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円形脱毛症

 
今回、円形脱毛症についてお話を伺ったのは、
産業医科大学 皮膚科学講座 
教授の中村元信(なかむら もとのぶ)先生です。


■円形脱毛症とは

円形脱毛症は円形に毛が抜ける状態で、
突然発症する皮膚病のひとつです。
脱毛部分が1ヵ所だけのこともあるし、
たくさんできることもあります。
円形脱毛症だからといって必ずしも円形に発症するわけではなく、
頭髪の生え際が抜ける蛇行型、
頭全体の毛が抜ける全頭型、
全身の毛が抜けてしまう汎発型などがあります。
男女どちらがなりやすいということはありません。
患者さんの4分の1は15歳以下で発症し、
全頭型や汎発型といった症状が激しい脱毛は
子どもに多く見られます。


■髪の毛とは

私たちの髪の毛はおよそ10万本で、
健康な人で1日に100本程度が抜けますが、
ほぼ同じ本数の毛が再生するため、
一定の数に保たれています。
皮膚の中には毛を伸ばす毛包があり、
毛包の根元にある毛母が細胞分裂して
毛の元となる細胞が生まれます。
そして皮膚表面の毛穴から出てくるまでに
硬い毛へと変化していきます。
この時期を成長期といって、
髪の場合は数年続くため毛が長く伸びます。
伸び続けた毛はやがて寿命を迎えると成長が止まります。
この時期を休止期といって、
皮膚の中では毛母がほとんどなくなって毛包が浅くなり、
毛が抜けやすい状態になります。
ところが2〜3ヵ月すると浅くなった毛包の下に
新しい毛母が再生します。
すると同じ毛穴から新しい毛が伸びて再び成長期が始まります。
こうして成長期と休止期をくり返しながら毛は生え替わっています。


■円形脱毛症の特徴@

円形脱毛症を発症した部分は
どの毛穴も毛包が縮んで休止期になっています。
その原因は成長期の毛包がリンパ球の攻撃を受けて
破壊されてしまうからだと考えられています。
なぜリンパ球が毛包を攻撃するのか
理由ははっきりと分っていませんが、
精神的ストレスがきっかけになっている可能性もありますが、
多くの場合は特にきっかけもなく発症しています。
また円形脱毛症の発症頻度は人口の1〜2%と推測されていて、
これは日本でもアメリカでも同じです。
いつでもどこでも一定の割合で円形脱毛症になる人が
必ずいると考えられています。


■円形脱毛症の特徴A

円形脱毛症は脱毛部分が小さい場合は多くが自然に治り、
治療もほとんど必要ありませんが、
広く脱毛しているほど症状が長引き、
全頭型や汎発型になると数年に渡って症状が続くこともあります。
ただし円形脱毛症の脱毛部分には毛包の細胞が残っているので、
治療が効果を発揮すれば再び毛は生え始めます。


■円形脱毛症の治療

円形脱毛症の治療法は
病気が始まってからの期間や脱毛面積によって違います。
病気が始まったばかりで脱毛面積が小さい場合は、
ローションタイプの塗り薬や錠剤の飲み薬で
様子を見るのが一般的です。
広い面積での脱毛が半年以上続いている場合、
私どもの所では局所免疫治療を行っています。
2週間に1回程度、特殊な薬品を患部に塗って
軽い皮膚炎をくり返し起こさせる治療法で、
6割以上の患者さんに効果があることが実証されています。
局所免疫療法は安全で効果的な治療法ですが、
他の治療法も含めて発毛するまで数ヵ月かかる場合もあるので、
円形脱毛症の治療は根気強く続ける必要があります。

VDT症候群

 
■概要

パソコンやスマートフォンを見続けることで起こる目の違和感は
「VDT症候群」かもしれません。
VDTとは“ビデオ・ディスプレー・ターミナル”の略。
画像を表示する端末機器のことで、
パソコンやスマートフォンなどがこれに当たります。
そして最近、これらを使いすぎることで
さまざまな目のトラブルに見舞われる人が急増しています。

今回、VDT症候群についてお話を伺ったのは、
福岡大学医学部 眼科学 教授の
内尾 英一(うちお えいいち)先生です。


■VDT症候群とは

VDT症候群は、「ビデオ・ディスプレー・ターミナル」といわれる
パソコンやスマートフォン、タブレットのようなディスプレイ機器を
長い時間使うことによって生じてくる症状のことです。
パソコンなどの“VDT機器”は
私たちの普段の生活や職場で欠かせないものとなりました。
そして今、それらによって起こるVDT症候群が増えていて
大人から子どもまで広く注意が必要とされています。


