状の病気は他にも色々あります。
そういう病気にはもちろんこの塗り薬は効かず、
初めての感染で重症な人にも十分な効果はありません。
口唇ヘルペスは早く治療するほど症状が軽く済んで回復が早まるので、
症状の兆しが現れたら早めに皮膚科を受診して診断と治療を受けてください。

外反母趾

 
今回、「外反母趾」についてお話を伺ったのは、
国立病院機構 九州医療センター 整形外科 医師の
嘉村聡志(かむら さとし)先生です。


■外反母趾とは

外反母趾とは足の指の変形の一種で
親指の先が外側に向いて曲がってしまうものです。
進行すると足の親指の内側が出っ張ることで靴に当たって痛くなる、
歩きづらくなるといった症状を起こす可能性があります。
さらに親指の変形によって隣の人差し指や中指のつけ根に負担がかかってタコができ、
普段履いている靴が履けなくなったり、歩くのが困難になったりします。


■外反母趾の特徴

外反母趾は男性よりも女性の方がなりやすいといわれています。
その原因のひとつがハイヒールを履く機会が多いということです。
また女性は一般的に関節が柔らく、骨を支える筋力も弱いことから
外反母趾になりやすいと考えられていて、
実際に手術を受けたおよそ8割が女性といわれています。
さらに性別に関係なく、生まれつき偏平足の人、
足の親指が一番長い「エジプト型」の足の人は外反母趾になりやすいとされています。


■外反母趾の診断

外反母趾が疑われる場合ではまずレントゲンを撮って
患部の角度を測って20度以上であれば外反母趾と診断されます。
20度から30度は軽度、30度から40度は中等度、
40度以上は重度の変形と定義されています。


■外反母趾セルフチェック

紙の上に足を置き、踵の内側と親指の付け根に定規を当てて線を引きます。
次に親指のラインを引き2つの線が交わったところを分度器で測ります。
その値が15度以上であれば一度、整形外科で診てもらうことをおすすめします。


■外反母趾の注意点

外反母趾はある程度進んでしまうとなかなか戻らないので、少し痛みが出てきた状態や、
自分で「ちょっと曲がってないかな」と不安になった時には病院を受診しましょう。
また家でできるような足の運動によって筋肉をほぐしたり強化したりすることで
予防ができる可能性があるのでやってみた方がいいと思います。


■外反母趾の治療法

外反母趾の主な治療は専用の器具を使った装具療法です。
種類はいろいろありますが、中でも患部をサポーターでしっかり固定して
曲がった骨を元の位置に戻す方法が最もよく行われます。
また中等度以上に進んでしまうと装具療法ではなかなか難しいので矯正の手術を行います。
手術は100種類以上方法がありますが、骨を切って向きをかえて矯正するのが一般的です。
骨が安定するのに2〜3ヵ月程度かかりますが、
その後は普通に歩けて通常の靴も履けるようになると思います。


■外反母趾の予防法

外反母趾にならないためには自分の足に合う靴を選ぶことがなにより大切です。
新年度からパンプスを履くという新社会人のアナタ。
自宅ではできるだけ素足で過ごすなどして、なるべく足を締め付けないよう気をつけてください。

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