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五月病

 
今回、五月病についてお話を伺ったのは、
福岡大学病院 精神神経科 外来医長の
飯田 仁志(いいだ ひとし)先生です。

■五月病とは

五月病は、ストレス障害の一種である適応障害のひとつで、
新しい環境がストレス因子となって症状が出ます。
具体的には初めての一人暮らしなどといった環境の変化、
職場での人間関係の問題、
理想と現実とのギャップなどが挙げられます。
新しい環境になって最初は緊張感をもって過ごし、
その場に適用しようと頑張るのですが、
ゴールデンウィークを過ぎたあたりから
疲れが溜まってきます。


■五月病の症状

五月病では疲れやすい、やる気が起きない、
食欲がわかない、夜眠れない、孤独感を感じるなど、
心身にさまざまな症状が見られます。
症状が出たら、
周りの人に自分の変調を伝えることが大事です。
またどんなときに体調が悪くなるのか、
その前後にどんなことが起きるのかを
把握することも大事です。


■五月病とうつ

五月病は一時的なもので、
通常では自然に軽くなるとされています。
しかし、症状がなかなか改善せずに長引く場合は、
うつ病などが疑われることもあります。


■五月病の予防・対策

五月病の予防・対策は、
五月病にならないようにするというよりも、
自分にも五月病が起こるのではないかと意識して、
調子が悪いときには「無理をしているかな」といったことに
早く気づくことです。


■五月病になってしまったら

それでも五月病になったら、まず休息をとりましょう。
基本的なことですが、
しっかり食べてしっかり寝ることが大事です。
また旅行や軽い運動など、
自分なりの楽しみを見つけることも大事です。


■まとめ

五月病は“心の注意信号”です。
自分がそういう状態にあることをいち早く気づいて、
注意信号が黄色から赤にならないように
日頃から注意することが大事です。
また周りの人は元気をなくしている人に
「ガンバレ!」などと無理に励ますことなく、
温かく見守ったり、話をよく聞いてあげたりしましょう。

海外旅行の注意

 
今回、海外旅行の注意についてお話を伺ったのは、
久留米大学医学部 感染制御学講座 主任教授の
渡邊浩(わたなべ ひろし)先生です。

■海外旅行の注意

海外は行き先によって流行している病気が異なります。
特に感染症は国や地域によって流行が違うので、
トラベルクリニックを受診して、必要なワクチンや
健康についてのアドバイスを受けることが大事です。
ワクチンは一般的なものでいうと
A型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬病。
アジアであれば日本脳炎、少し衛生状態の悪いところでは
それに加えて腸チフスなどがよく打たれるワクチンです。
ただしワクチンは効果が出るまでに2週間前後かかります。
またワクチンによっては出発までに
複数回打つものもあるので、渡航までに最低2週間、
できれば1ヵ月程度ゆとりを持った方がいいでしょう。


■海外旅行での病気

最近では海外旅行中に病気にかかる
中高年の旅行者が増えています。
外務省の発表によると
毎年500人前後が海外で亡くなっていて、
その半数以上は病気が原因とされています。
海外旅行中の病気といえば感染症はもちろんですが、
実際は脳卒中や心臓病が死亡原因の大半を占めていて、
これらの病気の背景には高血圧や糖尿病といった
さまざまな生活習慣病が潜んでいます。
血圧や血糖値が少し高い程度の予備軍の人でも、
海外旅行中は環境の変化や緊張から
思わぬ発作を起こすことがあるので注意が必要です。


■薬について

渡航先によって時差があるので、
どういうふうに薬を使うべきか、
かかりつけの先生に事前に確認した方がいいでしょう。
また国によっては持ち込めない薬があるので、
今、どういう病気でこの薬を使っているかを
かかりつけの先生に英語で書いてもらうと
トラブルが少なくなると思います。


■海外旅行と水分

海外旅行では感染症を防ぐために
旅先で生水や生ものを口にしないのが大切ですが、
感染症を怖がるあまり、
水分補給を極端に制限する人が少なくありません。
旅行中は何かと移動が多くて自然に汗をかくので、
水分をしっかり補給しないと脱水症状を招きます。
また体内の水分が不足すると血液がドロドロになって
血栓(血の塊)ができやすくなり、
脳卒中や心疾患を発症しやすくなるので、
旅行中はミネラルウォーターや経口補水液を持ち歩いて、
のどが渇く前にこまめな水分補給を心がけましょう。


■帰国後の注意

海外には日本とは違う病気があり、
なかにはマラリアのように重症化する病気もあります。
帰国後に熱が出た、下痢が長く続く、
ただの下痢ではなく血が混ざる、
こういう場合はなるべく早めに病院を受診してください。
その際には「いつ・どこに行った」かを、
しっかり伝えるようにしてください。

