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薬と薬局

 
今回、薬と薬局についてお話を伺ったのは、
福岡市薬剤師会 専務理事の燒リ 淳一(たかき じゅんいち)先生です。


■薬と薬局とは

現在、医師が処方した処方箋をもとに薬局が調剤する医療用医薬品は
およそ16000品目にのぼります。
また薬局の軒数は全国でおよそ59000軒を数え、
薬と薬局は私たちの健康的な毎日と密接に関わっています。
今、“地域に根付いた薬局”として
薬剤師が活躍することが求められているので、
日常の生活の中で健康について何か相談したいことがあったときには
薬剤師さんを上手に活用してください。


■薬についてあれこれ

服用時間の“食前”は食事の30分くらい前。
“食後”は食事のあと30分以内。
“食間”は食事の2時間後が目安です。
もし飲み忘れを思い出したときには、
そのときにすぐ飲むのが基本ですが、
例えば、朝・昼・夜3回飲む薬で、朝の分を飲み忘れたとき、
昼の分を飲む時間が近ければ1回とばして昼の分から飲みましょう。
服用方法は薬によってさまざまなので、
飲み忘れたときの対処法は薬をもらうときに事前に薬剤師に確認しておくとよいと思います。

薬は水や白湯と一緒に飲みましょう。
水なしで服用すると食道に張り付いてそこで炎症が起きたり、
溶けにくくなって効果が落ちたりすることがあります。

最近では、水を飲むことなく、唾液で溶かして飲む薬も増えています。
食べ物をうまく飲み込めない高齢者などに適したものですが、
薬を確実に胃に送るため、
少量でもいいので水や白湯を飲んだ方がよいです。
近くに水がない場合は唾を溜めて飲み込むのも方法です。


また服用時には、食べ物との飲み合わせにも気をつけましょう。
一部の血圧の薬とグレープフルーツとの飲み合わせ(食べ合わせ)には注意が必要で、
たとえ、服用と時間をずらしてグレープフルーツを飲んだり食べたりしても、
ふらつき、立ちくらみ、めまいなどの副作用が出ることがあります。
また、血を固まりにくくするワルファリンという薬はビタミンKが増えるとその効果が弱くなるとされ、
多く含むクロレラや青汁、ビタミンKを増やす納豆などは控える必要があります。
用法・用量、飲食物との飲み合わせ・食べ合わせ、
他の薬との飲み合わせなどは
薬をもらうときに必ず薬剤師が説明するので、
それらをしっかり守るのが大事です。


■お薬手帳

お薬手帳は薬の種類や量などを記録して、
これまでに服用した薬をまとめて管理するものです。
お薬手帳は一冊にまとめておきましょう。
一冊にまとめられていないと、違う病院で同じ薬を処方されたり、
危険な飲み合わせが生じたりすることがあります。
また近年、国内で起きた災害時では、避難者が薬を自宅に忘れても、
お薬手帳を持っていたことでスムーズに薬を処方してもらえたケースも多くあったそうです。


■かかりつけ薬剤師

かかりつけ薬剤師とは私たちの健康に関するあらゆるケアを目的として
2016年から始まった国の制度です。
かかりつけ薬剤師は飲み合わせや副作用の確認、手元に残った残薬の整理など、
服用中の薬に関する情報を一括して管理します。
他の病院でもらっている薬の相談に応じます。
また24時間対応で薬に関する相談に応じたり
必要があれば医師に問い合わせや提案も行っています。


■まとめ

薬剤師は日ごろから、
店頭で処方箋を渡しながら患者さんの顔色や動きを見て、
副作用が出ていないかなど、しっかり観察をして
何か気になることがあったら医師に報告することもあります。
それを考えると、対面でしっかり患者さんを見ながら薬を渡すのは大事なことだと思います。

