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夏血栓

 
今回、夏血栓についてお話を伺ったのは、
国立病院機構 九州医療センター 副院長の
岡田 靖(おかだ やすし)先生です。


■夏血栓とは

夏に血栓ができやすいのは
非常に気温が高くてたくさんの汗をかくからです。
体の水分が減ると血管の中の水分も減ってしまい、
血液がドロドロになってしまいます。
すると血液のよどみができて、血の塊(※血栓)となります。


■(夏)血栓とそれに由来する疾患

血栓とは体の中を循環している血液が
さまざまな要因から血管内で固まってできたものです。
血栓は血管の壁に張り付いたり、
血管の壁からはがれたりすることがあるのですが、
それが脳で起こると脳梗塞ということになり、
急に片方の手足に麻痺が出る、言葉を発しにくい、
ろれつが回らないなどの症状がでます。
心臓で起こると心筋梗塞ということになり、
突然の胸痛、息苦しさなどの症状がでます。
足の静脈で起こると深部静脈血栓症ということになり、
これは車中泊症候群、エコノミークラス症候群ともいわれていますが、足が腫れたりします。
また足の血栓がはずれて肺に飛んでいくと肺塞栓ということになり、
突然の呼吸困難や胸痛といった重い症状が生じます。


■夏血栓の予防・対策

夏血栓の予防・対策は
炎天下での長時間作業や不要な外出を控えること。
こまめな水分補給、エアコンを上手に使うなどことです。
ビールは非常に利尿作用が強く、
水分がどんどん体から出て行くので水分補給とはいえません。
また喫煙は血管の壁を傷つけて血栓を作りやすくするので注意が必要です。


■脳卒中と熱中症

今年の夏、救急搬送が相次いだ熱中症は
夏血栓に由来する脳卒中と症状が似ています。
どちらも、めまいやふらつき、吐き気などの症状が見られますが、
熱中症では非常に体温が上がって脱水を起こします。
脳卒中ではめまいやふらつき、吐き気などに加えて、
片方の手足が動かない、
急にしゃべり方がおかしくなるといった症状が見られます。
周りの人がよく観察をして、脳卒中と思われる場合には
専門病院へ救急搬送してもらうことが良いと思います。


■まとめ

今年の夏、長い期間に渡って猛暑日と熱帯夜にさらされた私たちの体はすでにかなりのダメージを負っています。
残暑はもうしばらく続きそうなので夏血栓にも十分に気をつけてください。

前立腺肥大症

 
■概要

最近おしっこの出が悪い…、それは前立腺肥大症かもしれません。
男性に特有の病気で、高齢になるほど発症しやすくなりますが、
年齢のせいだと諦めたり、泌尿器科の受診を恥ずかしがったりして、
治療を受けていない患者が少なくありません。

今回、前立腺肥大症についてお話を伺ったのは、
原三信病院 副院長 泌尿器科主任部長の
山口秋人(やまぐち あきと)先生です。


■前立腺とは

前立腺は精液を作るのが大きな働きで、膀胱の下にあり、
中には尿道が通っています。
大きさはクルミ大くらいですが加齢とともに大きくなることが多く、
70〜80歳になると70%ぐらいの人が大きくなります。
ただし、前立腺が大きくなってもすぐに症状が出るわけではなく、
症状が出た場合に前立腺肥大症と呼ばれます。


■前立腺肥大症の原因

前立腺肥大症は肥満や高血圧、高血糖、脂質異常症など、
メタボリック症候群との関係が指摘されていますが、
今のところはっきりとした原因は分かっていません。
ただし、前立腺肥大症は高齢になるほど発症しやすく、
男性ホルモンの影響も指摘されていることから、
加齢によるホルモンバランスの変化が
病気の発生や進行に関係していると考えられています。


■前立腺肥大症の症状

前立腺肥大症の症状は初期ではおしっこが近い、
夜中におしっこで起きるといったものです。
進行するとおしっこが出にくくなる、時間がかかる、
なかなか終わらないといった感じになります。
さらに進行すると残尿感を自覚します。