飛蚊症

 
今回、飛蚊症についてお話を伺ったのは、
九州大学病院 眼科 講師の
中尾 新太郎(なかお しんたろう)先生です。

■飛蚊症とは

飛蚊症とは、ものを見ているときに
黒い虫やゴミのような浮遊物が動いて見える病気です。
蚊が飛んでいるように見えることから
飛蚊症と呼ばれています。
飛蚊症で見えるのは蚊のようなものだけではなく、
蠅やゴミくず、糸くずなど、人によって違います。
大きさや色もさまざまで、
瞬きを繰り返しても目をこすっても消えることはなく、
視線を変えると追いかけてくることもあります。


■眼の仕組みと飛蚊症

眼球には角膜や毛様体、水晶体、網膜など
たくさんの組織がありますが、
眼球内の大部分を占めるのが硝子体(しょうしたい)です。
飛蚊症は硝子体に何らかの不具合が起こって
発症するのではと考えられています。


■飛蚊症の原因

飛蚊症の主な原因は生理的現象(=老化)と目の病気です。
生理的現象では硝子体が液化していくことで
症状が起こるといわれています。
もともと硝子体はタマゴの白身のように
ドロッとしているものですが、
年齢を重ねると徐々に液化してきて濁りが出てきます。
この液化が進行すると硝子体が収縮し、
硝子体の後ろにある網膜から硝子体が剥がれて
後部硝子体剥離を起こし、それに伴う飛蚊症が現れます。
後部硝子体剥離は硝子体の変化によって起こりますが、
多くの場合は一般的な老化現象によるもので、
それによって起こる飛蚊症も心配のないものとされます。
また飛蚊症は最近、パソコンやスマートフォンなどで
長時間、仕事やゲームをする人が増えていることから
比較的 若い世代にも増えています。
それ自体が深刻な目の病気に
必ずつながるという訳でありませんが、
目の使い過ぎには注意しましょう。


■目の病気による飛蚊症

目の病気による飛蚊症の場合には
網膜裂孔や網膜剥離が考えられます。
網膜裂孔とは硝子体が網膜からはずれるときに
網膜が引き裂かれ、穴が開く病気です。
これを放置すると網膜の裏側に水が入ってきて
網膜がはがれる網膜剥離に進むことがあります。
網膜裂孔、網膜剥離が起こるときに
網膜の毛細血管が破れて出血することによって
激しい飛蚊症が起こることもあります。
網膜剥離によって網膜が剥がれてしまうと
失明の危険が高まるため、手術による治療が必要です。


■まとめ

生理的な飛蚊症か目の病気による飛蚊症かを見分けるには
硝子体を調べる眼底検査が必要です。
急に見える量が増えた場合、色や形が変化した場合は
早めに専門の医療機関を受診して検査を受けましょう。

花粉症

 
今回、花粉症についてお話を伺ったのは、
福岡大学医学部 耳鼻咽喉科学 教授の
坂田俊文(さかた としふみ)先生です。

■花粉症

花粉が鼻の中に付くと体が過剰に防御反応を示して、
くしゃみ・鼻水・鼻詰まりなどを起こすのが花粉症です。
特に鼻詰まりによって口呼吸になると、
口の中が乾いて細菌やウイルスの影響を受け、
炎症を起こしやすくなります。
また乾燥した空気が肺に吸い込まれると
気管支炎を合併することもあります。


■花粉症の特徴

花粉症は戦後に初めて報告された比較的新しい病気で、
日本では1960年代からの50年間で
劇的に患者数が増加しました。
その最も大きな要因とされているのがスギ花粉の増加です。
戦後に大量植林されたスギが林業の不振で伐採されずに残り、
地球温暖化の影響も受けて
スギ花粉の飛散量が著しく増えました。
そのため花粉症のおよそ7割は
スギ花粉が原因と考えられています。


■花粉症が起こる仕組み

空気中を漂っている花粉が目や鼻の粘膜に付着すると、
免疫システムが花粉を異物とみなして抗体を作ります。
抗体は花粉に接触する度に作られ、
少しずつ体内に蓄積されていきます。
やがて抗体の蓄積量が限界を迎えると、
次に花粉と接触した時に体内でアレルギー反応を起こす
ヒスタミンなどの化学物質が分泌され、
花粉症の症状が引き起こされます。


■花粉症の治療

花粉症の治療には根治療法と対症療法があります。
根治療法には舌下免疫療法があります。
これはスギ花粉のエキスを含んだ薬剤を
毎日少しずつ飲んで徐々に体を治すというものです。
ただし舌下免疫療法はスギ花粉だけが対象で、
しかも花粉が飛ぶ時期の前に行う必要があります。
今年であれば6月以降からスタートということになります。