■VDT症候群による目の不具合

VDT症候群による目の不具合ですが、
まず「ドライアイ」があります。
人間の目は瞬きをすることで表面に涙が潤っていますが、
瞬きの回数が減ってしまうと
目の表面が乾いてきてドライアイになります。
その状態で目をこすると角膜に細かい傷がついて、
ものが霞んで見えたりします。

次に「スマホ老眼」があります。
老眼は年をとることで近くが見えにくいことをさします。
それに対してスマホ老眼は、
近くが見えて遠くが見えにくいことをさします。
20代や30代といった比較的若い世代や子どもにも
この症状が出ていることが今、問題になっています。


■スマホ老眼のメカニズム

わたしたちの目には
ピントを合わせる働きをする「毛様体筋」と
カメラのレンズのような働きをする「水晶体」があります。
遠くを見るときには
毛様体筋がゆるんで水晶体が薄くなってピントが合います。
反対に、近くを見るときには
毛様体筋は緊張して水晶体が厚くなってピントが合います。
しかし、近いところだけをずっと見ていると
ピントを合わせる毛様体筋の動きが悪くなって
遠くが見えづらくなってしまいます。


■ブルーライトと目の病気

最近、VDT機器の使いすぎで問題となっているのがブルーライトです。
ブルーライトはパソコンやスマートフォンなど
LEDを使う機械から出てくる青い光のことです。
ブルーライトは角膜や水晶体を通過して
目の内側にある網膜まで届きます。
そのことによって今、問題になっているのは
「加齢黄斑変性」という目の病気の発症に
このブルーライトが関係している可能性があることです。
加齢黄斑変性とは網膜の中心部である黄斑という部分に障害が出て、
見ようとするところが歪んだり、見えにくくなったりする病気です。
その他にもブルーライトを長時間見ることでものがぶれて見えたり、
人によっては視力が低下したりすることもあります。


■目以外の不具合

VDT症候群は目以外にも影響を及ぼします。
姿勢が悪くなることで肩こりや肩の痛み、頭痛、腰痛などが起こり、
それらが強くなってくると、
うつ状態といった精神的な問題につながる場合があります。


■VDT症候群の予防・対策

VDT症候群の予防・対策はパソコンやスマートフォンなどをなるべく使わないということになりますが、
現代ではなかなかそうはいきません。
VDT症候群を使ったら10分に1回は遠くの景色、
できれば自然の緑の景色を眺めるようにしましょう。
またパソコンやスマートフォンは
同じ姿勢で使い続けることが多いので、
体を動かす意味でも、ときどきは休憩をはさんでください。

痛風と高尿酸血症

 
今回、痛風と高尿酸血症についてお話を伺ったのは、
福岡赤十字病院 人間ドック健診センター
センター長の大坪俊夫(おおつぼ としお)先生です。


■痛風と高尿酸血症について

痛風とは関節内に蓄積した尿酸の結晶によって
激しい痛みを伴う関節炎が引き起こされる病気です。
急激に発症するため痛風発作とも呼ばれています。
その原因となるのが
血液中に尿酸が多い状態が続く高尿酸血症です。
尿酸値が7mg/dLを超えると血液中の尿酸が結晶となって
体の隅々に溜まり始めますが、
尿酸が蓄積するだけではほとんど自覚症状は認めません。
しかし尿酸値の急激な変動や大きな衝撃で
尿酸の結晶が関節から剥がれ落ちると、
体内の白血球が異物とみなして攻撃するため、
激痛や腫れを伴う炎症が起こって痛風発作が起きます。


■尿酸とは

痛風や高尿酸血症を引き起こす尿酸は
体の新陳代謝やエネルギー消費によって生じる老廃物の一種で、
最終的に腎臓や腸から尿や便と一緒に体外へと排泄されます。
健康な人の場合、
およそ1200mgの尿酸が体内に蓄積されていますが、
この尿酸プールの半分ほどが毎日入れ替わりながら
ほぼ一定の量に保たれています。
ところが何らかの理由で尿酸が作られ過ぎたり
体外への排泄が少なかったりすると、
尿酸プールがあふれ出し、
血液中の尿酸が増えて高尿酸血症になります。


■高尿酸血症の症状

高尿酸血症そのものはほとんど自覚症状がありませんが、
治療しないで放置するとさまざまな合併症を引き起こすことがあります。
その1つが腎機能障害で、
はっきりとしたメカニズムは分かっていませんが、
高尿酸血症によって腎機能が低下すると尿酸が排泄されにくくなって
さらに尿酸値が高くなるという悪循環が生じます。
また高尿酸血症が続くと尿が酸性になり、
尿の中で尿酸が結晶化しやすくなるため、
尿路結石ができやすくなります。
結石が尿管や尿道で動き出すと激しい痛みを引き起こします。
さらに最近の研究から、高尿酸血症は高血圧や慢性腎臓病、
心血管疾患、メタボリックシンドロームなどと密接に関係することが分かってきました。