■前立腺肥大症の診断・検査

前立腺肥大症の診察では、
まず問診で症状の有無や程度を確認します。
次に直腸診といって、
肛門から指を入れて直腸の壁越しに
前立腺の大きさや弾力を確かめます。
そこで前立腺肥大症が疑われれば
親指程度のスティックを肛門に挿入して、
前立腺の大きさや形を観察する超音波検査や、
尿の勢いや排尿の具合を調べる尿流測定といった詳しい検査が行われます。


■前立腺肥大症の治療

前立腺肥大症の治療は、
最初は薬物療法で前立腺を緩めておしっこを出しやすくします。
それによって膀胱が楽になって、おしっこが近いのが改善します。
また前立腺を小さくする目的で
男性ホルモンが作用しにくくなる薬物を使うことがあります。
ただし、前立腺肥大症は進行性の病気なので、
薬が効かなくなることがあります。
そういう場合には薬を変えたり、重複して使ったりしますが、
それでも治らない場合には手術を考えます。


■前立腺肥大症の手術

前立腺肥大症の手術は大きく分けて2通りあります。
従来から行われているのは電気メスで前立腺を削り取る方法ですが、
熟練を要すること、出血があること、
最近、高齢者では抗血栓薬という“血液サラサラ”の薬を飲んでいる人が多いことから、
従来の電気メスで切る方法では非常にリスクが高い場合があります。
そういう場合ではレーザーによる手術を行うことがあります。
出血が少なく安全にできることから、
最近ではレーザーによる手術を行うケースが増えています。

足と健康

 
今回、足と健康についてお話を伺ったのは、
福岡大学病院 整形外科 足の外科・下肢再建外科班 医師の
金澤和貴(かなざわ かずき)先生です。


■足と健康について

足は“第2の心臓”と言われ、
ふくらはぎと足には心臓に血液を送り返すポンプの役割があります。
心臓から足へ送られた血液を重力に逆らって、
足から心臓にスムーズに送り返すために重要な存在になります。


■足の役割

ふくらはぎの筋肉は歩くなどして収縮したり緩んだりすることで
静脈内を流れる血液を心臓へ押し戻す働きがあります。
併せて、静脈の内側には弁がついていて、
血流が滞ったり逆流したりするのを防いでいます。


■静脈瘤

正常な静脈弁だと血液は心臓に向かっていきますが、
静脈弁が壊れると血流が停滞してしまいます。
その結果、ふくらはぎの静脈がコブのように膨らみます。
重篤な場合は炎症を起こし腫れて痛みを伴うことがあります。
その結果、歩行に支障を生じたり、
慢性的な足の痛みにより抑うつ状態になることもあります。
血液が停滞してできるコブは静脈瘤(りゅう)と呼ばれ、
足が重い感じやむくみ、全身のだるさを感じます。
予防・改善としては長い時間同じ姿勢をとらない、
ウォーキングなどで足を動かすといったことが挙げられます。


■足と全身の不具合

最近では、さまざまな理由から足が変形し、
それが全身の不具合につながるケースが増えています。
例えば外反母趾、扁平足です。
外反母趾は足の親指の内側がでっぱり、
靴と擦れて腫れたり、親指が外側へ曲がって、
足の裏にタコができたりすることがあります。
扁平足は足の裏全体が地面についている状態です。
外反母趾 ・扁平足がある状態で靴を履き続けると、
痛い、歩きづらいという症状が生じます。
その結果、歩きづらさをカバーするために体全体に支障をきたします。
外反母趾や扁平足があると正しい歩き方ができにくくなることから
人によってはひざや腰の痛み、さらには肩こり、
頭痛といった全身症状につながることがあります。


■その対策

まず自分に合う靴を履くことが重要です。
靴を履くと痛くて履けない場合には、
靴の中に入れるインソールを作ることもおすすめします。
インソールを入れることで足の変形などがある程度改善され、
歩き方も改善されると思います。
足になんらかの不具合があれば早めに整形外科を受診しましょう。
また最近、靴屋さんによっては足の健康管理を目的とした
“シューフィッター”とよばれる靴選びの専門家がいることもあるので、
一度、相談してみてはいかがでしょうか。

