【3/29かすやパンマルシェ】ふらっと寄れる場所でありたい。『bagel TORICO』アパートの一室から届けるベーグルに込めた想い(福岡・粕屋町)【まち歩き】
福岡県粕屋町。博多駅からほんの数分の距離にありながら、どこかのどかな空気が漂うこの町に、知る人ぞ知るベーグル専門店がある。
レトロなアパートの一階。黄色の小さな看板。扉を開けると、ふわっと香るやさしい小麦の香り——『bagel TORICO(ベーグルトリコ)だ。
現在、店頭での営業は休止中だが、オンラインショップでの通販は継続中。注文した商品を店舗で受け取ることが可能。
■コロナ禍が生んだ、一つのはじまり
オーナーの吉田梨恵子さんがベーグルを作り始めたのは、コロナ禍のことだった。
「コロナ禍で1ヶ月半仕事がなくなってしまったんです」。
その時間を使って初めて、天然酵母を使ったベーグル作りに挑戦した。「じっくり時間をかけて作ったら、こんなに美味しくできるんだ」という驚きが、すべての出発点だった。
その後、別のカフェへ転職。好きなことを仕事にしたくて選んだそのカフェで、ある日オーナーに手作りのベーグルを持っていった。「これ、売れるよ」「お店で出していいよ」。背中を押されるように、出勤前の早朝から仕込んで届けるようになった。
そんな生活を続けるなか、カフェのオーナーが言った。「朝早くから準備して大変でしょ。もう自分でお店した方がいいんじゃない?できるよ」。
■祖父のアパートが、お店になった
「そういえば、ここが空いてる」——そう気づいたのが、祖父が建てたアパートだった。長いこと空き部屋になっていた一室。内装を手伝ってくれそうな友人がいて、実家も近い。条件がひとつひとつ揃っていった。
「失敗しても、まぁいっかみたいな感じで始めました」と吉田さんは笑う。当時はまだお子さんがおらず、リスクを恐れずに踏み出せた。
レトロな外観は、むしろ吉田さんの好みそのもの。「古いものが好きで、レトロな感じが好きだから、いい感じのお店にできるんじゃないかなと思って」。祖父の遺したアパートは、黄色の看板をまとってベーグル屋に生まれ変わった。
開業は2022年3月。以来、お母さまと二人三脚で営んできた。製造は主に梨恵子さんが担い、お母さまは子どもの世話など縁の下で支える。
■「意を決していく」じゃなくて、ふらっと寄れる場所に
TORICOのコンセプトは、「とっておきというよりは、いつもそこにある身近なもの」。
このコンセプトは、吉田さん自身がベーグルを買いに行く側として感じていた、ある「もどかしさ」から生まれた。
「ベーグルを買いに行くと、大きいものが多くてたくさんは買えないなぁと思うことがあり、小さめで色んな味を楽しめたらいいなぁと思っていたんです」
だから、TORICOのベーグルは小ぶりに。2〜3個買って少しずつ食べられるサイズ。子どもでもお年寄りでも、手に持ってそのまま食べられる大きさ。
「行きつけの定食屋みたいに意気込んでいくんではなく、ふらっと立ち寄れるような、誰にでも来ていただきやすいお店にしたいです」。
■北海道産小麦と天然酵母。素材への、静かなこだわり
ベーグルの生地に使うのは、北海道産小麦粉と全粒粉。奄美のきび砂糖、塩はゲランドの塩。そして酵母は、天然酵母を使っている。
「基本の生地はバター不使用なので、ヘルシーで罪悪感なく食べられます。子どもに食べさせても安心で安全なものを、なるべく選んで」。
ベーグルらしい、もちっとした食感。その秘訣となる小麦粉は、北海道の業者から仕入れている。「試しに取り寄せてみたら、歯切れの良さが自分の好みだった」。自分が食べて美味しいと思ったものを、そのままお客さんに届けている。
■レギュラーから季節限定まで。気分で広がるレシピたち
オリジナルレシピは、数えきれないほど。県外で食べた美味しいベーグルから着想を得て、自分なりにアレンジを重ねてきた。
今回のかすやとさくらのパンマルシェには10種類以上並ぶ予定で、その中のおすすめは3種類。
・博多明太バターベーグル ——生めんたいを使用しており、食べた後もお口に残りにくいやさしい明太の風味。一口サイズにちぎりながら食べられるので、お子さんとのシェアにもぴったり。
・ピーカンナッツシナモンベーグル ——渋みが少なく食べやすいピーカンナッツを生地に練り込み、シナモンペーストを巻き込んだ一品。トッピングのピーカンナッツとざらめのカリカリ食感と、もちふわな生地が合わさった楽しいベーグル。
・Wチョコ ——開店してから出さなかった日がない、ファン一番多い看板商品。ブラックココアと純ココアの甘さ控えめな生地にチョコを練り込み、フィリングにもたっぷりチョコを詰めた贅沢な仕上がり。焼き直すとチョコがとろりと溶けて、また格別の美味しさに。
当日はTORICOオリジナルの手ぬぐいと、好きなベーグル3つを選べるセットを ¥2,000 で販売予定。
店舗営業中は、1週間ごとにメニューを変えていた。「気分で決まります」と吉田さんは軽やかに笑う。
■子育てしながら、春の再開へ
現在、店舗営業は休止中だ。2人の子どもが生まれ、育休期間が続いた。それでも毎週ベーグルを焼き続け、通販では2か月ごとにメニューを決めて注文を受け付けている。「今のところ、大変じゃないくらいの割合でしかやってないから大丈夫です」と笑顔で語る吉田さん。店は休んでいても、ベーグルは止まらない。
3月末のパンマルシェ出店を経て、4月のいずれかの日曜日に店舗営業の再開を目指している。「ゆくゆく、粕屋のここに行きたいって言ってもらえるようなお店になりたいな」。
博多駅まで電車ですぐの距離。のどかさと利便性を兼ね備えたこの町で、黄色い看板の前に、また行列ができる日は近い。
■イベント情報|かすやとさくらのパンマルシェ
『bagel TORICO』が出店します!
桜満開の駕与丁公園に、町内外から約20店舗のパン屋さんが大集合する「かすやとさくらのパンマルシェ」。おいしいパンはもちろん、楽しいステージや親子で楽しめるワークショップなど、内容盛りだくさんのイベントです。
当日はTORICOオリジナルの手ぬぐいと、好きなベーグル3つを選べるセットを ¥2,000 で販売予定。ふだんはなかなか手に入らない味を、ぜひこの機会にお試しください。 ※内容は変更になる場合があります。
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■『かすやとさくらのパンマルシェ』
日時:2026年3月29日(日)10:00〜16:00
会場:駕与丁公園・粕屋町総合体育館かすやドーム(福岡県糟屋郡粕屋町駕与丁3-2-1)
アクセス:JR長者原駅から徒歩10分
詳細:粕屋町シティプロモーション
Instagram:@kasuya_citypromotion
https://www.instagram.com/kasuya_citypromotion/
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■『bagel TORICO(ベーグルトリコ)』
住所:福岡県糟屋郡粕屋町仲原2752-1-101 ※現在休業中
Instagram:@bagel_torico
https://www.instagram.com/bagel_torico/
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■ bagel TORICO(ベーグルトリコ)
住所:福岡県糟屋郡粕屋町仲原2752-1-101
Instagram:@bagel_torico
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