■特徴

痛風と高尿酸血症は男性が患者の多くを占め、
現在、成人男性の25%以上が高尿酸血症だと推測されています。
また以前は50歳以上に多かった痛風も
最近は30歳代が発症のピークになっていて、
患者数の増加とともに発症年齢の若年化が進んでいます。
発症の理由はよく分かっていませんが、
女性も閉経すると尿酸値が少し上がることから、
女性ホルモンの減少が体内の尿酸を増やすとも考えられています。


■治療について

治療については、
痛風発作が起きた場合はまず発作を鎮めることが優先されます。
できるだけ早く消炎鎮痛薬を内服することが大切です。
なるべく安静にして湿布などで患部を冷やすことも痛みを和らげるのに有効です。
発作が治まれば消炎鎮痛薬を中止して
尿酸値を6mg/dL以下に保つことを目標に高尿酸血症の治療を始めます。
急激に尿酸値を下げると痛風発作が再発するリスクが高くなるので、
少しずつ下げていくことが大切です。
高尿酸血症の治療は生活指導が重要です。
特に肥満の人は減量するほど尿酸値が下がります。
アルコールは尿酸を増やして排泄を妨げるので控えるようにして下さい。
内服薬の服用で尿酸値をしっかりと下げてあげれば、
5年ほどで関節にたまった尿酸が溶けて、
痛風発作の再発がなくなることが報告されています。

耳の内視鏡手術

 
今回、耳の内視鏡手術についてお話を伺ったのは、
九州大学病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科 医師の
小宗 徳孝(こむね のりたか)先生です。


■耳の内視鏡手術とは

内視鏡手術とは、“内視鏡”という小型のカメラを見ながら
専用の器具を使って行う手術です。
お腹の手術で使われていますが、
従来の開腹手術に代わってかなり一般的になっています。
最近では耳鼻科の領域でも広まってきています。


■耳の内視鏡手術の歩み

耳の内視鏡手術が行われるようになってきたのは、
今から20年前の1990年代後半くらいから。
外耳道から小型カメラや器具を入れて治療が行われ始めました。
現在、国内では山形大学が中心となって
内視鏡での耳の手術が行われていますが、
九州大学病院でも4、5年前から導入が始まり、
手術件数も増えてきています。
今のところ内視鏡手術が適応可能な耳の病気には限りがありますが、
今後 技術の進歩によって
その領域が広がっていくことが期待されています。


■対象となる疾患

耳の内視鏡手術の対象となる代表的な病気は慢性中耳炎で、
中耳炎を繰り返して鼓膜に穴が開いた状態です。
鼓膜の穴から細菌が侵入することで
耳から膿などが流れ出す耳漏(じろう)を繰り返したり、
鼓膜の穴のために音の伝わり方に不具合が起きて
難聴をきたしたりします。
手術では内視鏡で周囲の様子を観察しながら
耳の中の皮膚を一部切開して鼓膜を修復します。

また鼓膜の一部が中耳に侵入して
“真珠腫”という耳垢の塊を作る真珠腫性中耳炎では、
進行するとめまいや顔面神経麻痺などが起こりますが、
初期であれば内視鏡だけで真珠腫を取り除くことができます。
その他にも、内耳を満たす外リンパ(がいりんぱ)という液体が
中耳に漏れ出す外リンパ瘻(がいりんぱろう)、
中耳にある、音を伝える小さな骨の動きが悪くなる耳硬化症(じこうかしょう)なども内視鏡での手術が可能です。


■耳の内視鏡手術のメリット

耳の内視鏡手術のメリットはお腹の内視鏡手術と同じで、
患者さんの体にかかる負担が非常に少ないことです。
通常、耳の手術は耳の後ろを4〜5cm切開して行いますが、
人によっては術後の耳の痛みや、
切開したところの皮膚のしびれなどの合併症があります。
内視鏡手術では耳の中の皮膚だけを切るので、
術後の傷の治りが圧倒的に早いです。
また、内視鏡手術では広い角度で視野を保ちながら
可能な限り患部に近づくことができるので、
顕微鏡では見えづらいところもしっかり観察しながら
手術をすることができます。


