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不定愁訴

 
今回、不定愁訴についてお話を伺ったのは、
福岡大学博多駅クリニック 総合診療部 医師の
武岡宏明(たけおか ひろあき)先生です。


■不定愁訴とは

不定愁訴とは患者さんがいろいろな症状を訴えて検査をしても
異常がほとんど見つからず、
原因を特定できない状態をいいます。
不定愁訴は男女を問わずいろいろな世代に起こりますが、
20〜30代の女性に多い傾向があります。


■不定愁訴の症状

不定愁訴の症状は人によってさまざまですが、
比較的多いのが頭痛や腹痛、動悸、
不眠、微熱、めまい、耳鳴り、
倦怠感、食欲不振、手足のしびれなどで、
これらの症状が現れたり治まったりをくり返すことがあります。
さらに症状の現れ方もさまざまで、
例えば頭痛と腹痛のように異なる症状が同時に出たり、
頭痛が治ったら次は腹痛というように次々と症状が出たりします。
また、たいして気にならないほど症状が軽いこともあれば、
日常生活に支障をきたすほど強く現れることもあります。


■不定愁訴の原因

不定愁訴はいろいろな要因が重なって起きることがあります。
たとえばストレスや疲労の蓄積による自律神経の乱れ、
女性であれば更年期によるホルモンの乱れ。
ほか、老化に伴う体力や認知機能の低下も要因になります。
ただ不定愁訴の背景には悪性腫瘍、神経疾患、自己免疫的な病気、
甲状腺などの病気が隠れていることがあるので、
体調不良が続く場合は医師の診察をきちんと受けましょう。


■不定愁訴の対処

不定愁訴の対処法としてまず取り組みたいのが
生活習慣の見直しです。
特に十分な睡眠と栄養バランスの取れた食事は
自律神経の乱れを改善するのに効果的です。
また日常生活の中でなるべく体を動かしたり、楽しく過ごしたり、
体の不調にとらわれすぎないでリラックスすることも症状を和らげる効果があります。


■不定愁訴の治療

不定愁訴は原因がよく分からないことが多いので、
症状の緩和を目的として治療が行われます。
たとえば漢方療法で体質改善などを目的として
症状を落ち着かせたり、
ホルモンが少なければホルモン補充療法を行ったりします。
ただし、中には症状に対して不安が強い人もいるので
カウンセリングを行ったり、
睡眠薬や精神安定剤を処方することがあります。


■まとめ

不定愁訴は何となく調子が悪いなど非常にあいまいな症状が多くて、
このような症状で病院に行っていいのかと考えている人も少なくないと思います。
その場合はぜひ、かかりつけ医を見つけて欲しいです。
気心の知れた医師であれば気さくに話せるので
何でも相談しやすいと思います。
自宅や職場に近い所で通いやすい病院やクリニックを見つけてください。

慢性腎臓病

 
今回、慢性腎臓病についてお話を伺ったのは、
ひびきクリニック 院長の椛島 成利(かばしま なるとし)先生です。

■慢性腎臓病とは

慢性腎臓病とは自覚症状がないままに
徐々に腎臓の働きが低下していく病気です。
英語にした場合の頭文字をとって“CKD”とも呼ばれています。
“CKD”慢性腎臓病は腎臓の機能が少し落ちている、
尿にタンパクや血液が混じる、
画像診断で不具合が見られるといったことが3ヵ月以上続くと
診断されます。
今、国内では1300万人、
成人の8人に1人がこの病気であると考えられていて、
患者数が多いこと、増えていることから
“新たな国民病”といわれています。


■腎臓とは

腎臓はソラマメのような形をしていて、
大きさは握りこぶしくらい、
お腹の後ろ側に背骨を挟んで左右に1つずつあります。
腎臓のもっとも大事な働きは
体の中に溜まった老廃物を尿として排泄し、
血液をきれいにすることです。
その他にもさまざまなホルモンを分泌して貧血を防ぐ、
血圧を適正にコントロールする、
ビタミンDを活性化させて骨を丈夫に保つなど、
多くの働きがあります。


■慢性腎臓病の原因

慢性腎臓病の原因として腎臓自体の病気もありますが、
最近では乱れた生活習慣や、
それらを原因として起こるさまざまな生活習慣病が注目されています。
かつて腎臓の病気は
生活習慣とはあまり関係がないとされてきました。
しかし最近では、
高血圧や糖尿病等を原因とする腎臓病が増えていて、
慢性腎臓病も生活習慣病のひとつとして考えられています。