肺炎

 
今回、肺炎についてお話を伺ったのは、
福岡大学病院 呼吸器内科 
教授の藤田昌樹(ふじた まさき)先生です。


■肺炎とは

肺炎とは細菌やウイルスなどが肺の中で増殖して炎症を起こす病気で、
気管支肺炎と大葉性肺炎に分けられます。
気管支肺炎は比較的粘り気のある痰が出て、
一部にしか広がりません。
大葉性肺炎はサラサラとした痰が出て、全体に広がります。
原因となる微生物として気管支肺炎はマイコプラズマ、
大葉性肺炎は肺炎球菌という区別ができます。


■風邪との違い

風邪は医学的には風邪症候群といわれ、
さまざまなウイルスが原因で引き起こされます。
主な症状はくしゃみや鼻水、咳、痰、のどの痛み、
37度台の発熱などです。
肺炎は肺の内部に炎症が起こるため、
症状が進むと呼吸困難や息切れ、胸の痛みが生じる場合もあります。
悪寒や全身の倦怠感に加えて、
38度を超える高熱や激しい咳が続いたり、
黄色や緑など色の濃い痰が出たりするのも風邪との大きな違いです。


■肺炎の注意点

肺炎の注意点として、
高齢者では特徴的な症状が出ないことが多くあります。
また高齢者は食べ物などが誤って気管に入ることで
誤嚥性肺炎を起こすこともあります。
何か調子がおかしい、いつもと少し違うということがあれば
早く病院を受診しましょう。


■肺炎の治療

肺炎の治療は原因となる病原体によって異なりますが、
細菌が原因と考えられれば抗菌薬、
ウイルスが原因と考えられれば抗ウイルス薬を用います。
軽症で全身の状態が良ければ内服薬を飲みながら通院で治療ができますが、
脱水症状や低血圧、意識や血中酸素濃度の低下、
食事が摂れないなど、中等症から重症の肺炎が疑われる場合や
高齢の場合は入院して注射薬で治療する必要があります。


■肺炎の予防法

肺炎の予防は大きく禁煙、ワクチン、誤嚥対策に分けられます。
1日1箱以上喫煙する人では肺炎のリスクが2〜3倍高まるといわれています。
喫煙によって気道の粘膜が障害されて
肺炎になりやすいといわれているので禁煙が大事です。
また65歳以上の場合は肺炎球菌ワクチンの接種が大切です。
肺炎球菌ワクチンで完全に予防できるわけではありませんが、
病原性が強い肺炎球菌の感染を減らして重症化を防ぐ効果が期待されます。
誤嚥対策は口の中を清潔にすること、食べ物にとろみをつけること、
食べる時に体を起こすことなどが挙げられます。

パニック障害

 
今回、パニック障害についてお話を伺ったのは、
九州大学大学院 医学研究院 精神病態医学 診療准教授の
中尾 智博(なかお ともひろ)先生です。


■パニック障害の3大症状

パニック障害の3大症状は“パニック発作”と
それに伴って起きる“予期不安”、
さらにこの2つに伴って起きる“広場恐怖”です。


■パニック発作

パニック障害ではまず“パニック発作”という突然現れる強い不安感から、
動悸やめまい、呼吸困難などに見舞われます。
それらの症状から「このまま死んでしまうのではないか」と思うほどの恐怖を感じることもあります。
しかしこの発作は通常、10分程度でおさまります。


■予期不安と広場恐怖

“予期不安”とはパニック発作を繰り返すことで、
「また起きたらどうしようか」と不安を先取りするようになることです。
“広場恐怖”は予期不安が進行して起きるもので、
飛行機や新幹線、高速バス、美容室や歯科クリニックなど、
すぐにその場所から離れられないような場所にいると、
「また発作が起こるのでは」という不安にかられ、
次第に苦手な場所が増えるようになります。
パニック発作、予期不安、広場恐怖を繰り返すことで
パニック障害はどんどん悪化していきます。