がんのサイン

 
今回、がんのサインについてお話を伺ったのは、
国立病院機構 九州がんセンター
院長の藤 也寸志(とう やすし)先生です。


■がんとは

がんは正常な細胞の遺伝子に傷がつくことによって発生します。
多くの場合は何年にも及ぶ長い時間の経過の中で、
いくつもの遺伝子の異常が積み重なってきて、
初めて細胞ががん化します。
一般的に高齢者にがんが多いのはそのためです。
遺伝子に傷がつく原因は紫外線、慢性的な炎症、
ある種のウイルス・細菌などです。
一つの細胞ががんになっても、
それが増え続けて目に見えるようになるまで、
つまり、画像を使って がんと診断されるまでには
さらに何年もかかります。


■男女の傾向

男性と女性ではなりやすいがんに異なる傾向が見られます。
男性は40歳以上で胃・大腸・肝臓といった
消化器系のがんが増えますが、
70歳を過ぎるとこれらのがんは減り始め、
代わって肺がんと前立腺がんが増加します。
一方で女性は40歳代で乳がん・子宮がん・卵巣がんといった、
女性特有のがんが多くを占めますが、
高齢になるほどその割合は減少し、
代わって胃・大腸・肝臓といった消化器系のがんと肺がんが増加します。


■それぞれのがんの特徴

最近の治療の進歩で早期に発見ができれば、
ほとんどのがんは完治が望めますが、
そもそも初期症状がない、または非常に乏しいというのが、
がんという病気の特徴でもあります。
例えば男女ともに多いがんの中で、
肺がんでは咳や痰、胸の痛みなど、
胃がんでは胃の不快感とか胃の痛み、吐き気など、
大腸がんでは便秘と下痢、またそれを繰り返すなどが
がん発見のきっかけになることがあります。
ただ、これらの症状は がんだけに見られるものではなく
比較的ありふれた症状なので、つい見過ごされてしまいがちです。
大切なのは、これらの症状や体調不良が長く続く場合には放置せず、
病院に行ってしっかりと検査を受けることです。


■早期発見のために@

がんをいち早く見つける手段として忘れてはならないのが、がん検診です。
現在行われているがん検診は、
胃がん・肺がん・乳がん・大腸がん・子宮頸がんを対象にしています。
肺がん検診と大腸がん検診は年に1回で、
ともに40歳以上を対象としています。
胃がん検診は50歳以上、乳がん検診は40歳以上、
子宮頸がん検診は20歳以上を対象に、
それぞれ2年に1回、受けることが勧められています。
これらのがん検診は医学的な根拠にもとづき、
その効果が厚生労働省によって認められています。
きちんと受けていれば、治療可能な状態でがんを発見できる可能性が高いのですが、
男性の肺がん検診以外は受診率が50%に満たないのが現状です。


■早期発見のためにA

がん検診の受診率は年々高くなってきていますが、
日本人の2人に1人が がんに罹っているということを考えれば
まだ十分とはいえません。
地域でのがん検診や職場での健康診断をきちんと受けることが大切です。
また個人で人間ドックを受けることも有効です。
がん検診の費用のほとんどは市町村が補助していて、
自己負担額は低く抑えられているので、
積極的に受診してほしいと思います。
地域でのがん検診でも職場での健康診断でも
何か異常があれば精密検査を勧められるので、
がんを見つける糸口になります。
少しでも疑いが指摘された場合には
精密検査を必ず受けることが大切です。


■まとめ

かなり大きな がんが見つかるケースでは
定期検診を何年も受けていなかった、
という患者さんが少なくありません。
年齢と性別でなりやすいがんには異なる傾向があり、
それを踏まえて がん検診が設けられているので、
きちんと受診して欲しいと思います。
がん検診や職場での定期健診こそが
がんになっても助かるための最も有効な手段といえます。
自覚症状がない人こそ受けるメリットがあります。
早期発見できれば完治が望めるだけではなく、
治療も軽くて済むことを忘れないで下さい。

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