■慢性腎臓病の症状

慢性腎臓病になっても初めのうちはほとんど自覚症状がありません。
しかし、ある程度進行すると、夜、トイレに行く回数が増える、
疲れやすい、食欲がなくなる、むくむなどの症状が見られます。
さらに進行して“腎不全”になると
血液中の老廃物を体の外に排出できなくなって
人工透析や腎臓移植が必要になります。
尿にタンパクや血液が混じる、尿が泡立ってなかなか消えない、
夜、頻繁にトイレに行くようになった、
このようなことが続いたら一度、病院を受診しましょう。


■慢性腎臓病の注意点

慢性腎臓病は最近、心筋梗塞や脳梗塞の発症と
密接に関係していることが分かってきました。
さらに人工透析が必要になった人よりも、
透析が必要になる前に筋梗塞・脳梗塞で命を落とす人の方が多いということも分かってきました。
心筋梗塞や脳梗塞は
血管の老化現象である“動脈硬化”によって起こります。
慢性腎臓病が進行すると
血管の老化を防ぐ“血管拡張物質”が減ったり、
交感神経が活性化して血圧の高い状態が続きます。
さらに体を錆びつかせる元となる“活性酸素”が増えることなどから
動脈硬化がより進むとされています。
慢性腎臓病というのは“人工透析になる病気”というよりも、
“心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなる病気”というふうに考えた方がよいと思います。


■まとめ

腎臓はその働きに“予備能力”がかなりあることも手伝って、
病状の初期でははっきりとした自覚症状がなく、
気がついたときには
かなり症状が進行していることも少なくありません。
日ごろの生活習慣に気をつけ、
会社や自治体での健康診断を必ず受けて、
早期に発見し早期に治療するというのが最も重要です。

胃がん

 
■概要

胃がんは国内では毎年10万人以上が発症していて、
以前から日本人は胃がんになりやすいと言われてきました。
その原因の1つとして指摘されているのが日常的な塩分のとり過ぎ。
和食は他の料理と比べて調理にも味付けにも塩をよく使うため、
伝統的に塩辛い味付けを好む地域で
胃がん患者が多い傾向にあります。
患者は50歳前後から増加して、男女とも発症のピークは60代です。

今回、胃がんについてお話を伺ったのは、
国立病院機構 九州医療センター 消化管外科部長の
坂口善久(さかぐち よしひさ)先生です。


■胃がんとは

胃がんは日本人に多く、男性の約10人に1人、
女性の約20人に1人はなると言われています。
胃がんは炎症や萎縮を起こした粘膜から発生します。
そして数年をかけて胃の壁に深く入り込んで進行していきます。
また進行に従い、リンパ節などへの転移をきたす危険も多くなります。


■胃がんの原因

胃がんは胃の粘膜の慢性的な炎症がきっかけで発生します。
例えば刺激の強い食べ物や過剰な塩分は胃の粘膜を
傷つけてしまうので、胃がんの原因になることが分かっています。
また50歳以上の8割近くが感染しているヘリコバクターピロリ菌は、
胃の中に住み着いて粘膜を傷つけ、
慢性的な胃炎や胃粘膜の萎縮を引き起こします。
感染している人の全てが胃がんになるわけではありませんが、
医学的に確実な発がん因子と認められていて、
胃がんの95%以上はピロリ菌感染が原因だと考えられています。
さらにたばこを吸うと、
たばこに含まれている発がん性物質が唾液に溶けて胃に入るので、日常的な喫煙も胃がんの発症リスクを高めます。


■胃がんの症状

胃がんは早期の段階では自覚症状がないことがほとんどです。
またある程度進行しても症状が全く出ないこともあります。
症状があるとしても上腹部の不快感あるいは痛み、吐き気、
食欲不振、胸焼けなど、胃がんに特有のものではありません。
胃炎や胃潰瘍でも同様の症状を呈するため
市販の胃薬などで対処し、
病院に行かないことで診断が遅れるケースが少なからずあります。
検査をしないと胃がんかどうかは分からないので、
症状が長く続く場合、悪化する場合は
専門医の受診をおすすめします。
また早期の段階での胃がんを発見するためには、
地域や職場での胃がん検診を定期的に受けることが必要です。