■現状での課題

通常は左手で内視鏡を、右手で手術器具を持つので、
どうして“片手手術”になってしまいます。
また、ある程度症例を経験しないと、
きちんとした内視鏡手術ができないという点も挙げられます。


■まとめ

早期の段階で病気を発見することで
内視鏡単独での手術が可能になり、
患者さんの体に優しい治療が可能になります。
病状が進行していても、
従来の顕微鏡手術に内視鏡を併用することで、
顕微鏡手術をカバーすることができるので、
今後、内視鏡は耳の手術には欠かせないものになってくると思われます。

ロコモ

 
■概要

かつてない早さで高齢化が進む日本。
日常生活で介護の必要な高齢者が急激に増えています。
そんな中、近年注目を集めているのが“ロコモ”です。
運動を意味する“ロコモティブ”という英語からきた言葉ですが、
運動機能が衰え、寝たきりになる高齢者を減らすために、
日本整形外科学会が提唱している新たな病気の概念です。

今回、ロコモについてお話を伺ったのは
九州大学大学院 医学研究院 整形外科
教授の中島康晴(なかしま やすはる)先生です。


■ロコモとは

体を動かしているのは筋肉、骨関節、靱帯、神経等ですが、
それらを総称して運動器といいます。
それらの中で1つでも問題があれば体はうまく動きません。
ある程度の年齢になると ひざが悪くなって正座ができなくなる、
骨がもろくなって折れやすくなるなど、
いろいろな不具合が出てきます。
そこで問題なのは多くの場合、ひざも悪ければ骨ももろいなど、
患者さんに、同時に複数の不具合が出ることです。
今まではそれらを別々に診ていたのですが、
それではいけないということで、
患者さんの運動器機能を全般的に診るのが
ロコモティブ症候群(運動器症候群)ということになります(※通称はロコモ)。
運動器障害によって将来、
要介護になるかもしれない状態を指します。


■ロコモの原因となる病気

ロコモはさまざまな病気によって引き起こされます。
中でも変形性腰椎症、変形性ひざ関節症、
骨粗しょう症が三大要因とされていて、
これらに筋力の低下が加わると病状が悪化します。
変形性腰椎症は病気が進行すると
背骨の中を通って足に向かう神経が圧迫されるので、
足のしびれや痛みが生じて歩けなくなります。
変形性ひざ関節症は関節のクッションである軟骨がすり減る病気で、
骨が変形すると痛みを伴うため歩けなくなります。
骨粗しょう症は骨がスカスカの状態になってもろくなる病気で、
わずかな衝撃でも骨折しやすくなるため、
高齢者の寝たきりを招きます。
いずれの病気も高齢になるほど患者が増え、
変形性腰椎症の患者数はおよそ3800万人、
変形性ひざ関節症はおよそ2500万人、
骨粗しょう症は1300万人以上になることから、
ロコモはまさしく国民病といえます。


■ロコモとメタボ

ロコモと同じく国民的な問題になっているのがメタボ、
いわゆるメタボリック症候群です。
ロコモとメタボは決して無関係ではありません。
たとえば、メタボのうち肥満になって体重が増えると
脚のひざ関節や股関節が及んで、状態が悪くなる可能性があります。
また急激なダイエットで骨がもろくなったり筋肉が落ちたりして
ロコモにつながる可能性があります。
ロコモの予防である適度な運動習慣、
バランスの良い食事は同時にメタボの予防にもつながります。


■ロコモのセルフチェック「ロコチェック」

ロコモの危険性は普段の何気ない動作でチェックすることができます。
これからご紹介する6つの項目に、
1つでも当てはまればロコモの心配があります。
☆家の中の何もない所でつまずいたり滑ったりする。
☆片足で立ちながら靴下をはくことができない。
☆階段を上るのに手すりがないと上れない。
☆15分歩き続けることができない。
☆2kgほどの荷物を持ち帰るのが難しい。
☆横断歩道を青信号の間に渡り切ることができない。

これらの動作ができていないと、
やがて体を思うように動かせなくなり、
家に閉じこもってしまいがちになります。
すると、ますます体を思うように動かせなくなります。
そうなる前に早めのロコモ対策が必要です。


■ロコモの治療

ロコモの治療は、痛みがある場合は痛みを取ることが優先されます。
痛みが軽い場合には鎮痛剤などを使って、
痛みを軽くすることをお勧めします。
関節症がある場合には整形外科的な治療が必要となります。
現在、人工関節は大きく進歩して、
股関節やひざの痛みを改善してくれます。
次に重要なのは運動習慣です。
運動能力が低下した人でも無理なくできるように考案された
「ロコモーショントレーニング(ロコトレ)」を積極的に行ってほしいと思います。

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