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早く見つけてすぐ治そう!腎臓がん

 
今回、「腎臓がん」についてお話を伺うのは、国立病院機構 九州医療センター、統括診療部長の井口厚司(いぐち・あつし)先生です。

■男性に多い腎臓がん
体中の様々な臓器を蝕む病気…がん。なかでも腎臓がんは、以前は発症例が比較的少なく、珍しいがんと言われていました。ところが1980年代から急速に増加し始め、現在では国内の患者数はおよそ1万5千人。泌尿器のがんでは前立腺がん、膀胱がんと並ぶ規模になりつつあります。特に中高年の男性は要注意!女性の2〜3倍も患者数が多いんです。
腎臓は主に血液中の老廃物を取り除いて尿を作る臓器で、血液をろ過して尿の原液を作る糸球体や、尿の原液を運ぶ尿細管などから構成されています。この尿細管から発生するのが腎臓がんです。今のところはっきりとした原因が分かっていないことから、その発生を予防することはできません。つまりなるべく早く見つけて治療を始めることが、最大で唯一の対処法なのです。

■腎臓がんの症状とは?
腎臓がんの主な症状に、3大症状があります。1つは目で見て分かるような血尿、それから腹部のしこり、そして脇腹の痛みです。ところが今は、この3大症状を持っているような患者さんはほとんどいません。なぜなら最近は検診などで、腎臓がんが早期の段階で発見されるようになったからです。つまり腎臓がんは、早期にはまったく症状がありません。
ただし進行すると3大症状の他にも、微熱や高血圧、貧血、血液量の増加など、多彩な症状が見られます。また腎臓がんは肺や骨に転移しやすく、肺転移が起きると咳や血痰、骨転移が起きると痛みや手足のしびれといった症状が現れます。

■治療の原則は手術
がんの治療には、主に手術、放射線、抗がん剤の3つがあります。ところが腎臓がんの場合は、放射線と抗がん剤は治療効果があまり期待できません。つまり手術によって、悪い所を完全に取り除いてしまうことが、腎臓がん治療の原則ということになります。
がんが進行して周囲に広がっていたり、転移を起こしたりして手術が難しい場合には、インターフェロンやインターロイキン2といった薬剤を用いた免疫療法が行われます。さらに最近では、がん細胞の増殖を抑える分子標的薬が次々に開発され、より高い治療効果が期待されています。ただしこれらの治療は、がんと共存して延命を図るもので、完治を目指したものではありません。

■手術の最新事情
以前は腎臓がんの手術といえば、がんのある腎臓をすべて摘出するのが原則でした。ところが最近では、がんの部分だけを切り取って腎臓を温存する、部分切除という手術も積極的に行われるようになってきました。一般的には直径4cm以下のがんであれば、腎臓を残すことができると言われていますが、出来ている場所が腎臓の中心に近い場合には、その手術をしたくてもできないことがあります。
腎臓を温存するメリットは、腎機能の低下に対する心配が少ないということです。摘出手術によって腎臓が1つになった場合、事故やケガで残った腎臓が傷ついたり結石ができたりすると、腎不全になる恐れがあります。特に高血圧や糖尿病といった生活習慣病があると、腎機能が低下しやすいとされています。これに対してデメリットは、がんの再発を招く恐れがあることです。ただし、がんが4cm未満の場合は腎臓を温存しても摘出しても、再発率が変わらないという報告もあります。
また、従来は腹部を大きく切る開腹手術が行われていましたが、最近では数cmの傷口から体の中にカメラを入れて手術を行う、体腔鏡手術が行われるようになってきました。開腹手術に比べると手術後の痛みが少なかったり、回復も早いというメリットがあります。ところが腎臓がんは進行すると、大きな静脈の中にまでがんが伸びていくことがあります。こうなると体腔鏡手術はできません。より負担の少ない手術を選択できるという意味からも、早期発見がとても大切です。

■エコー検査で早期発見!
腎臓がんはかなり進行しないと症状が現れないため、以前は早期発見が難しいとされていました。ところが最近では自覚症状がないまま、他の病気でCT検査やMRI検査を受けたり、健康診断や人間ドックで行われる超音波検査、いわゆるエコー検査で偶然発見される例が増えています。エコー検査は妊婦の検診などにも用いられるように、人体に対してまったく害のない検査です。この検査で腎臓がんをかなり小さい段階から見つけることができます。


様々ながんの中でも、腎臓がんはゆっくりと進行するのが特徴で、多くは年に5mm程度しか大きくなりません。だからこそ定期的な検査で早期発見が期待できるのです。がん年齢と言われる40歳を過ぎたら、年に1度はエコー検査が含まれているような検診を受けましょう。

冷房病

 
今回、冷房病についてお話を伺ったのは、福岡大学病院 総合診療部 診療部長の鍋島 茂樹(なべしま しげき)先生です。


■冷房病とは?

