KBC九州朝日放送

KBCサイト内検索

福岡恋愛白書13 BD好評発売中

KBC共通メニューをスキップ

睡眠負債

 
今回、睡眠負債についてお話を伺ったのは、
久留米大学医学部長 神経精神医学講座
主任教授の内村直尚(うちむら なおひさ)先生です。


■睡眠負債とは

睡眠負債というのは
睡眠不足の状態が蓄積されてしまった状態をいいます。
睡眠時間は年齢によって違い、
しかも加齢とともにだんだんと短くなりますが、
20代〜50代の人であれば一般的には7〜8時間といわれています。
そういう世代の人たちが6時間未満しか睡眠を取らない状態が
長い間続くと、さまざまな健康へのリスクが上がることが示されています。


■睡眠時間とリスク

先進国の中でも日本は働き盛りの平均睡眠時間が最も短いという報告があります。
別の調査では日本人のおよそ4割は睡眠時間が6時間未満で、
継続的な睡眠不足に陥っているという指摘もあります。
こうして睡眠負債が積み重なると当然脳の働きは低下して
集中力や注意力が落ちてしまい、仕事や家事、
学業の効率が悪くなることはすでにさまざまな研究で実証されていました。
極端な睡眠不足と比べてわずかな睡眠不足が少しずつ蓄積した睡眠負債は、
睡眠が足りない状態に心身が慣れてしまっていて、
その影響を自覚しにくいのが問題です。
しかも日々の活動だけでなく、
気付かない内に命に関わるリスクも高まる恐れがあるといわれています。


■具体的なリスク

睡眠負債の状態にあると、
がんの発症が増加するということがいわれています。
特に乳がんでは7〜8時間 睡眠をとっている人と6時間未満の人を比べると、
6時間未満の人では発症率が1.6倍ぐらい上がるといわれています。
その理由として睡眠負債が起こると免疫細胞が抑制され、
がん細胞がさらに増殖することが示されています。
また脳内に蓄積してアルツハイマー型認知症を招くアミロイドβ(ベータ)は、睡眠中に脳から排除されるため、
働き盛りの時期にしっかり寝ていないと、
高齢になって認知症を発症しやすくなります。


■さらに…

さらに睡眠が不足すると、
食欲を増進するホルモンが増えて抑制するホルモンが減るので、
肥満になりやすい上に、
糖尿病や高血圧にもなりやすいことが分かっています。
他にも睡眠負債が続くと うつ病になりやすかったり、
平均寿命が短くなって死亡率が高まってくることも示されています。
一般的に平均寿命もそうですが、
うつ病、肥満、糖尿病、高血圧のいずれも
7〜8時間の睡眠をとっている人が最もリスクが少なく、
睡眠時間が短くなると反対にリスクが高まります。
また睡眠時間が長すぎてもリスクが高まることが分かっていて、
平均的な睡眠時間を確保することが健康を守る上で最も大事だと
考えられます


■対策は?

睡眠負債の対策はいつもより長く寝るということになるのですが、
平日は忙しくてなかなかゆっくり眠れないということで
週末に「寝だめ」すると生活リズムが乱れ、
平日の睡眠に支障をきたして、
かえって睡眠負債を増やす恐れがあります。
朝起きる時刻を一定にすると、
約16時間後にメラトニンという睡眠を促すホルモンが分泌され、
質の良い睡眠をとれるようになります。
その人にとって適切な睡眠時間というのはかなり個人差がありますが、
少なくとも午前中に我慢できない眠気を感じないぐらいの睡眠時間は確保しましょう。

過去の記事


All Rights Reserved. Copyright © KBC Co.,Ltd. 1998 - 許可なく転載を禁じます