■胃がん検診について

胃がんの検診で主に行われているのはX線検査と内視鏡検査です。
X線検査はバリウムと胃を膨らませる発泡剤を飲んで胃の内部の状態を観察します。
何らかの異常が認められれば、
さらに詳しく調べるために内視鏡検査が行われます。
内視鏡検査は先端にカメラが付いた細いファイバースコープを
口や鼻から挿入して胃の中を直接観察します。
病変が見つかった場合は組織を採取して、さらに詳しく調べます。
内視鏡検査によって胃がんの死亡率が減少する効果が認められたことから、平成28年よりX線検査と同じく、
検査費用に公的な補助が出るようになっています。


■胃がんの治療

近年では診断や治療の進歩によって
胃がんの死亡率は減少しています。
完治を目指す治療の基本はがんを取り除くことです。
その方法は内視鏡的切除と手術による外科的切除に分けられます。
転移のない早期の胃がんに関しては
内視鏡的治療で完治が可能です。
転移があるなど進行した胃がんに関しては
手術による胃切除が必要になりますが、
それに対しても従来の開腹手術と併せて、
最近では腹腔鏡手術を選択できるようになりました。
また高度に進行した胃がんに対しては、
再発を予防する目的で手術の前後に抗がん剤治療を併用することもあります。

不妊治療最前線

 
今回、不妊治療最前線についてお話を伺ったのは
福岡大学病院 副院長・産婦人科学教室 主任教授の
宮本新吾(みやもと しんご)先生です。


■不妊治療の現状と再生医療

今、国内では6組に1組のカップルが不妊治療を受けていて、
大きな問題になっています。
不妊の原因の中で一番大きいと考えられるものが卵子の問題、
受精卵にするときの問題、受精卵がくっつく所の問題などです。
これに対して現在、再生医療の技術を使った新しい不妊治療の研究を当教室で進めています。
再生医療とは病気やけがなどで失われた組織を再生し、
機能を回復させる医療です。


■妊娠と不妊治療

妊娠とは受精によってできた受精卵やそれが発達した胎児が
女性の体内にある状態です。
しかしその過程で不具合が起こり、妊娠に至らないケースがあります。
不妊治療とはそのような不妊状態を改善することを目的に行われるものです。


■不妊治療が増えている理由、

不妊治療を受ける人が増えている背景には
昨今の社会構造が挙げられます。
女性が社会進出するようになったことなどで、
最初の子どもを出産する女性の平均年齢は上昇傾向にあり、
2014年には30歳を超えるまでになりました。
受精卵になるために必要な女性の卵子は
年齢を重ねるとともに少なくなります。
もちろん男性にも不妊の原因があり、
精子の動きが悪い、数が少ないなど、
半分は男性の問題ともいわれています。
そのため奥さんだけじゃなくて
旦那さんも積極的に治療を受ける必要があります。


■不妊治療とは

現在行われている不妊治療は
「タイミング療法」「人工授精」「体外受精」「顕微授精」です。
タイミング療法とは、一般に妊娠しやすいとされる排卵日前後に
性交のタイミングを合わせる方法です。
もし患者さんに生理不順など排卵がうまくいっていない状況があれば、
タイミング療法に併せて排卵誘発剤を使って治療を行うことが多いです。
人工授精は質の良い精子を人の手を介して
女性の子宮の中に注入して受精を目指す方法です。
男性の精子に不妊の原因がある場合などに行われます。
体外受精は体の外で精子と卵子を受精させて
受精卵を子宮内に戻す方法です。
顕微授精は体外受精のひとつで、
顕微鏡を使って卵子に直接精子を注入します。
体外受精で難しい場合などに行われます。


■不妊治療と再生医療

不妊に対する治療法が進んでいますが、
それでも7割の人が妊娠に至りません。
そこで福岡大学では再生医療を使って治そうと試みていますが、
この治療法の効果がはっきりしてくると不妊の問題が大きく改善され、
少子化対策にもつながるのはないかと期待されます。


※トライのコーナーでは福岡大学 産婦人科学教室で進められている“脂肪由来幹細胞”を使った最先端の再生医療の現場をリポートしました。


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