「冷房病」とは医学的な概念ではありませんが、暑い屋外とエアコンの効いた涼しい屋内との温度の差によって自律神経の調節が効かなくなる「自律神経失調症」の一種とされています。
“長期間のエアコン使用による、体がバテた状態”と言えるかもしれません。

高温多湿な日本の夏、会社で家庭でエアコンは欠かかすことのできない必須アイテムとなりました。梅雨の時期から数えると、エアコンを使うようになって1ヵ月程度が経とうという今の時期(8月上旬)、人によっては冷房病による体の不具合が進んでいるころではないでしょうか?。


■冷房病と自律神経

冷房病は屋外と屋内の極端な温度差に体の自律神経が対応できなくなることで起こります。
自律神経とは自分の意思とは無関係に働いて、体温や発汗、血圧、胃腸の働きなどさまざまな調節を行います。
自律神経は暑い屋外では皮膚の下を走る毛細血管を拡張させ熱を外に逃がしやすくします。
反対に寒い屋内では毛細血管を収縮させて熱を逃がしにくくします。
しかし暑い所と寒い所を頻繁に出入りすると自律神経が対応できなくなって体温調節や内臓の機能に不具合が生じてきます。
こうして冷房病に起因する様々な症状が生じてくるわけです。
またエアコンの効いた室内に毎日長い時間いると自律神経の働きが狂って体内の熱が逃げ、体の冷えを進めます。


■冷房病の症状

冷房病による主な症状には倦怠感や頭痛、肩こり、腰痛、胃腸障害などさまざまなものが挙げられます。
さらに女性では足を中心とした体の冷え、手足のこわばり感、肌荒れ、神経痛、ホルモンバランスの乱れからくる月経不順なども見られます。

冷房病は一般的に冷え性の人や やせ形の女性、高齢者に多いとされていますが、その他にも普段の生活習慣が大きく影響します。
夏バテで食欲が進まず栄養が不足しがち。
冷たい飲み物ばかり飲んで、胃腸がすっかり冷えている。
日ごろから運動不足。遅くまでテレビを見たり、ゲームをしたりで夜更かししがち。
日頃から何かとストレスが多い。
こういったことに当てはまる人は自律神経が影響を受けて冷房病になりやすい、あるいは症状が進行しやすいとされています。


■症状が進むと…

冷房病の症状がひどくなると温度の変化に体がついていけなくなって、めまい、フラフラ感やひどい場合は脳貧血を起こして失神することもあります。
夏かぜが長期化・重症化したり、日常生活のパターンが乱れてつらい状態になることが十分あり得ます。


■冷房病の治療

冷房病は、厳密には自律神経が関与する機能性胃腸症、過敏性腸症候群、冷え性、偏頭痛、腰痛症、うつ病などさまざまな病態が一緒に存在することが多いです。
医療機関ではそれらの治療をするということになります。
冷房病では漢方治療が有効で、胃腸機能を増強させ、冷えを取り、元気を出すような人参湯、真武湯といった漢方薬が有効です。




■まとめ

厳しい暑さが続きそうなのでエアコンともまだまだおつき合いということになりそうです。
でも使い過ぎは冷房病を招いて体はグッタリ、気持ちはゲンナリの悪循環に陥ってしまいます。
エアコンは上手に使って心身ともに快適に夏を乗りきりましょう。

寝苦しい夜にサヨナラ!睡眠障害

 
今回、「睡眠障害」についてお話を伺うのは、九州大学病院睡眠時無呼吸センター、センター長の安藤真一(あんどう・しんいち)先生です。

■しっかり節電!すっかり寝不足!?
連日の猛暑に節電と、何かと寝苦しい夜が続く今年の夏…多少の寝不足は仕方がないとあきらめてはいませんか?睡眠障害とは眠りの質や量に異常をきたした状態で、不眠症からいびきや寝言にいたるまで、あらゆる睡眠の問題が含まれます。日本人の5人に1人は睡眠に関する何らかの悩みを抱えていて、20人に1人は睡眠薬を服用しているとも言われています。高齢になるほどその割合は増えますが、欧米と比べて日本では、睡眠で悩んでも病院を受診する人が少ないとされているのです。