対症療法は主に薬物療法で、症状に合わせて
内服薬や点鼻薬、点眼薬などを組み合わせます。
治療期間に数年を要する舌下免疫療法に対して
効き目が早く現れるのが特徴で、
症状が出始めたら早めに治療を開始すると効果的です。
ただし点鼻薬の使用を繰り返していると
鼻の粘膜が肥大して詰まりやすくなるため、
外科治療が検討されるようになります。


■外科手術

鼻詰まりや鼻水の多い人には外科治療が有効です。
最もよくされている手術はレーザー治療です。
花粉症では鼻の中の下鼻甲介というところが腫れて
鼻が詰まりますが、その表面の粘膜をレーザーで焼くと、
腫れや鼻水を分泌する細胞が減って鼻が通るようになります。
ただし1回のレーザー治療で焼ける範囲が限られているので
複数回受ける必要がある、効果に個人差がある、
何年かすると治療効果が弱まる、といったことがあります。
もう1つの外科治療には下鼻甲介切除があります。
これは下鼻甲介の中の骨を抜いて
空気が通る空間を確保する方法です。
鼻水を分泌する神経も一緒に切断すると
鼻水も減らすことができるので、
鼻水、鼻詰まり両方の改善に効果が期待できます。

肥満外科

 
■概要

今、肥満による健康被害が社会問題になっています。
肥満が引き起こす糖尿病や心臓疾患、
脳卒中の影響で平均寿命が短くなることが分かっていて、
肥満は重大な病気と考えられています。

今回、肥満外科についてお話を伺ったのは、
国立病院機構 九州医療センター 消化管外科 医長の
橋本健吉(はしもと けんきち)先生です。


■肥満外科とは

日本でも食生活の欧米化などの影響で肥満の人が増えていて、
成人の約4分の1が肥満、そのうち病的な肥満患者は
60万人以上に達すると考えられています。
肥満はまず内科治療が原則ですが、
病的な肥満は長期に渡るコントロールが難しく、
いったんやせても9割以上がリバウンドするため、
手術による外科治療が有効だとされています。
肥満外科で行う手術は内科治療と比べ、
明らかな減量効果を長期間維持できるため、
世界中では年間数十万件も行われています。
日本では年間6000件ほどですが、
最近急激に増えています。


■手術の対象となる患者

肥満手術は保険診療の場合、
肥満の度合いを示すBMIが35以上の病的な肥満で、
糖尿病・高血圧・脂質異常症・睡眠時無呼吸の
いずれか1つ以上を合併し、
6ヵ月以上の内科治療を行ったにも関わらず、
十分な効果が得られなかった患者に限定されます。
また手術の安全性を高めるために
手術前に減量と禁煙を行う必要があります。
特に減量は手術の合併症を防ぐために重要で、
きちんとできていないと
術後の減量効果が小さくなるという報告もあります。


■腹腔鏡下スリーブ状胃切除術

肥満手術では日本では
2016年から腹腔鏡下スリーブ状胃切除術が
保険適応になりました。
この手術は腹部に5〜15mmの小さな穴を5ヵ所あけ、
腹腔鏡を使って胃をバナナ1本程度の大きさにする手術で、
手術の傷が開腹手術と比べて小さいため術後の回復が早く、
安全性の高い手術とされています。
腹腔鏡下スリーブ状胃切除術を受ける患者さんは
海外でも急増していて、
現在の肥満手術の主流になりつつあります。
腹腔鏡下スリーブ状胃切除術は胃を小さくするので、
自然に食事量を制限できるメリットがあります。
また食欲を増進させるホルモンを分泌する
胃底部(いていぶ)を切除するので、
過剰な食欲を抑える効果も期待できて、
無理のない減量に繋がります。
さらに手術前と同じように胃の内視鏡検査ができ、
胃がんの多い日本人にとっては大きなメリットになります。
一方、比較的新しい手術法で
長期の治療効果が実証されていないので、
重症の肥満患者や糖尿病患者に対しては
治療効果が十分ではないという報告もあります。
また将来的に、鉄不足・ビタミン不足などの
栄養障害が考えられるため、
サプリメントによる補充療法が必要になることがあります。


■まとめ

肥満手術が必要な患者は糖尿病を始めとした
生活習慣病を合併している場合が多いので、
高度な肥満の治療には診療科の連携が必要です。
九州医療センターでは外科だけではなく、
さまざまな専門内科や麻酔科、精神科の医師、
看護師、管理栄養士、ソーシャルワーカーなどで
構成された専門チームを結成して、
術前・術中・術後に渡って
継続的に支援する体制を整えています。
さらに肥満手術の効果を継続させていくためには
定期的なフォローが必要です。
術後に病院を受診しなくなった患者は
リバウンドしやすい傾向にあるので、
退院後は外科医の診察や検査に加えて、
必要に応じて内科の診察や栄養士による
栄養指導を定期的に行うことが大切です。

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