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肥満外科

 
■概要

今、肥満による健康被害が社会問題になっています。
肥満が引き起こす糖尿病や心臓疾患、
脳卒中の影響で平均寿命が短くなることが分かっていて、
肥満は重大な病気と考えられています。

今回、肥満外科についてお話を伺ったのは、
国立病院機構 九州医療センター 消化管外科 医長の
橋本健吉(はしもと けんきち)先生です。


■肥満外科とは

日本でも食生活の欧米化などの影響で肥満の人が増えていて、
成人の約4分の1が肥満、そのうち病的な肥満患者は
60万人以上に達すると考えられています。
肥満はまず内科治療が原則ですが、
病的な肥満は長期に渡るコントロールが難しく、
いったんやせても9割以上がリバウンドするため、
手術による外科治療が有効だとされています。
肥満外科で行う手術は内科治療と比べ、
明らかな減量効果を長期間維持できるため、
世界中では年間数十万件も行われています。
日本では年間6000件ほどですが、
最近急激に増えています。


■手術の対象となる患者

肥満手術は保険診療の場合、
肥満の度合いを示すBMIが35以上の病的な肥満で、
糖尿病・高血圧・脂質異常症・睡眠時無呼吸の
いずれか1つ以上を合併し、
6ヵ月以上の内科治療を行ったにも関わらず、
十分な効果が得られなかった患者に限定されます。
また手術の安全性を高めるために
手術前に減量と禁煙を行う必要があります。
特に減量は手術の合併症を防ぐために重要で、
きちんとできていないと
術後の減量効果が小さくなるという報告もあります。


■腹腔鏡下スリーブ状胃切除術

肥満手術では日本では
2016年から腹腔鏡下スリーブ状胃切除術が
保険適応になりました。
この手術は腹部に5〜15mmの小さな穴を5ヵ所あけ、
腹腔鏡を使って胃をバナナ1本程度の大きさにする手術で、
手術の傷が開腹手術と比べて小さいため術後の回復が早く、
安全性の高い手術とされています。
腹腔鏡下スリーブ状胃切除術を受ける患者さんは
海外でも急増していて、
現在の肥満手術の主流になりつつあります。
腹腔鏡下スリーブ状胃切除術は胃を小さくするので、
自然に食事量を制限できるメリットがあります。
また食欲を増進させるホルモンを分泌する
胃底部(いていぶ)を切除するので、
過剰な食欲を抑える効果も期待できて、
無理のない減量に繋がります。
さらに手術前と同じように胃の内視鏡検査ができ、
胃がんの多い日本人にとっては大きなメリットになります。
一方、比較的新しい手術法で
長期の治療効果が実証されていないので、
重症の肥満患者や糖尿病患者に対しては
治療効果が十分ではないという報告もあります。
また将来的に、鉄不足・ビタミン不足などの
栄養障害が考えられるため、
サプリメントによる補充療法が必要になることがあります。


■まとめ

肥満手術が必要な患者は糖尿病を始めとした
生活習慣病を合併している場合が多いので、
高度な肥満の治療には診療科の連携が必要です。
九州医療センターでは外科だけではなく、
さまざまな専門内科や麻酔科、精神科の医師、
看護師、管理栄養士、ソーシャルワーカーなどで
構成された専門チームを結成して、
術前・術中・術後に渡って
継続的に支援する体制を整えています。
さらに肥満手術の効果を継続させていくためには
定期的なフォローが必要です。
術後に病院を受診しなくなった患者は
リバウンドしやすい傾向にあるので、
退院後は外科医の診察や検査に加えて、
必要に応じて内科の診察や栄養士による
栄養指導を定期的に行うことが大切です。

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