■症状が1ヵ月以上続くと要注意!
睡眠障害と言えば、まず思い浮かぶのが不眠で、寝付きが悪い、睡眠の途中で目が覚める、あるいは朝方どうしても早くが覚める、といった症状があります。その他にも、夜中に非常に大きないびきをかいて息が止まるとか、睡眠と覚醒のリズムが狂ってしまう、夜中に起き出して変な行動をするなど、様々な症状を全部含めて睡眠障害といいます。
このような症状が一時的で、すぐに消えてしまうのであれば特に心配はありません。ただし1ヵ月も続くようであれば、やはりどこかおかしいので、専門医への受診を考えましょう。

■原因は環境から病気まで様々
一言で睡眠障害と言っても、その原因は様々です。例えば騒音や照明の明るさなど、寝る時の環境が影響したり、夜勤や時差ボケによる生活リズムの乱れが原因になったりすることもあります。他にもストレスや悩み事、心配事といった心理的な要因や、うつ病やアルコール依存症などの精神疾患によって睡眠障害になることもあります。そのため睡眠障害を治すには、まずはこうした原因を明らかにしてから、適切に対処する必要があります。
昼間の異常な眠気は、いくつかの病気で引き起こされることもあります。その内の1つで比較的頻度の高い病気が睡眠時無呼吸症候群です。この病気は夜中にいびき、あるいは息が止まるということを何度も繰り返します。そして息を吹き返す時に、微小覚醒といって何回も何回も繰り返して覚醒します。この睡眠時無呼吸症候群が問題なのは、繰り返して起こる低酸素状態や、覚醒して起こる自律神経の興奮によって、心臓や血管に負担をかけて、様々な生活習慣病を引き起こしたり、悪化させてしまうということです。
他にも実は、日本人の睡眠時間は世界的に見るとかなり短い部類に入ります。その結果、多くの人々が必要な睡眠時間よりも、短い時間しか眠れていないために、昼間に眠気を感じていると考えられてます。

■昼間の眠気が病的かどうかを見分けるテスト
エップワース眠気尺度は世界中の医療機関で広く使われているテストで、8つのシチュエーションで感じる眠気の強さを4つの選択肢から選び、その合計点で眠気が病的かどうかを判断します。答えの点数は、うとうとする可能性がほとんどないなら0点、少しある場合は1点、半々くらいなら2点、高い場合は3点になります。少しあるは5〜10回に1回程度、半々くらいは2回に1回、高いはいつもうとうとすると考えましょう。

@座って何かを読んでいる時(新聞・雑誌・本・書類など)
A座ってテレビを見ている時
B会議・映画館・劇場などで静かに座っている時
C乗客として1時間続けて車に乗っている時
D午後に横になって休息している時
E座って人と話をしている時
F昼食後(飲酒なし)静かに座っている時
G座って手紙や書類などを書いている時

8つの質問の合計点が高いほど昼間の眠気が強いと判断され、11点以上で病的な眠気、16点以上になると重度の睡眠障害が疑われます。11点以上で、日常生活で昼間の眠気に困っているようであれば、病気が原因の眠気かも知れませんので、専門医を受診することをおすすめします。

■睡眠障害の対処法
まず第一に、必要な睡眠時間というのは人によってかなり異なります。とても長く寝ないとダメな人もいれば短くても大丈夫という人もいます。個人個人で眠気を感じていなければ、その時間で十分だということに、なります。
次に眠くなってから床に着くというのも重要なポイントです。例え寝始めの時間が多少遅くなっても、翌日の朝は決まった時刻に起きるようにしましょう。早寝が早起きにつながるのではなく、早起きが早寝を招くということを覚えておきましょう。
日中どうしても眠たい時は、20分から30分の昼寝がおすすめです。ただし、遅い昼寝は夜の睡眠を妨げるので、午後3時までには済ませましょう。
寝る時は照明を暗くして、朝、目が覚めたら太陽の光をしっかり浴びると、体内時計が正常に働いて寝付きが良くなります。
またコーヒーやお茶など就寝前4時間のカフェイン摂取や、就寝前1時間の喫煙は脳の働きを高めて、寝付きを悪くするので避けましょう。

■受診の目安について
一般的な不眠が続くという症状以外にも、睡眠時間を十分確保しているにも関わらず、眠気が残るというのが長く続く場合、それから非常にひどいいびきをしている、夜中に息が止まっている、足のムズムズ感で不眠になってる、あるいは夜中に変な行動をしてると、誰かに指摘されるようなことがあれば、専門の施設を受診しましょう。
日本睡眠学会のホームページでは、専門の医師や施設が紹介されているので、受診の参考にしてください。


私たちは人生の4分の1を眠って過ごします。その時間は心身の休息と同時に、脳では情報の整理や修復、調整を行って明日に備えます。だからこそ質の良い睡眠が必要なのです。たかが寝不足なんて油断してはいけませんよ。

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