■進行すると

パニック障害が進行すると、
1人で外出することがだんだんできなくなって、
いわゆる“引きこもり”状態になってしまいます。
また半数以上の患者さんはどこかの時期で うつ病を併発するといわれています。


■パニック障害の原因

パニック障害は脳の組織に何らかの不具合が起こることで
発症するのではないかと考えられていますが、
はっきりとした原因はまだ分かっていません。
ただし、多くの場合で不眠が続く、
疲労が溜まる、非常に強いストレスを受けるといったことが
引き金になるとされています。
また、普段明るく元気に過ごしていた人でも、
ある日突然、発作を起こすことがあります。


■パニック障害の治療

パニック障害の治療には薬物療法のほかに、
不安やうつ状態等に対して気持ちを楽にする目的で行われる認知行動療法があります。
パニック障害では突然の発作を恐れるあまり、
1人で外出できなくなっているので、
認知行動療法は、たとえば家族や主治医と一緒に屋外に出る。
それができたら近くの公園に行く、
それができたらちょっと遠くの駅に行く、
最終的には1人で行くといったように段階的に進めていきます。
パニック障害は適切な治療を受ければ治る病気なので、
症状を自覚したらなるべく早めに精神科もしくは心療内科を受診しましょう。

形成外科

 
今回、形成外科についてお話を伺ったのは、
佐賀大学医学部 形成外科
診療教授の上村哲司(うえむら てつじ)先生です。


■形成外科とは

形成外科は皮膚の傷などに伴う機能的な障害を修復する外科です。
傷を治すだけではなく、
より自然に美しく仕上げることも仕事の1つで、
患者さんが満足して社会復帰できることをサポートします。


■形成外科の目的

形成外科の主な目的は傷や変形をきれいに治すことですが、
体の表面にできた傷やあざ、やけど、腫瘍、潰瘍だけでなく、
骨折や先天的な異常、がんの切除部分の再建なども対象となります。
これらについて専門的な知識と診療技術を備えたのが形成外科医で、
必要に応じて他の診療科の専門医と協力して治療を行うことも少なくありません。
傷といっても目立つ傷と目立たない傷があります。
例えば手首でいうと、
しわの方向の傷は目立ちませんが、
必ずしも、しわの方向に傷ができるわけではないので、
そのような場合には、できるだけ傷跡が目立たないように修復します。


■形成外科の技術

形成外科医の技術で基本となるのが体の欠損した部分を縫い縮める縫縮(ほうしゅく)で、
腫瘍やあざ、ほくろなどを切除したり、
ケガなどで皮膚の組織に欠損が生じた場合に行います。
切除部分が大きいなど、
一度で縫縮できない場合は何回かに分けて切除したり、
植皮や皮弁といった手段が必要です。


■植皮・皮弁とは

植皮は皮膚の移植のことです。
広い範囲の火傷の患者さんに対して受傷直後に皮膚を採取・培養して
3週間後位に使えるというような培養表皮という方法、
亡くなった方から皮膚をいただき、
凍結保存して火傷の治療の時に使うスキンバンクという方法があります。
このスキンバンクは非常に限られた施設でしかできません。
皮弁とは血流のある皮膚を移植する方法で、
乳がん切除後の乳房再建でよく行われます。
豊富な血流を確保できるため傷の治りが早く、
移植部への適合性にも優れています。
近年は顕微鏡を覗きながら行う外科手術の発展によって、
あらゆる部位の欠損を皮弁で再建できるようになりました。
さらに最近では骨や筋肉、
神経を付着した皮弁で感覚を伴う組織を再建して
運動機能を回復させるといったこともできるようになっています。


■最近のトピックス

最近 形成外科で注目を浴びているのが、
糖尿病の合併症として起こる足の変形や傷に対する治療です。
佐賀大学医学部附属病院では形成外科を窓口にして足専門外来を設けて、
足の治療をするために他の診療科と協力して治療を進めています。

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