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肥満とリンパ腫

 
■概要

リンパ浮腫は体液の一部であるリンパ液が
腕や脚の細胞の隙間にたまってむくんでくる障害のことで、
全国に10万人以上の患者がいると考えられています。
リンパ浮腫の多くはがん治療の後遺症で、
主に乳がんや子宮がん、卵巣がんなどの手術でリンパ節を切除したり、
放射線治療でリンパ管が損傷を受けたりして引き起こされます。
治療後すぐに発症することもあれば、
中には10年以上経ってから発症することもあります。
そのリンパ浮腫、実は肥満と切っても切れない深い関係があります。

今回、肥満とリンパ浮腫についてお話を伺ったのは、
貝塚病院、乳腺外科部長の北村 薫(きたむら かおる)先生です。

■リンパ浮腫の発症

リンパ浮腫は、がん治療後の後遺症として起こるものが1番多いです。
乳がんなど、婦人科系がんの手術でリンパ節を取ると
そこの領域のリンパ腺の流れが非常に悪くなります。
リンパ腫が起こると流れが悪くなることで、
リンパ管に入り損ねた組織液がたまってしまうという状況になります。


■リンパ液・リンパ管・リンパ浮腫とは

私たちの体はおよそ60%が水分で
主に血液、組織液、リンパ液の3つに分けられ、
一定の割合で体内を循環しています。
例えば血液の水分は毛細血管からタンパク成分や脂肪分と一緒に、
細胞を取り囲む組織液へと染み出します。
組織液の水分の多くは再び毛細血管へと戻りますが、
一部がリンパ管へ流れ込みます。
このリンパ管内の液体がリンパ液で、
タンパク成分や脂肪分を多く含んでいます。
そのためリンパ液の流れが妨げられると、
組織液の中にタンパク成分や脂肪分が蓄積されていきます。
さらにタンパク成分には水分を引きつける性質があるため、
組織液が増えてリンパ浮腫が発症します。


■肥満とリンパ浮腫の関連

肥満は過剰な脂肪が体に沈着することですが、
リンパ浮腫は脂肪の沈着が1つの大きな原因になり、
それによるリンパ管の損傷がもう1つの原因になります。
特に、閉経後の肥満は乳がんの危険因子になることが明らかにされていて、
肥満が原因で乳がんになって治療をすると、
今度はリンパ浮腫になりやすいとされています。
肥満が余計にリンパ浮腫を起こしやすくして、
危険因子の連鎖を起こしてしまうことになります。


■肥満とリンパ浮腫のメカニズム

人体には再生能力があり、
がんの治療でリンパ節やリンパ管が失われると、
その周りに小さなリンパ管が発達します。
ところが肥満になると1つ1つの脂肪細胞が大きくなるので、
小さなリンパ管はすぐに圧迫されてしまいます。
新しいリンパ管がうまく機能すれば、むくみの改善に繋がるので、
リンパ浮腫を治すにはまず太らないようにして、
太っている人は減量することがとても大切です。


■リンパ浮腫の治療

リンパ浮腫の治療では、体液をリンパ管の中に戻すための圧迫治療が最優先になります。
脚のリンパ浮腫であれば弾性ストッキングを、
腕のリンパ浮腫であればスリーブを着けて動くことで
リンパ管の流れを良くして体液を戻します。
ただし重症のリンパ浮腫では患部の組織が繊維化して硬くなるため、 
圧迫療法や運動療法だけでは十分な効果は得られません。
そこで「用手的リンパドレナージ」という、
特殊な医療用マッサージが行われます。
専門的な教育を受けた医療従事者が行う手技で、
通常のマッサージとは全く違い、
圧迫をする前に弱い力で繊維化を起こしている硬い組織を少しずつほぐして、
組織を柔らかくした状態にしてから弾性着衣を着けるという治療法です。

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