唐津の風土と共に生きている証。唐津焼の登り窯『三藤窯』三藤るいが生み出す土と炎の器(佐賀・唐津市)【Oasis~心の休息地をめぐる旅〜】

佐賀県唐津市の山あいに、静かに佇む『三藤窯』。窯主・三藤るいさんは、炎の走らせ方や天井の高さ、傾斜にまでこだわり、自らの理想を反映させた登り窯で唐津焼を焼き上げています。

登り窯は、47時間以上薪をくべ続ける過酷な工程があります。窯詰めの段階で、炎の流れや釉薬の変化を想像しながら一つ一つの器を配置します。炎をコントロールするよりも、この「窯詰め」こそが最も神経を使う作業だとか。「想像を超える焼き上がりがあるからこそ、登り窯は面白い」と三藤さんは話します。しかし、焼き上がりのわずか三割しか作品として残らない厳しい世界。残りは弟子たちが学びのために割り、その断面から厚みや粒子の締まり具合などを確かめます。

唐津焼の魅力は、素材作りから販売まで一貫して手掛けられることにあります。山に入り土を採取し、藁や草木から釉薬を作ります。もち米の藁を焼いた黒い灰は、焼成すると白く変化し、独特のまだら模様を生み出します。「自然のものをどう生かすかは、自分の感覚次第」と語る三藤さんは自らの手によって、四季や風の匂いをそのまま土に写し取っています。

作品は茶器や酒器といった一点物から、日常使いの食器まで幅広く手掛けています。茶碗は必ず「正面」を決め、そこに最も美しい景色がくるよう釉薬を掛け、窯詰めします。「器は料理が盛られて完成するもの。長く使うほど表情が変わっていく。それを楽しんでもらえたら一番嬉しいです」。出来上がった器には「飾るよりも日常で使うことで生まれる味わいを楽しんでもらいたい」という想いが込められています。

『三藤窯』のギャラリーは、天井の網代や琉球畳など、自身の作品が最も映えるような設えが施されています。「高いから良い、有名だから良いではなく、そのものが発する力を信じて作り続けたいです」。独立から17年、来年には海外での個展も控えているとか。器と言う枠を超え、唐津焼を日本の伝統文化として、しっかりとその魅力を届けたいと語ります。炎の色や角度、長さを見極め、土の声を聴き、釉薬の表情を待つ。すべての工程に手間と時間を惜しまないその姿勢は、唐津の風土と共に生きている証だと言えます。『三藤窯』の器には、そうした“生きた時間”が確かに宿っています。


◼️『三藤窯』
住所:佐賀県唐津市宇木2972−6
電話:0955-77-0333
営業時間:9:00〜17:00 ※要予約
定休日:不定

Webサイト https://www.mitohgama.com

Instagram @mitohgama
https://www.instagram.com/mitohgama/

※営業時間・定休日・記載の内容などは変更している場合がございます。事前にご確認ください。

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